ゲーセン復調の陰で店舗は減っている現実
先日、ゲーセンに関する、こんな記事を紹介しました。
確かに、様々な資料を見ると、一般の方々から見れば、『復調』しているように見えるのでしょう。
ゲーセン関連で上場している企業の決算発表をみると、どの会社さんも、ゲーセン部門は堅調な推移をしているんですよね・・・
皆ほんとに復調しているの?
その要因の1番手にあげられるのが、
な訳ですが、来月にようやく1周年!という事で、明日から1周年の前ノリでイベントも開催されます。
春といえばもうひとつ!全国のゲームセンターで好評稼働中の【艦これ アーケード】も今春、一周年を迎えます。これを記念して、「『艦これアーケード』もうすぐ一周年だよ!」キャンペーンを実施予定です!
詳細はこちらから!https://t.co/95HwgXcIhs#艦これ— 「艦これ」開発/運営 (@KanColle_STAFF) 2017年3月13日
盛り上がるといいなー。
そんな艦これアーケードですが、以前もこんなエントリーを書きました。
艦これアーケード、ゲームセンターの救世主に?ゲーセン側からの考察
過去に書いたこのエントリーでも、「受注生産」について書きましたが、その意味からも、稼働開始前に注文しなかったゲーセンは、基本的に購入することができないのです。
中古で購入すれば別ですけど・・・
したがって、どんなゲーセンでも、軒並み導入しているか?と言われればそうではないわけです。
具体的に数を挙げて考えてみましょう。
最近の新製品(コアなゲーマー向けのゲームに限る)の販売数は、大まかに、
500〜700セットが目安
と言われています。
この幅を出ると多すぎて、1台あたりの売上が低下したり、逆に少なすぎてネットワークが構築できない可能性があり、席数でいえば、2000〜3000席が一つの目安とされています。
その中でも艦これは少ない部類に入るので、500セット(4席で2000席)位の席数が、全国のゲーセンで稼働していると思われます。
全国にゲーセンといわれる施設がいくつあるか?というのは、正確には補足できませんが、全国レベルで考えると決して多い数字ではないといえると思います。
しかしゲーセンの数は減っている
そして先日こんな資料が発表されました。
この中で、このグラフをみていただければ、一目瞭然ですが、
艦これアーケードの稼働が開始した、平成28年も店舗数に関しては減少し毎年右肩下がり
と言えます。
そもそも、艦これアーケードの設置店舗数が500店だとすれば、風営の許可申請店舗での導入比率はわずか10%強であり、実に9割近いゲーセンがその恩恵に浴していない事になります。
実際には、許可申請店舗であっても、プライズ専門でコアなゲーム機については設置しない店舗などもあるはずなので一概には言えませんが、ゲーセン全体から見れば、
艦これアーケードの恩恵を受けるのは極わずかな店舗
です。
ちなみに、ゲーセンの店舗数ですが、こちらでも書きましたが、
(追記あり)24時間営業できるゲーセンとそうでないゲーセンの違いをまとめてみた
ゲーセンには、風営の許可申請店と、許可が不要な店舗もあり、大きなククリでゲーセンを捉えたら、もっと母数は大きくなることになります。
実際には、5%位の導入比率になるんではなかろうか・・・
実際に起きているのは「寡占化」
しかし、大手企業のゲーセン部門に限れば復調傾向もあるということは、全体の店舗数は減少(市場規模の低下)がありつつ、好調な店舗が出現しているということは、
ゲーセンの寡占化
が進んでいるともいえます。
店舗数が減少していく中で、堅調な店舗が生き残り、そうでない店舗はさらに減少していくという・・・
中小企業には恐ろしい世界ですな・・・
そんな状態で生き抜いて行くには、どうしたらよいか?を改めて考えさせられるニュースでした。
業界としても、店舗数の減少が止まって初めて、「底を打った」といえるんじゃないかなー?