電子マネーをゲーセンに導入したいのは「ゲーム開発者」のはず?
ゲーセンにも電子マネーの波が押し寄せている事は、何度か書きました。
史上初!セガとコナミの電子マネーシステム合同商談会に行ってきた!
【修正有】JAEPO2015を振り返るシリーズ第4弾 メーカー同士の電子マネー戦争が始まる
一般の方からみると、押し寄せているといっても、「ゲーセンなんて全然電子マネー使えないじゃん?」と思うかもしれませんが、業界的には、押し寄せている感が満載なのです。
大手から順に導入中
基本的にこうしたインフラ周りの投資というのは、大手企業から始まります。
以下のエントリーでも書きましたが、
タイトーのゲーセンに電子マネー決済端末導入。過去(黒歴史?)を振り返ってみる編
まずは、タイトーの系列店舗に順次電子マネーは導入されています。
特にタイトーに直営店はかなりの導入率で、今後もどんどん増えていき、おそらく100%近くになるまでタイトーの店舗では導入していくと思います。
その後は、ショッピングセンターに入居しているゲーセンが対象です。
やはり、ショッピングセンターがメインに使用している電子マネーに対応していくのは、当然な流れらしく、イオンに入居すれば、「WAON」、イトーヨーカードーに入居すれば「nanaco」という風に、母体の推進する電子マネーに対応するのは、義務とはいかないまでも「努力目標」のようです。
対応してないと「ダメ」ではないものの、対応するのとしないのでは「手のひらクルー」状態だという話も聞きます。
中小店舗はまだまだ先
そんな大手や、大型ショッピングセンター内のゲーセンの事情はつゆ知らず、我々のような田舎企業や中小のゲーセンでは、「電子マネー?なにそれ?食べれるの?」状態が続いております。
コナミさんのPASELIもあるし、電子マネー対応にしたら値下げ競争するだけじゃん?などの、意見もあり、地方や中小のゲーセンではまだまだ本格導入には、程遠い状態です。
そんな田舎の郊外店舗でも、タイトーさんは積極的に導入を行っているので、その先を考えた投資力は、やはり大手だなと痛感します。
タイトーさんと話をすると、「まだ様子見でも良いと思いますが、いつか「必須」になるでしょう?」と言われれば、納得です。
まだ先でいいだろうとか思っていると、最近はスピードが早くて、「えっ?もう?」ってなることもあります。
ただ、セガの店舗なんかを見ていると、コナミと共同で販売し始めたのは良いけど、セガの店舗に大々的に導入する!というほどの動きにはなっておりません。
同じグループ会社でも、あくまでも分社化していれば、やっぱり歩調は合わないもんですね・・・
電子マネーを活用したいのは誰か?
電子マネーを導入する事自体が、コストがかかることであり、しなくても済むならしないほうがいいのだろうな・・・というのは、経営者としての本音です。
消費税がアップして、全て電子マネー決済になったら、決済手数料も負担しなければならない・・・というのは大きな壁であって、いつか電子マネーが必須となるのであれば、乗り越えなければならない壁でもあります。
そうしたデメリットはありつつも、いずれは全てのゲーム機が電子マネー対応となるのでしょうが、その際に最もメリットを受けるのは誰でしょうか?
電子マネーの発行主体ってのもありますが、個人的には、
ゲームの開発者が最も電子マネー化の恩恵を受ける
と考えています。
これは、コナミのPASELIの導入後におきたことを考えるとわかりやすいのですが、例えば、ちょっと古いデータですが、PASELIを利用すると、こんなメリットが!というページがあります。
このように、電子マネーを使用した場合に、柔軟な価格設定が可能となり、ゲーム性や遊び方により幅が広がる結果になります。
PASELIの場合は、ゲームモードの追加がメインですが、例えば、ガチャとまではいかなくても、限定アイテムやカードの購入など、100円という金額に縛られずに設定することができます。
ゲーム中に特定のタイミングでユーザーに課金してもらうとか、実際には風営法によって難しい仕様ですが、電子マネーを使用することで、金額、タイミングに縛られずにユーザーに魅力を提供する事ができるという事で、ゲームの魅力も広がるのではないか?と思います。
そういった意味では、全てのゲーセンに電子マネーが導入されることになれば、最も恩恵を受けるのはゲーム開発者じゃないかな?
と言うよりは、2〜3年の内には、電子マネー端末を最初から組み込んで、ゲーム性も電子マネーの方が広がるようなゲームを、コナミ以外も開発してくる可能性は高いでしょう。
常々言ってますが、「艦これアーケード」と「三国志大戦」に最初から電子マネー端末を組み込んでいれば、一気に市場を制圧できたんですけどねぇ・・・