【修正有】JAEPO2015を振り返るシリーズ第4弾 メーカー同士の電子マネー戦争が始まる
なかなか全て書き終わらない、JAEPO2015を振り返るシリーズですが、今回で一応最終回です。
ちなみに過去の3回はこちら。
FINAL FANTASYがゲーセンに登場!「DISSIDIA FINAL FANTASY」を予想する
JAEPO2015を振り返るシリーズ第2弾「艦これアーケード」について考える
JAEPO2015を振り返るシリーズ第3弾 3つの音ゲーについて考えたら全然別の話になった・・・
今回は日経新聞などにも、取り上げられた、電子マネーについてのお話です。
ゲーセンの話題で、日経新聞にのるなんて久しぶりですね。
ゲーセンの電子マネー対応先行はPASELI
知らない方の為に、現在のゲーセンで、電子マネーでゲームを遊ぶという機能は既に実在しています。
普段からゲーセンに来る方で、音ゲーマーならほぼ100%の認知度だと思いますが、コナミさんの「PASELI」ですね。
こちらは、簡単にいえば、コナミのゲーム機専用の電子マネーです。
コナミのゲーム機を遊ぶ時にのみ、使用できる電子マネー。
基本的にクレジットカードや、ウェブマネー(実際には、ビットキャッシュのみです、ご指摘いただいたお客様ありがとうございました!)などでチャージも可能ですが、お客さんを見ていると、ゲーセンにあるチャージ機でチャージするお客さんが多いようにみえます。
コナミのゲーム以外で使用できないのですが、今後はコナミのゲーム以外でも使用できるように、専用端末の発売が決定しています。
アーケードから周辺店舗を盛り上げる…コナミの電子マネーPASELIの新たな取り組み
実際に、JAEPOの会場では自販機にPASELIリーダーを取り付けたり、弁当を購入できたりと、ゲーム以外の用途にも使用できるようになっていました。
他社のゲーム機にも使用できるようになるとのことで、コナミのゲーム機以外での利用については、まだまだ未知数です。
今回発表された「電子マネー」対応は何が異なるのか?
JAEPO2015では、タイトーとセガより、それぞれ電子マネー対応が発表されました。
セガ,アミューズメント施設向けマルチ電子マネー決済システムの取扱を発表。現金/店舗内専用電子マネー/パブリック電子マネーに対応
タイトーのゲーセンに電子マネー Suicaやnanacoなど対応
今回上記2社が発表した大きな違いは、一般的に流通している、WAONやNANACO、SUICAといった既存の電子マネーをゲーセンで使用できるようにした、という点でコナミのPASELIとは大きく異なります。
セガの電子マネーは他社の動向をみて、追いつけなくなるまえに手をだした感もありますが、タイトーさんは一部店舗ですでに電子マネーのテストを行っていたので、その結果を受けて、全てのタイトーの店舗でヨコ展開するという結論をだしたのだと思います。
テストの結果、プライズに関しては、10%程度売上が向上したという噂も聞きましたが、本当のところは資料をいただいて無いのでわかりませんが、イオンの中のゲームコーナーで、「WAONが使えます!」というのは便利だし、ポイントも貯まるし、お客さんにとってはメリットしかないので、良い施策ですね。
この3社のシステムは全て別
ゲーセンに詳しく無い方はご存知ないと思いますが、セガ・コナミ・タイトーの3社は基本的にゲーセンのインフラに置いて相容れない存在のライバルです。
一例が、例えばネットワーク通信です。
コナミはe-amusement、セガはAll.net、タイトーはNESYSとそれぞれバラバラの規格を採用しているせいで、ゲーセンの店舗はNTTの光回線を3回線と、それぞれ別のルーターを3つ用意しなければならないという、面倒くさい状況です。
これを一本化してくれるだけでも、手間も費用もかなり削減できるので、なんとかなりませんかね?→各メーカーさん
インフラを牛耳るのが最も利益につながるので、考えてることは分かるんですけどね・・・
ネットワーク通信の事例でもわかるように、電子マネー端末が存在したとしても、当然の事ながら、タイトーの端末でPAELIは使えないだろうと予想されるわけで、そう考えるとお客さんの手間が増える事も予想されます。
そして、仮にゲーセンが「電子マネーを導入しよう!」と考えたとしても、どれを選ぶか?が重要になる。
セガやタイトーといった大手の施設では、自社のシステムを使う他に選択肢もないのでしょうが、我々のような独立系では、どれを選ぶか?によって大きく結果が異なってしまうので、慎重にならざるを得ません。
システムを選ぶ基準はゲーム
では、仮にウチが電子マネーを導入することを決定したとして、どのシステムを選ぶか?という話になりますが、
やりたいゲームがあるからその電子マネーを使用する
というシンプルな結論になると思います。
コナミのPASELIも手数料や、プレイ料金の変更など紆余曲折ありましたが、基本的には、PASELIでしか遊べないモードやゲームがあるから、否応なくお客さんも、ゲーセン側も使用しているのです。
そこにはシステムに対する可も不可も、良も不良もない。
やりたいゲームをやるために、そのシステムを利用しているので、結局は
コンテンツ(ゲームの内容)競争
になるので、バンダイナムコさん以外のメーカーはシステムを売りたければより良いゲームを開発するのがベストな方法だと思います。
極端な例を上げれば、セガの「艦これアーケード」やスクエニの「DISSIDIA FINAL FANTASY」がそれぞれの電子マネー以外は使用不可!
という状況になれば、ゲーセンはそのゲーム機を設置したければ、イヤでも対応する電子マネーシステムを導入せざるを得ないですし、お客さんも、イヤでも電子マネー(及びシステム)を使わざるを得ない。
という事で、電子マネーシステムを売りたければ、使わざるを得ない位良いゲームを作れ!という結論で終わります。
こういうプラットフォームは、本来JAMMAという団体があるので、統一規格を作成するべきだと思いますが、そういうの嫌がるメーカーがいるからなぁ・・・どことは言わないけど・・・