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2015.02.20

JAEPO2015を振り返るシリーズ第3弾 3つの音ゲーについて考えたら全然別の話になった・・・

こんにちは。

好評かどうかわかりませんが、JAEPO2015を振り返るシリーズ。
既に2回程書きましたが、もう少し続きます。
それだけ、今年のJAEPOショーは書く内容が多いショーだったとも言えると思います。
ネタの無いショーって言うのもどうかと思いますしね。

過去2回はこちら。

FINAL FANTASYがゲーセンに登場!「DISSIDIA FINAL FANTASY」を予想する

JAEPO2015を振り返るシリーズ第2弾「艦これアーケード」について考える

今回は、音ゲーシリーズです。
音ゲーマニアの間では、これだけ音ゲーが出ると、イロメキ立って各音ゲーを眺めていることでしょう。
そんな音ゲー各種を、今現在ゲーセンは、どれを買おうか頭を悩ませまくっている段階です。
注文の締め切りは、最も早くて来週!で遅くても3月上旬なので、丁度頭を抱えている最中です。

そんな音ゲー事情をまとめてみました。

JAEPO2015で詳細が発表されたのは3タイトル

今年のJAEPOで、詳細が発表された音ゲーは3タイトルです。
一部、詳細は発表されないまでも、今後の製品として発表されたものも有りますが、とりあえず割愛。
まずは全く知らない人の為に、3つのタイトルをご紹介します。

CHUNITHM

まずは、セガの「maimai」に続く新タイトル「CHUNITHM」です。
今回、発表されたタイトルの中で、唯一「タッチパネル」を採用していないゲーム。
「初音ミク PDA FT」から採用された、タッチスライダーと空間センサーを使ってプレイするチョット変わった音ゲーです。
「maimai」の次に繋がるタイトルということで、maimaiのプレイヤーには最も気になる作品だと思います。
セガからは、「タッチパネルだけを使う音ゲーは、スマホでもできるので異なるタイプ」との意見がありました。

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シンクロニカ

バンダイナムコからは、太鼓の達人に続く音ゲータイトル「シンクロニカ」が参戦です。
バンダイナムコの音ゲーといえば、「太鼓の達人」というくらいに、世の中に浸透していますが、ゲーセン的には、最もプレイヤーの年齢層が幅広い音ゲーが太鼓の達人だと考えています。
それに続くと言う事で、「小中学生やライトなユーザーが、太鼓の達人の次にプレイする音ゲーを目指して作成しました!」というコンセプトだそうです。
逆にいうと、BEMANIシリーズの様に、コアな音ゲーユーザー向けに設置するよりも、ライトなユーザー向けに設置してくださいとのお話をいただきました。
あとは、maimaiと異なり、基板が2枚入っているので、2人で同時別プレイが可能だそうです。

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CROSS BEATS REV.

そして、最後は音ゲーに殴りこみをかけてきた、カプコン初の音ゲー「CROSS BEATS REV.」です。
こちらのタイトルは、元々スマホのアプリで配信されていたタイトルの、アーケードへの移植作です。
元々スマホ向けのタイトルだけに、全面タッチパネルを使用したゲームで、遊びの内容も、ほぼスマホ版と変わりはないようです。
そのせいもあってか、プレイしている一般ユーザーのプレイが既に上級者の域に達して居たのが印象的でした。
ネット接続もあり、今回はセガのALL.net接続だそうで、「カプコンがNESYSと決別したのか?」と全く別の疑惑を抱いたのは、私だけでは無いはずです。

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ゲーセン側の視点から

音ゲーマニアの方々の情報収集力や、その知りたい欲求はスゴイので、twitterなどでやりとりされている情報は、ゲーセンも真っ青な情報ばかりなんですよね。
ですので、いまさら課金が〇〇で、筐体の価格が〇〇で、なんやらかんやら・・・というチョット探せば出てくる情報ではつまらない。
その辺りは、こちらに情報が沢山あるので、ご参照まで。

バンナムとセガの価格きた、本当ゲーセン運営終わってるのがわかると思います、今回のジャパンエキスポ総評

そこで、ちょっと変わった視点で今回の音ゲーを眺めてみました。
まずはこちらをご覧ください。

                      日当たり回数
製品名 販売年月 税率 OP 税込価格 従量課金 1play経費(税込) 1play単価 純売上 純利益 月額固定 1年償却 2年償却 3年償却
チューニズム NEXTプラン 2015年7月 8% 398,000 429,840 45 49 100 93 44   27 13 9
チューニズム 年度更新 2015年7月 8% 1,298,000 1,401,840   0 100 93 93 30,000 53 32 25
シンクロニカ 2015年6月 8% 1,188,000 1,283,040 30 32 100 93 61   58 29 19
クロスビーツ 2015年8月 8% 699,000 754,920 28 30 100 93 63   33 16 11

これは、今回の音ゲー3機種を比較するために作成した、個人的な資料です。ツッコミどころ満載やん!とかは置いといて、こんなふうに違いがあるんで、要は自分のお店に置いたら、元をとるまでにどれ位かかるかを計算するために作成しました。
どのゲーセンでも今の音ゲーの売上がどれ位あるか?は、わかっている事ですので、既にあるmaimaiやグルーブコースターや、BEMANIシリーズと較べてどうなんだ?という比較検討を行う為に、どんなゲーセンでも大体作成している資料だと思います。
まぁ、誰がやっても同じ計算結果なんで・・・
ちなみに、CHUNITHMの年度更新については、仮で月額30,000円を入れています。
本当は年度更新なので、年間360,000円位らしいです(詳細は未定)

この計算結果で注目すべき点は、CHUNITHMのプランによる差だと思います。
要は、短期的なスパンでは、筐体代金を一括で支払う「年度更新プラン」よりも、従量課金がかかる「NEXTプラン」の方がゲーセンが得をする可能性がある、という事ですね。
ということは、売上がこの筐体償却以上に上がる、もしくはより長期的に売上が入り続けない限りは、このプランを設定しないほうが、セガにとっては有利なハズだということも言えると思います。
そんなプランをなぜセガが設定したのか?ということを考える必要があると思います。

「場所の取り合い」という新たな競争の要素

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昨今からのゲーセンの閉店ラッシュで、アーケードゲーム機の設置面積は減っています。
今後も、この流れは消費増税10%まで続くので、2〜3年減り続ける。
今回のセガのNEXTプランの設定は、その中での、「場所取り」という意味合いが強いと考えられます。
設置面積が減っていくなかで、どのように自社の面積を確保して、今後につなげていくか?を考え始めたという証拠だろうと思います。
昔から、セガはちょっとだけその辺りの事を先行して考えていた気がするのですが、今回の値段設定からそのことを明確に意識し始めていると改めて感じました。
噂レベルで聞いた話では、バンダイナムコやコナミも思ったよりもその辺りに危機感を感じ始めているのでは?という事もありました。
従量課金モデルもそうでしたが、この辺りの次への布石は、やはりセガが最初に取り組みを始める事が多いので、同様に他社メーカーも追随してくると思われます。
追随しないという選択をする場合、アーケードの開発自体を止めるという手しか残っていないので、各メーカーのアーケード部門が単体の事業体で損益管理されていれば、その選択はないでしょう。
ただ、もっとの上の方の決定で、アーケード部門自体の終息となれば、話は別なのである意味メーカーとしても正念場ですね。

簡単にいうと、思った以上に製品が売れないという厳しい現実を目の当たりにして、開発タイトルをどうやって活用するか?という事を考え始めたという事です。
実際にどんな製品でも、「ラウ◯ド1が100購入、セ◯施設で50、タ◯トーの施設で100購入すると、大体これくらいの台数になるな・・・」とか売れる台数の上限が誰でも計算できる時代ですから・・・