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2016.08.21

大手の決算を見て考えよう、2016年夏編。ゲーセン事業は底を打ったのか?

初の、山の日の祝日があり、なんとなーく長いお盆休みとなった今年のお盆休み。
ゲーセンを見ている限りだと、「長すぎてぼんやりとしたイメージ」なんですが、他のレジャーはどうなんでしょう?
全ては今日までの数値を〆てみないとわかりませんが、何となく全体的に好調なようです。

お盆のレジャー好調 山の日追い風  :日本経済新聞

アミューズメント関連企業の決算

証券 株 ボード

そして、我々ゲーセン業界での大手企業もこのお盆前にほぼほぼ第1四半期の決算が出揃ったので、このお盆期間にぼんやり眺めていたのですが、この第1四半期はどの企業も基本的に増益基調だったようです。
ゲーセンというククリで考えると、メーカーとオペレーターという2つの側面が有りますが、以前バンダイナムコグループの決算については、気になる事を書きました。

大手メーカーの決算をみて考えよう!バンダイナムコ2016夏編 ついに話題のあの機器を販売するかも?

メーカー側については、他にも色々と書きたいこともありますが、今回はオペレーター(ゲーセン事業)について考えて見ます。
面倒なので、敬称(社とか)は全部略です。

セガ

正確には、「セガ・エンタテイメント」ですが、面倒なので・・・

20161qセガ

好調の要因として、「艦これアーケード」を挙げております。
なんども書いてるし、今更感ありますが、それくらいのインパクトありましたねぇ。

ゲーセン業界が「艦これアーケード」にどれだけ期待しているか?

実際には、この期待を上回る稼働を見せているので、「思わぬ誤算」状態でしょうか・・・

ラウンドワン

20161qラウワン

こちらもアミューズメント売上は絶好調という事で、艦これアーケードの予想を上回る売上に好調を維持しております。

区分として考えると、以上の2社は「艦これアーケード効果」の恩恵を思いっきり受けている会社となります。
ある意味、世間を賑わすくらいの行列だったので、当然といえば当然でしょうか・・・

次に、この2社以外で、「艦これアーケード効果」をあまり受けていない企業についても考えてみます。

バンダイナムコ

まずは、BNEから。
正確にはゲーセン部門は、「ナムコ」という会社が運営しております。
近年のナムコのゲーセンに関していえば、コア色を薄くして、ライト層向けの店舗がメインになりつつあります。
そのため、艦これアーケードの設置店舗リストをみればわかりますが、全国的に「ナムコのお店には設置が少ない」状態です。
そういった意味で、艦これアーケードの恩恵を余り受けていない事になります(当然設置が「ゼロ」ではありませんが・・・)

20161qBNE

意外といっては失礼かもしれませんが、艦これ効果が無くてもある程度の増収を維持しています。
この要因が何か?というのには触れられていませんが、ナムコさんの新しい取組として、

ナムコ限定景品「紅生姜(べにしょうが)コーラ」7月29日(金)全国のナムコ店舗に登場! | イベント・キャンペーン | ナムコ 「夢・遊び・感動」を。

といったような取組がプラスになったのかな?と推測しています。

イオンファンタジー

第1四半期の期間が微妙にずれているので、完全に同じではありませんが、コチラの資料から。

20161qイオンF

おいおい、絶好調じゃねーか!ってツッコミたくなるんですが、イオンファンタジーって確か

艦これアーケードほぼ設置なかった気がする(正確にはわからない)

という事で、艦これアーケードの恩恵は、ほとんどないと思われます。
好調の要因として、

特にプライズ部門は、大型景品・お菓子景品が好調であることに加え、昨年より取り組んでいる社内SNSによる好事例の水平展開の効果も更に高まり、当第1四半期連結累計期間のプライズ部門の売上既存店伸び率は16.3%増となりました。

という事です。
プライズが絶好調なら、一度お店を見に行って、パクれる物はパクらないと勉強させていただかないと。

ゲーセン業界の売上低下は底を打ったのか?

V字回復

ざっと大手の決算を見てきましたが、トータルでいえることは、

艦これアーケードが好調なのは言うに及ばず、プライズ事業も好調だった

という結論になると思います。
ただし、この好調には2つの大きな要因があります。

まずは、「艦これアーケードの設置の有無」です。
コチラにも書きましたが、人の流れを変える力のある製品なだけあって、その設置有無で売上に大きな差ができます。
それこそ、郊外だろうがSCだろうが、設置がありさえすれば、そこにお客さんがやってくるという状態。
この「場所を選ばない恩恵」を受けているかどうか?というのは、全てのゲーセンに当てはまるわけではないのは、最初に引用した自分のエントリの通りです。

もう一つは、「ゲーセンの立地」です。
上記で引用した、ナムコとイオンファンタジーの場合は、どの立地のほとんどが、ショッピングセンター内です。
これは仮説となりますが、プライズが好調なのは、ショッピングセンター内のゲーセンに限っていえる事かもしれません。
ということは、これも同じく、ゲーセン事業全体に当てはまるとは言いづらい面があります。

以上の事から、大手の決算を見ると、一見「ゲーセン事業の底打ち感」というのも出ていますが、その実は立地だとかラインナップに大きく左右されていることから、その恩恵をほとんど受けない店舗もまだまだ多いので、ゲーセン事業全体が底打ちしたとは言えない状況といえると思います。
ウチみたいに、大手じゃない郊外店舗ってやっぱりまだ厳しいのよ・・・