艦これアーケードの発売延期について語ろう 経緯編
一昨日の話ですが、このツイートが駆け巡りました。
セガさんと進めている「艦これアーケード」ですが、製品生産過程に遅れが生じており、稼働日が2016年春に変更となりました。楽しみにお待ち頂いている提督の皆さん、大変申し訳ありません…今冬に先行体験できる機会を準備しています。
https://t.co/83AaPFewGu
#艦これ
— 「艦これ」開発/運営 (@KanColle_STAFF) 2015, 10月 28
殆どのゲーセン関係者としては、「知ってた」「やっぱりね」などという反応だったので、今更感が満載なわけですが、一般のユーザーの皆様にはご迷惑おかけする事になり、申し訳ないです。
最後のワンチャンがあるかなー、と思っていたんですが、ワンチャンなかった・・・
同時期に発売予定だった、家庭用「艦これ改」も同じように年明けの発売となる、「再延期」があったので、もしかしたら・・・と思っていたユーザーもいると思いますが・・・
時系列で考えてみる
なんだか、ゲーセン関係者からとはとても思えないようなデマ情報というか、事実とはかなり異なるなぁという、話も出回っているので、時系列でおさらいしてみましょう。
2015年2月 JAEPOショーにて「艦これアーケード」発表
その際に書いたのがこれです。
JAEPO2015を振り返るシリーズ第2弾「艦これアーケード」について考える
この時に、率直にいってゲーム性の乏しいゲームを展示し、ゲーセン関係者は頭を悩ませたわけです。
正直に言えば、艦これという下馬評を大きく下回るゲームの出来に、導入を見送るというゲーセンも多かったと思われます。
ただ、夏休み前の新機種の投資として、
「他にコアなゲームがない」(同時期に発売になったのは、音ゲーとポッ拳くらい)
JAEPO2015を振り返るシリーズ第3弾 3つの音ゲーについて考えたら全然別の話になった・・・
という理由もあり、それなりの売れ行きだったようです。
この時の受注の〆が、4月だったかな・・・あんまり記憶にないですが、まぁ大体発表から1〜2ヶ月後の注文の〆なので、そんなもんです。
ちなみにあくまでも注文の〆であって、支払日ではありません。
セガの味方をするわけでは無いですが、ゲーム機で前払いの場合は大まかに納品日の1週間前までに支払うのが一般的なルールです。
3月から資金を拘束して云々かんぬんというツイートも、かなり出回ってますが、それは事実とは異なります。
「納品日も確定してないのに金なんて払うか馬鹿!」っていうのが普通の経営者です。(少なくとも私はそう、大金持ちだったら思考回路が異なるかもしれませんけど・・・)
2015年夏 1回目の延期
6月くらいでしょうか。
艦これアーケードを注文したゲーセンから、「そろそろ納品日決まった?」とかいう話題がセガに問い合わせが始まります。
設置スペースの問題とか、設置の際の人員とか色々とゲーセンとしては納品日は早めにわかったほうが良いので、「大まか(何月の何週)でもいいから教えてくれ」という話が始まる頃です。
この頃から、雲行きが怪しくなります。
営業マンから、「延期の可能性」がチョイチョイ話に出始め、そのまま、「秋に延期」という流れになります。
この時は、
「基本的にゲームが面白く無いので、ゲーム性をイチから見直す」
という事を営業マンが言い出します。
オカシイなぁ、JAEPOショーの時は、
「単純で簡単なゲーム性の方が、今までの艦これユーザーは入りやすいんです!(エッヘン)」
という営業トークをしていたハズなんですけどね・・・
噂で聞いた話では、セガの超エライ人が、「何こんなつまんねーゲーム作ってんの?」と鶴の一声で全てをひっくり返した説もあります。
そして作りなおしたゲームが、7月の商談会で初お披露目となります。
その時のレポートはコチラに書きましたが、
SEGA PRIVATE SHOW 2015 SUMMERに行ってきた。「艦これアーケード」の進化に注目
確かに、ゲームとして介入度が上がって面白くなっていました。
ゲーセンの評価も「ゲームが面白くなった」という評価でほぼ一致していました。
中には、導入を見送った人も「これなら!」といって導入したようです。
2015年 秋 再延期
上記のリンクの中にも書きましたが、この時点でセガからは
「以前の注文見直しも含めて9月に再受注をおこなう」
との話が来ていました。
という事で、導入に関しては「9月までに決めればよい」という流れになっていました。
個人的には、
「9月に注文を〆て、11月とか12月でも結構ギリギリのタイミングじゃないの?」
と考えていました。
トラックの手配とか納品日や時間の調整とか考えると結構無理目だなぁ・・・と。
そして、月日は流れ、シルバーウィーク前に一度セガに確認します。
「現時点で再注文の締日の話がないって事は年末ないでしょ?」
という問い合わせに
「未定です」
とのお答え。
この時点で個人的には、「年末稼働ワンチャンあるかも?」レベルに期待度は急降下しました。
シルバーウィークあけて確認したら、
「9月までを一旦10月までに引き伸ばします」
再受注の締日の延長?ってことになるんでしょうか?もはやこの時点でかなりの望み薄・・・
そして、一昨日の公式のツイートにて、完全に年内発売のワンチャンもなくなり、現在に至ります。
良い部分と悪い部分
これが一連の流れになります。
かなりの紆余曲折を経て、現在に至るって感じですが、敢えていうと、ゲーセンにとって良いことも悪いことも両方あります。
良い面では、艦これを購入するべき資金を他に振り向ける事ができるという部分です。
この秋に「DISSIDIA FINAL FANTASY」という大作が発売となり、来年には、「ガンダムカードビルダー」という大作も発売となります。
この辺りのタイトルと比較して再度購入検討の余地があるというのは、まぁ良いといえば良いことですね。
悪い面では、夏休みさらには正月休みに「艦これでこれだけの売上は見込める!」と思っていたシナリオが崩れる事です。
これは稼働してみないとわからないんですが、基本的に導入する事を決めているゲーセンは大まかな売上の予測を立てていたはず。
ですので、これがなくなるとシナリオが崩れる・・・という部分では困った部分もあります。
稼働してその売上入るかどうかってのは実際にはわからないんですけどね・・・
じゃぁ次は今後の個人的な予測をしてみましょう!
って所で、「艦これアーケードの発売延期について語ろう 予測編」を次回書きます。