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2015.11.01

艦これアーケードの発売延期について語ろう 今後の予測編

前回書いたコチラ。

艦これアーケードの発売延期について語ろう 経緯編

かなり反響をいただいたので、補足説明を少々。
前回書いた内容で、

ゲーム機で前払いの場合は大まかに納品日の1週間前までに支払うのが一般的なルール

という内容について書いたんですが、これはあくまでも、メーカーとの取引条件が「前払い」の場合に限ります。
メーカーによっては、全てのゲーセンに前払いを要求するメーカーもありますし、メーカー毎・ゲーセン毎にそれぞの取引条件は異なります。
例えば、セガは末締め翌月末払いだけど、コナミは前払いとか、こんな風にゲーセン毎に条件は異なります。
さらに、法人毎に「与信」の金額設定がされていますので、与信の金額を超えるとその分については前払いになったりもします。

それに加えて、ディストリビューター(卸し問屋のようなもの)が間に入ると、また条件は異なります。
ディストリビューターについては、コチラにも書きました。

アーケードゲームビジネスの基礎知識!設置してみたい編

ですので、全てのゲーセンが前払いというわけでもないと言うことをご注意ください。

というわけで、前回の続きで、艦これアーケードがどうなるか?について考えてみます。

艦これアーケード 公式サイト | SEGA

ゲーム機に対する熱の低下

まずはじめに、当初の発売時期がずれることで他の連動要素とのタイミングのズレが発生することが挙げられます。

このツイートのおっしゃる事はもっともな話です。
当然、様々な外的要因も加えて全体に盛り上がっているところに、アーケードゲームも投入した方が盛り上がりは大きくなると予想されます。
こうした施策から、稼働がずれ込む事も要因にありますが、ユーザーとしても導入するゲーセンとしても

「熱が冷めていく」

という感覚は、非常に大きいです。冷水を浴びせるとでもいうんでしょうか・・・

水

2回も遅れると、「もういいんじゃね?」となるのは、ある意味当然の結果です。
他にも、この間に経営環境が変化するとか、他の魅力的な機種の発売があるとか、こうした外部要因も加わり、

「セガの販売予定数に届かない」

可能性が出てくると思われます。
当然、前回書きましたが、逆に買いたい!という人も現れる可能性があるので、一概には言えませんが、前回と異なり今回は「純粋に遅れるだけ」なので、チョット厳しいと言わざるを得ないでしょう。

こうした状況をうけ、考えられるのが、「ビジネスモデルの変更」です。
個人的には、特に「販売台数制限の緩和」があるかも?と考えています。
先ほど引用させていただいたツイートにもある通り、今回の艦これアーケードは

「1セット4サテライト」

の導入が基本となっています。
従って、1店舗あたり4席以上の導入を行わないと、購入出来ない事になります。
この条件が、結構厳しく、我々中小オペレーターとしては、ここが頭のイタイ問題でした。
正直最初のゲーム性(2月発表時)だったら、「2席でいいや」ってほとんどのゲーセンの人が言ってましたからね・・・
そのため、「4サテライトは多すぎて買えない(金銭的にも設置面積的にも)」というゲーセンも多かったハズで、仮に

1セット2サテライトの販売を行う

とすれば、設置店舗数は伸びるのではないか?と予想されます。
となれば、ユーザーにとっては、プレイできる店舗が増えるので、良い事ですね。
(ゲーセン側からみると、ユーザーが分散する可能性があるので、必ずしも望ましいとはいえない部分があるのは本音です)
熱が冷めたのを、販売方法を見なおして補う可能性はあるんじゃないか?と個人的に考えています。

ゲームに対する今更感

これは熱が冷めたというのとほぼ同じ意味でもあるし、去年の2月に見た時にも同じことが言われていました。
2月の時は「夏になったら艦これブーム終わってんじゃん?」と、今は「来年の春まで、艦これ持たないでしょ?」という、先行きを不安視する声です。

こちらのツイートも、率直で正しい感想だと思います。
こうした意見に対しては、個人的には、「初音ミク -Project DIVA- Arcade」がアーケードに発表された時と状況が似ていると考えています。


これは最新版ですが・・・

初音ミク自体のブームが2007年〜2008年頃から火がつき始め、2009年に家庭用ゲーム「初音ミク -Project DIVA-」が発売され、その1年後2010年にアーケードで、「初音ミク -Project DIVA- Arcade」が発売されます。
この時も全くゲーセン関係者は全く同じ反応をしていました。

・家庭用でできるゲームをわざわざゲーセンでやらないでしょ
・今更初音ミク?もういいんじゃね?

個人的にも全く同じ事を考えて、土壇場で発注数量を減らした記憶があります。
結果的には、「減らさなきゃ良かった・・・」という結果になります。
初期の良好な稼働状況から、現在まで人気に陰りが見えるとはいえ、ある程度の売上を稼ぐロングセラーのゲーム機となっています。

だからといって、「艦これアーケード」が絶対大丈夫だ!という保証は無いのですが、家庭用とは全く別の市場を作りあげる可能性もあると、個人的に考えています。

もっと正直に言えば、セガの営業マンは、「なぜそういう状況で発売した「初音ミク -Project DIVA- Arcade」はロングセラー商品となったのか?」をある程度分析して、ゲーセンへの説得材料にするべきだと思うんですけどね。
この辺りの分析というか説明に関しては、営業マンから聞いた覚えがない・・・(聞いても忘れている可能性もありますが・・・)
家庭用ゲームとほぼおなじ仕様で、家庭用→業務用という順で、全く異なる市場を作り上げるという事に関しての分析は、ゲーセンもメーカーもあまりできてないよなぁ。

賛否両論あっても反応の大きさはピカイチ

この様に、「艦これアーケード」自体に賛否両論当然あるわけですが、先日書いた内容に対する反応も含めて、ユーザーからの注目度自体は半端じゃ無いものがあります。
こんなネットの端くれのブログでも、かなりの反響をいただきましたので、改めて「艦これ」のコンテンツの注目度の高さを思い知った次第です。
ちなみに今後のスケジュール的には、春の稼働(上場企業の決算を考えると、3月にはどうしても出荷したいと予想)、ロケテストを行う事が決まっています。
というわけで、年内は考えてもしょうがないので、ノンビリ続報を待つことにします。