ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

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2015.06.22

ゲームの寄贈について考える。問題はアーケードで考えるとわかりやすい

いつの世の中でもレトロゲームは一定の人気があります。
以前私も書いた内容にもありますが、

レトロアーケードゲームの保管活動は大変だ・・・

その人気とは裏腹に、古いゲームの保存や保管というのは結構、手間暇がかかる。
ですので、簡単に遊べるエミュレーターのような物があってもいいんじゃないか?
ということも、書いた事があります。

レトロアーケードゲームが遊べる互換機筐体のススメ

最初に引用した私のブログでもいくつか紹介していますが、アーケードゲームの場合、レトロゲームの保存や保管というのは、ほぼ個人活動で行っているといっても過言ではありません。

組織的に行動できないので活動の範囲も予算も限られてしまうので、なかなか上手くいかなかったり、オーナーの趣味で集めています・・・という場合がほとんどです。

立命館大学の取り組み

そんな中、立命館大学では、こんなプロジェクトを行っています。

立命館大学ゲーム研究センター

ゲームもついに文化といえる所まで来たんだな、とか、学術的に意味があると思われる対象になったんだなと思うと、なんだかおカタイイメージもします。

立命館大学ゲーム研究センター(RCGS)は、ゲームの分野における日本で唯一の学術的機関として、2011年4月に立命館大学衣笠総合研究機構に設置されました。
本センターは、伝統的な遊具や玩具から最新のテクノロジーを用いたゲームまで、幅広いゲームと遊びを対象とし、総合大学の強み、日本のゲームの揺籃の地である京都という立地を活かして、専門的かつ総合的な研究を行っていきます。また、この分野での産学官連携をいっそう促進するために、行政機関・公的機関とゲーム関連企業・関連団体を橋渡しする役割を積極的に果たしていくことをミッションとしています。

こう書いてあると、なんだかスゴイ・・・

研究

その理念の中で、ゲームの保存活動も行っているようですが、少し古い話ですがこんな話が出てきました。

立命館大学「ゲーム資料現物寄付」のページは、なぜ炎上してしまったか

なぜ炎上したか?というのは、上記引用記事の中で、触れられていますが、私はゲーム業界に携わるものとして、「良かったら寄付してください、事前に相談した上で、綺麗な品だけ着払いで受け取ります」というのは、別に不思議ではないと思います。

アーケードゲームのような極端な例で考えると

仮に、立命館大学でも何でもいいのですが、「アーケードゲームの保存活動を行おう!」と考えた団体があるとします。
その団体が、上記の「良かったら寄付してください、事前に相談した上で、綺麗な品だけ着払いで受け取ります」という文言を付けずに、寄付を募ったとします。
そうなると、容易に考えられるのが、全国の業者から、不要になったゲーム機がガンガン送りつけられるという事です。
ゲームソフトや書籍であれば、まだ体積や重量が小さいので何となく許されると思う方も居るかもしれませんが、アーケードだったら大変な事になります。
考えただけでも身震いものですよ・・・
昨今ゲーセンの閉店が多いので、以前もこちらのエントリを書きました。

閉店したゲーセンのゲーム機はどうなるの?いくつかパターンがあります!

でこの中では触れませんでしたが、よくあるパターンとして、売却をあげましたが、バラバラにして売るよりも効率的なので、1つの中古業者が一括で買い上げるのが一般的です。
一括して買い上げるんですが、ユーザーさんが考えるよりも金銭的価値のつくゲーム機は、はるかに少ないです。
なぜなら、中古の売却価格と売却までにかかる経費を考えたら、赤字になるゲーム機が多いという理由によります。
1つ例をあげるとすれば、コナミの超大型プッシャーに「グランドクロス」という機械があります。

sub

こちらの機械を例に、考えてみましょう。
このゲーム機ですが、30人以上が同時に遊ぶことができるということで超大型なわけです。
超大型で、4tのトラックを6〜7台使用しないと、全ての部材が運べないわけです。
ということは、本来は距離によりますが仮に1台のトラックを3万円でチャーターしたとして、運賃だけで20万近く必要です。
さらに、中古の場合はバラして設置するという作業が必要です。
メンテマンが7人で12時間位組立だけで時間がかかったハズなので、バラして積んでおろして組み上げてという作業を行うとどんなに最短でも3日程度必要。
メンテマンの日当が2万円だったとして40万近く必要。
もっと運の悪いことに、部材が壊れていた、輸送中に破損した等の場合は、正常稼働させる為のパーツ料金も負担せねばなりません。
移設し稼働するだけで、100万近いコストがかかるので、最悪0円で引き取ったとしても、150万くらいでは売却したいわけですが、150万で売却できる目処がつかない場合・・・廃棄となります。
引き取って売却よりも、廃棄の方が経済的にメリットが大きいということです。

こうした事情があるなかで、仮にアーケードゲームの寄付・寄贈を受け付ける団体があって、どんな品でも!と受け付けていたら・・・まぁ想像できるように、こうしたゲーム機がガンガン送りつけられる可能性が大!
極端にいえば、廃棄より寄贈の方が経済的にメリットがあればこうなります。

寄付・寄贈は「ゴミ捨て」ではない

従って、保管や保全を目的にして、寄付・寄贈を受付ける場合に、保存する価値のある状態の物のみ受け付けます。というのは、極自然な流れだと思うんですけどね。
特にアーケードゲームの視点で考えると、運賃なんかも馬鹿になりません。
家庭用ゲームや書籍などは、特にまとめてドカっと送ってこられても、分類や仕分けなどで、人手が必要であったりするので、やはり善意であっても、リストがあったり、事前に相談して必要と思われるものだけ送るとか、そうした心遣いは必要だと思われます。

ただ、こうした事を「ゴミ捨て」代わりにする悪事を考える人もいそうなので、立命館大学側も困った事がおきこうした事例が起きたんでしょう。
「悪貨が良貨を駆逐する」とはよく言ったもんですね・・・