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2015.02.07

閉店したゲーセンのゲーム機はどうなるの?いくつかパターンがあります!

こんにちは。

昨年より、閉店が多いこのゲーセン業界ですが、本当に多くてビックリしています。
現金による売上収入であることから、お正月やGW、お盆休み明けに閉店するケースと言うのは、非常に多いのですが、そのケースは様々で、年末の早い段階から、閉店の告知をしたり、お正月明けにいきなり告知されたり、はたまたいきなり閉店というケースもあり、その事情は様々です。
つい最近も、10店舗以上店舗を持つ会社さんが、いきなり全店閉店!という事件があったので、ビックリした所です。

ゲーセン閉店の理由については、以前に書いたものがありますので、ご参考まで。

中の人が語る!ゲーセンの閉店が相次ぐ理由

ゲームセンター閉店の一因かもしれないもの?ネットワーク課金の功罪

閉店したゲーセンのゲーム機がどうなるか知っていますか?

ゲーセンの閉店があると、お客さんからよく質問されるのが、「この機械はどうなるんですか?」という質問です。
中には、「機械を譲って欲しいなあ・・・」というマニアな方もいらっしゃると思いますが、筐体に入れられた自分のセーブデータがあるので、なんとかしたいというケース、愛着があるので引き続きプレイしたいなど、そのゲーム機自体にファンが居るので、そういった事を聞かれるんですね。
それ以外にも、最近はゲーム機のシリアル番号をしらべて、「〇〇店のゲームが、☓☓店に移設された」などと、調べてネットに上げるというのもあります。
筐体に愛着がある場合もあるし、純粋にデータとして保管している場合もありますが、スゴイマニアっぷりで、こちらがビックリします。

代表的なサイトはこちらです。

そこで今回は、ゲーセンが閉店した場合に、設置してあるゲーム機がどうなるか?を幾つかパターンをあげてみます。
当然全てのケースが100%当てはまるわけではないので、ご注意ください。

パターン1:自社の他店舗へ移設

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複数店舗を展開しているゲーセンだと行えるパターンです。
当然、ある程度人気のあるゲーム機はゲーセンとしても、活用したい。
自社の他店舗に設置してなく、人気のあるゲームであれば、設置のない店舗へ移設、もしくは増台という運びになります。
この場合は、スタッフでも店長さんなんかに聞けばそれとなく教えてくれる場合が多いです。
店舗によっては、お客さんの為に、「弊社の〇〇店に閉店後移設しますので、閉店後はそちらでご遊戯ください」と告知をする場合もあります。
データを残していて閉店後も何とかそのゲーム機で遊びたいお客さんにとっては、移設先の店舗が近ければ、その後もゲームを続けられる可能性が最も高いパターンです。

パターン2:売却

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単独店舗で運営しているゲーセンの場合は、パターン1が行えないので、必然的に売却となります。
また、複数店舗運営していても、スペースの問題であったり、換金目的であったり、台数的に不要であったりすれば、売却となります。
一般の方には知られていませんが、ゲーム機専門の中古売買の会社というのが、割合沢山あります。
全国を網羅している会社さんは多くないですが、その地域に必ず1社くらいはあるはずですし、現役でゲーセンを運営している会社なら、全く付き合いが無いという事もないと思います。

ただ、この場合は、ゲーム機がどこへ行くか?はハッキリ言ってわかりません。
中古屋さんのスタンスにもよりますが、ほとんどの場合は、中古で購入して、更に中古業者に販売するという事も多いです。
ですので、売却した中古業者はわかっても、その先の最終的に設置されるゲーセンを調べるのは難しいです。
場合によっては、海外に行ってしまう事もありますしね。

そのため、データを残していて閉店後も何とかそのゲーム機で遊びたいお客さんにとっては、設置された先での情報がネットに上がってくるのを待つことしかできません。
運が良ければ、行ける範囲でゲーム機が稼働する可能性もありますが、中古業者の在庫になってしまったりすると、なかなか世の中に出てこないので、引き続きプレイするのはかなり厳しいと言えます。

パターン3:特殊なケース

特殊なケースと書きましたが、最初に書いた、いきなり全店閉店!というパターンがこのケースにあたります。
端的にいうと、会社が破産したケースです。

この場合は、破産が決定し次第、全てのゲーム機や財産は弁護士の管理下に置かれるので、何人たりとも触れることもできなくなります。
その後、破産管財人が決定し、管財人の判断のもとで、その処分もしくは換金方法が決定するというのが通常の流れです。
この時に中古業者さんなんかは、管財人に連絡をとって、その処分もしくは換金を引き受けて、その後売却するという事を行います。
ということは、破産の場合でも全ての手続が終了後、ゲーム機はどこかで稼働すると思いますが、これが難しいんですね。

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難しい理由その1:管財人が処分を決定するまでに時間がかかり、バージョンアップできずに終了

例えば、Aというゲーム機があり、それが破産物件として登録されています。
管財人が処分を決定する間に、バージョンアップキットが発売し、引受先が決定した頃には、世の中ではA+というゲーム機になっている。
こうなると、既存のAというゲーム機は、全く価値を持たないゲーム機になってしまいます。
そして、バージョンアップキットを発売後に手に入れようとしても、メーカーも余分に在庫がなく、バージョンアップできずに終了・・・という事が、起こりえます。
こうなってしまうと、非常に勿体無いのですが、このゲーム機は全く価値を持てずに、そのまま廃棄となります。
ですので、仮にその筐体にデータが残っていても、2度と世の中に出てこないので、プレイできずに終わってしまう・・・
残念な結果ですが、十分にありえます。

難しい理由その2:メーカーが債権を持っているうちはネットに接続しない

こうして、管財人が全ての財産を換金し、債権者に割り振って納得してもらえば、破産手続き終了となるというのが、おおまかな破産の流れだと理解しています。
法律的に詳しい事はこういうページを見てください。

破産した場合は、メーカーにネット課金が債権として残る場合がほとんどです。
複数店舗展開していれば、◯百万近くがメーカーとしては未回収になってしまう。
こうした場合に、その当該法人が所持・使用していたゲーム機は、メーカーにとってはいわくつきのゲーム機になってしまいます。
このいわくつきのゲーム機を、仮に中古業者が売買し、他のゲーセンが使用しようとしても、「〇〇の債権が残っているので、ネット接続できない」と判断されたりすることもあります。
こうなると、難しい理由1と同じように、債権者集会が終了し、全ての破産手続きが終了するのを待って、再使用可能となるのですが、管財人の処分どころか、もっと長い時間が掛かるので、同じようにそのゲーム機は陽の目を見ることなく廃棄となる可能性が高い。
こちらも同じように残念な結果となる確率は高いです。

使用できなくなってしまうのは勿体無い

幾つかパターンを上げてみましたが、ごくまれにパターン3のように、陽の目を見れずに終了していく場合もあるのは事実です。
ただ、人気がなくなって設置しても誰もプレイしないなら別ですが、人気があって、まだまだ現役稼働中のゲーム機でも、上記のような事情で廃棄されるのは、非常に勿体無いと常々思います。
それにプレイヤーの方は、セーブデータが残っているのでなんとかしたい!ということもあると思いますが、どうしようも無いこともありますんで、ご理解ください。