ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

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2015.06.08

ゲーセンでも返金機能を採用したい!2つの壁を乗り越える方法はこれだ!

世の中は日進月歩といいますが、最近見かけたニュースで最も衝撃を与えてくれたのが、こちらのニュースです。

Steamのゲーム、14日/2時間以内のプレイなら全額返金

ついに来ましたね、この時代が。
これがメジャーになったら、旧来のパッケージの売り切りビジネスなんて完全に時代遅れになってしまう・・・

顧客に取ってのリスクを軽減する

旧来の家庭用ゲーム機のビジネスと、ゲーセンも同じですが、基本的に「遊ぶ前の先払い」が前提条件でした。
エンタメビジネスというのは、基本的に映画でも、遊園地でも、音楽のライブでも同じですが、先払いが基本です。
ほとんどが体験型ビジネスなので、当然です。
こうした体験型ビジネスの場合は、あくまでも対価は「サービス=カタチの無いもの」であり、対価として「物」を受け取る事はできません。

マッサージ

しかし、家庭用ゲーム機の場合は、「ゲームソフト」という対価を受け取る事ができます。
その結果、友人間で貸し借りをしたり、場合によっては売却したりできるので、「物」としての価値も付属しているわけです。
ただ、所有するだけでは、意味がないわけで、そのソフトを使用して、「楽しい」とか「面白い」という体験を対価として受け取るのが本質です。
場合によってはコレクション性もありますので、一概に言い切れるわけではないですけど。

実は、この中に、消費者(お客)にとって大きなリスクが含まれています。
それは、

「パッケージや情報を調べてみて買ったけど、面白くなかった」

というリスクです。
以前紹介したこちらの書籍でも、述べられていますが、

せっかくお小遣いを貯めて買ったのに、思ったよりはるかにクソゲーでファミコンカセットを投げ捨てたくなった。
という経験をお持ちのゲーマーは少なくないはず!
こうしたリスクを、ユーザーが回避できるので、返金というシステムは非常にいいですよね。

ゲーセンでは基本的に返金が不可

以前書いたエントリーでも説明しましたが、ゲーセンという店舗は基本的に返金不可のシステムです。
射倖心を煽る可能性があるということで、金銭に関しては先払いであることが、風営法上望ましいとされています。
ゲートでICタグをもらって、最後にレジで精算という仕組みもありましたが、基本的には一定の金額までしか利用できなくなっていましたし、クレジットカードの使用に関しても、あまり普及していないのは先払い推奨だからですね。

クレジットカード

もう一つの理由は、機械の構造の問題です。
自販機のように、釣り銭を用意しお金を払出す機能を備えた機械をゲーム機は備えていません。
一般の自販機に備え付けられるのは、こんな機械ですが、

釣り銭
こちらのページより

ゲーム機は基本的にこんな感じです。

セレクタ
こちらのページより

これはアナログタイプですが、電子セレクターもあります。
この様に、一度回収した硬貨を払出す機能を備えていないので、基本的に返金は不可となっています。

ただ、アーケードゲームでも最初に引用したsteamのように、一定時間内にキャンセルすれば、返金可能というシステムがあれば、お客さんに「難しそうだけど、チョット遊んでみるか・・・」と思ってもらえるし、何よりも、可能になってお客さんにデメリットはないので、対応したいところですよね。

返金を可能にする技術

そこで考えてみましたが、ヒントは実に意外なところに落ちているもので、結構身近な技術を使用して、返金システムを実装できるのでは?と思いつきました。

それは、電子マネーです。

以前コチラのエントリーを書きましたが、

タイトーのゲーセンに電子マネー決済端末導入。過去(黒歴史?)を振り返ってみる編

続・タイトーのゲーセンに電子マネー決済端末導入。未来を考えてみる編

ざっくりと業界と電子マネーの関わりについて、書いたのですが、よくよく考えてみると、こうした電子マネーというのは、返金に関して考えると実に優れた技術です。

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まず、電子マネー対応しているゲーム機であれば、電子マネー使用→キャンセルで返金というのは、難しくありません。
おなじ機械ですから当然ですね。
それに加えて風営法で問題となる射倖心ですが、電子マネーシステムであれば、使用した金額以上を返金することは不可能ですし、返金する相手を変更することもできません。
1つのICカードに使用履歴が残っているので、同一ICカードにおいてのみその使用履歴をマイナスするわけなので、不可能ですね。
そう考えると、風営法上で懸念される射倖心を煽る行為というのが、技術的に無理だと思われるので、返金しても問題ないのではないでしょうか?
steamの例で考えると、「電子マネーを使用し、ある一定の時間内でキャンセルボタンを押せば返金可能」という仕組みをゲーセンで取り入れたら、より電子マネーの普及も進む気がします。
現在の風営法上特段の規程にない事項だと思うので、警察にどう判断されるかはわかりませんが、チャレンジする価値はあるんじゃないのかな?
というわけで、タイトーさん、電子マネーにおけるゲーセンでの返金システムにチャレンジしてもらえませんか?