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2015.05.27

続・タイトーのゲーセンに電子マネー決済端末導入。未来を考えてみる編

以前書いたこちらのエントリー。

タイトーのゲーセンに電子マネー決済端末導入。過去を振り返ってみる編

電子マネー端末の導入、およびプレイ単価の値上げについて、ゲーセン業界の持つ過去を振り返ってみました。
基本的には様々な施策をやってみて、あまりよい結果が得られなかったので、現在まで現金決済が主流でこの業界は生き残って来たわけです。

現金

そういった意味では、今回のタイトーさんの施策、

タイトー、アミューズメント施設初のマルチ電子マネー決済端末を導入

も、過去の延長線上にあるとも言えるのですが、結果がどうなるかは、まだわかりません。
ただ、単純に例えばイオンさんの中にあるゲーセンだと、お客さんのプレイ回数が増えたとかいう噂も聞きます。
そういった意味では、成功している部分もあるのだと思います。

タイトーだけが持つ強み

全く話は変わりますが、現在タイトーさんだけが取り組んでいるゲーセンに関する事業があるのをご存知でしょうか?
それは、

フランチャイズビジネス

です。

コンビニ

一般の方はあまり知らないと思いますが、タイトーさんはゲームセンターのフランチャイズビジネスを行っています。
当然フランチャイズなので、他業種及び他法人がタイトーの名前のゲーセンを運営するというビジネスですね。
タイトーはコミッションを受け取り、運営指導及びゲーム機の入荷のアドバイスなどを行うというカタチでのビジネスを少し前から開始し、ここ数年加盟店が増えているような印象を受けます。
最近では、他業種というよりは、同業種つまり既存のゲーセン運営法人がフランチャイズに加盟して出店する事例も増えています。

タイトーさんといえば、ゲーセンの中では最も名の通った企業ですので、大手の不動産会社やショッピングセンターなどから物件の紹介を受ける事例は多いと思います。
その中には、我々弱小ゲーセンが知り得ない情報が多数含まれているハズなので、それを目当てにフランチャイズ加盟して、出店するというケースが多いようです。

一般のお客さんからは、どっちでも良い話かも知れませんが、一応店舗を見分ける方法はあります。
単純に、

「タイトー ステーション」 → 直営店
「タイトー F ステーション」 → フランチャイズ

です。
他にも、風営の許可証が受付周辺に掲示してあるはずなので、その法人名を確認するなどで、運営法人は確認できます。
ですから、名前に「タイトー」と入っているので、タイトーにクレームを入れても、意味が無い!などというトラブルもたまにあるようですね・・・

FCビジネスと電子マネー端末は相性がいい

このように、タイトーはFCビジネスを展開しているわけですが、このFCビジネスが、今回の電子マネー端末の導入にとって大きなプラスとなるのは間違いないと、個人的に推測しています。

よく言われることですが、電子マネー端末の強みは、その利便性だけでなく、個人の購買の履歴を元にした新たなサービスの展開が可能なところにあります。
今更って感じなので、古い記事しかありませんが・・・

電子マネー・ポイント制度は消費者や社会をどう変えるのか?

特にどの電子マネーでも取り入れているのが、「ポイント」サービスです。
これは、コナミの「PASELI」でも同様に「PASELIポイント」というサービス開始して、お客さんに還元する仕組みを徐々に整えています。

いつの間にか始まっていたPASELIポイント!不満もあるけど期待もしています

まだ現在は、単に「ゲーセンで電子マネーが使えるようになった!」というだけですが、タイトーの店舗に徐々に普及するにつれて、ポイントサービスなどの囲い込みサービスを行うのは間違いないと思います。
ここで、タイトーの強みは、

FC店舗も巻き込んでサービスを展開できる

事にあります。

bbPQ42Pf

具体的には、仮に「タイトーポイント」といったサービスを、タイトーが電子マネー端末を使用して開始した場合に、FC店にも同様に電子マネー端末を導入すると、タイトーポイントが使用できます!というカタチで、普及に務めると思います。
他社のメーカー(具体的にはセガが競合すると思いますが)では、自社店舗での展開は可能ですが、タイトーさんのように他法人も巻き込んでの展開はできないので、FCビジネスと、決済端末のビジネスは非常に相性良く展開できると、推測しています。

特に、ライトユーザー向けのゲーム機(プライズゲームなど)に関して考えると、購買履歴や行動パターンなどを使った個人個人へのサービスも展開できるので、ショッピングセンター向けのゲーセンであれば、より効果的にしようできると思います。

決済は手段であって目的ではない

以上のように、FC店をも巻き込める事で、タイトーの電子マネー端末は一見有利に見えますが、そうでも無い部分も多いです。
その理論は単純で、

やりたいゲームがあれば、決済方法は関係ない

からですね。
特にコアなゲーマー向けのゲームでは、この傾向が強いと思われます。
こちらでも書きましたが、PASELIだって批判を浴びつつも、最終的にはPASELIでしか遊べないモードが追加されたから、PASELIを利用するという非常にシンプルな理由でここまで普及しました。
ですので、普及に向けて最も望ましい手段は、新タイトルを発表した時に、電子マネー端末を標準で設置し現金決済を取り入れない、という方法がベストと思われます。
それでも、お客さんもプレイをする!、ゲーセンも導入したがる!、というゲーム機を開発するのがベストだと思いますので、タイトーさん頑張ってください。