ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

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2015.02.11

有名店の閉店と鉄拳のプロデューサーの発言に思うミスマッチ

こんにちは。

弊社は愛知県界隈でゲーセンを運営しておりますが、どこの地域にも昔ながらの有名店というのが、存在すると思います。
有名の定義は様々ですが、特に「昔ながら」という点に注目すると、格ゲーのメッカだったり、今は東京で活躍しているプロゲーマーが育ったお店だったりします。

そんな名古屋の名店が、また1つ閉店とのお知らせがありました。

他のお店から、こんなネガティブ発言も・・・

そんな寂しいこと言わんでくださいよ・・・
両店舗とも、名古屋界隈では「昔ながらの有名店」です。
特に格闘ゲーマーは、お世話になった方は多いんじゃないでしょうか?

格闘ゲームを取り巻く現状

格闘ゲームというのは、一時大流行したわけで、それこそ「ハイスコアガール」でマンガの主題に取り上げられる程、人気を博したわけです。

また、現在でも、EVOなどの世界大会が開催されるくらいなので、これからなくなっていくジャンルでは無いと思うんですね。
ただ、現状のお店の状態を見ていると、非常に厳しいジャンルだと言えると思います。
ゲーセンから見た理由をいくつかあげてみます。

理由1:従量課金になっても、プレイ単価が50円が基本

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何度も説明していますが、従量課金というのはゲームを1Playする度にかかる費用です。
概ね5円〜35円程度(100円に対して)で推移していますが、プレイ単価50円から35円取られると、ほぼ利益なんて出ないわけです。
だから、お客さんがめちゃくちゃプレイしても利益にはあまり貢献しない・・・
というのがゲーセンの内情なので、新作の格闘ゲームが出ても、それに投資するお金を捻出できなかったりします。

理由2:他にも魅力的なゲームが増え、遊ぶ媒体自体が増えている

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スマホしかり、家庭用しかり、他にも遊ぶ媒体は増えています。
ですので、わざわざゲーセンに来て、1回50円で負けたら即終了というゲームを選択すること自体が減っているのではないか?と思います。
あまり使いたくない言葉ですが、最近の若者は草食系だとか・・・
草食系男子に、1VS1のガチンコ勝負を楽しめ!といっても、チョット無理なんじゃないかな・・・
その証拠に最近は、皆(4人位)で遊ぶゲームが流行っている気もします。
LOVも、ガンスリンガーも、EXVSもそうだし、家庭用だとモンハン、スマホだとモンストなんかですかね?
だから、新規のユーザーも増えにくいし、格闘ゲーム自体が大きく盛り上がる事も少ない。

とまぁ言いだせばキリが無いんですが、あまりよい状況とは言えないです。
他にも、色々と書いた事もあるので、こちらもご覧ください。

格ゲーとかシューティングってますます厳しくなるジャンルかも?って話

鉄拳7がいよいよ発売される

そんな、格闘ゲームが不遇の世の中で、ついに今月から、鉄拳7がゲーセンで稼働開始となります。
何度も、ニュースにしているので、聞き飽きた感もあると思いますが、お付き合いください。

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で発売に関して、鉄拳の総合プロデューサーである原田さんがこんなことを仰っておりました。
この方、スゴく率直に物事を述べていただけるので、非常に面白いです。

などなど。
ビジネス的にも、リスクを取って今回の鉄拳7に向ける意気込みを語ってくれております。

発言に対する違和感

ただ、立場が違えばスタンスも異なるので、あまり細かくツッコんでも意味は無いのですが、色々と気になる所があります。
この2つの原田さんの言葉からは、最初に上げたような格闘ゲームで名を馳せた有名店舗が喜んでいるとも取れますが、現実は「鉄拳7で盛り返そう!」とならずに、閉店を選んでしまっている。
プロデューサーは「店舗は喜んでいるし、メーカーとしてリスクを取っている」と評価し、店舗側は「超有名タイトルの発売があるのも関わらず、閉店という選択肢を選んでしまっている」という正反対の事情が起きていると思うのですが・・・
店舗の実情は、内部の方にしかわからないので、他に原因があるのかもしれませんが、なんだか矛盾を感じます。

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違和感の原因その1

お店のコインオペのプレイ価格のダンピング競争とは話が別です

この発言は、全てのメーカーが等しく発言しているのですが、でもこの言葉って割りと都合よく使われている気がします。
そもそも従量課金モデルと言うのは、既にオワコンですが、セガが「バーチャファイター5」や「アンサーアンサー」から導入を開始したビジネスモデルです。
そして、徐々に全メーカーに同じように波及していくのですが、その際に従量課金モデルのウリとして、こういう発言を必ずしていたハズなんです。
「従量課金になることで、ダンピング競争になる可能性が低くなります」
営業と、開発の立場も発言も異なるので、あまり言いたくありませんが、開発は上記発言をし、営業が売り込むときだけ、「ダンピングが防げます」というのは、違和感を感じます。
好意的に捉えれば、色々努力したけどゲーセンのダンピングは防げない!という結論が出ているのかもしれませんが・・・
(=ダンピングするゲーセンが悪い!ということなので、この話はしても平行線です)

違和感の原因その2

本来の格闘ゲームの利益の源泉は、店舗内に人が集まって、ドンドン対戦を行う事で、売上が向上していき、結果短い時間でより多くの売上が上がる、ということに有ったと思います。
そのために、集客のためのイベントや大会を行ったり、各種サービスをするのが、店舗は運営努力をする。
ただ、現状全ての店舗がそういった形式にはなりにくいから、ネットワーク対戦を実装しました!ということは非常に納得できる内容です。
ここまでは非常に良いのですが、であれば、

基板1枚で店舗内対戦ができない仕様にする理由はない

と考えています。
以前も書きましたが、今回の鉄拳7は店舗内対戦を行うのにも、基板が2枚必要な仕様になっています。
基板1枚で店舗内対戦ができる仕様であれば、基板2枚で3席という運営も可能になります。
1台は1人もしくはネット対戦用、もう2台は店内対戦用などのセッティングで稼働させることができる。
この有名店(人の集まる店舗)の強みを活かす事ができない仕様と言うのは、あまりメリットがないような気がしますが・・・
どうなんでしょうか?

鉄拳7で盛り上がる!はずが出鼻をくじかれた感がある・・・

有名店(特に格ゲー)の閉店に触れ、鉄拳7発売!が重なると、本来は、「鉄拳7」が発売することで格ゲーの機運が盛り上がって、次に繋がる!ってなるはずの話が、いきなり出鼻をくじかれた感があって、残念です。
最近のゲーセンシーンの願いは「何でもいいからヒットしてくれ!」というのが、全ての関係者の願いなので、ヒットして欲しいですね。

最後に。
鉄拳7が課金なしで、基板売になった理由?
そりゃ、過去に発売した、〇〇っていうのや、☓☓っていうゲームや、△△が売れなくて、営業の売上予算が足りないから、今後のネット課金をナシにして、基板を売り切って今期の予算を達成するためでしょ?
課金有りだと、基板の値段を安くしないといけないしね。
だから基板1枚で店内対戦できない仕様に、おや?、誰かきたようだ・・・