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2014.09.18

鉄拳7が店舗間通信対戦可能!ゲーセンが考える事(予想)

こんにちは。

最近、格闘ゲーム界隈を賑わせている話題といえば、「鉄拳7」の発売に関してです。
久々の3D格闘ゲームの新作ということで、色んな意味で業界内を賑わせております。

3D格闘ゲームの現状

とりあえず、3D格闘ゲームを振り返ってみますと、代表作は2作品あります。

・「バーチャファイターシリーズ」
・「鉄拳シリーズ」

の2つが筆頭です。
現在、ゲームセンターではバーチャファイターは「バーチャファイター5」

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鉄拳は「鉄拳TAG2」がメインですね。

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バーチャファイターの初代が発売されたのが、1993年。
鉄拳の初代が発売されたのが、1994年。
ということで、両タイトル共に、発売から20年が経過しているわけで、その間にかなりのバージョンアップを経て現在に至ります。

そして、現状、特にこの3D格闘ゲームというジャンルですが、ゲーセン側からみた時に、すごく厳しいジャンルであるというのが率直な感想です。
過去のデータを参考にしようと思い、ちょっとデータを探してみたんですが、例えば、バーチャファイターシリーズの大ヒットとなった、「バーチャファイター2」の売上を調べてみました。
94年の稼働開始から、おおよそ2年間の売上が650万円のデータが残っていました。
ということはザックリ計算して、1日あたりの平均売上が8,900円程度だったということになります。
この数字が良いか悪いかは別として、今の何倍なんだ・・・という数字ですね。

また、3Dに限らずですが、格闘ゲーム全体に対して、こんな意見があります。

任天堂の岩田聡社長は、この2ジャンルを東京ゲームショウ2003の講演で「普通の人が遊べない、重厚長大化して飽和してしまった」と述べた。後に、『ストリートファイター』シリーズを担当した小野義徳も「声が大きくて開発者側も意見を気持ちよく感じる熱心なファンを、ユーザー全ての感想と思い込んでしまっていた。それ以外の人にはまったく響いていないということには、4~5年前(2000年代半ば)まで気づかなかった」とこれを認めている

Wikipediaより

この辺りの感覚は、3D格闘ゲームに対して最も強く感じる部分ではないでしょうか?

店舗間通信対戦に対する店舗側からの予想

今回は、世界初の店舗間対戦を搭載!ということで、上記の3D格闘ゲームの沈んだ状況に新たな機能を実装するわけですが、店舗間対戦が可能になるとどうなるの?という予想をしてみました。

・基板の枚数が増える

対戦格闘ゲームにおいては、通常は1枚の基板で、2席の席数が確保できます。

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ただ、1席で通信対戦が可能となると、基本的に、1席に1枚のゲーム基板が必要となります。
そのため、今までの鉄拳シリーズだと4席あれば、基板購入は2枚で済んだのが、4枚必要となり、倍の投資が必要となる計算です。
これは、頭がイタイですね・・・

・対戦の回転数が売上に響かなくなる

今までは、対戦格闘ゲームは、その場で対戦をして、負けたほうがすぐに席を離れる=回転が上がるのが、お店側のメリットでした。
短い時間で、勝ち負けができて、次のコイン投入につながる・・・というサイクルが、周り続けるのが店舗として良い状態です。
通信対戦が可能になると、このサイクルが自店舗内で回らなくなる事になります。
勝ったユーザーと、負けたユーザーが別の場所にいると、勝ったユーザーがいるお店で、次のコイン投入につながらないという事になります。

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対戦格闘ゲームは、上記の「対戦で回転数を上げて利益をあげる」というモデルが、崩れてくるんじゃないか?と思います。
で、もうちょっとツッコんで考えると、回転数を上げることで、プレイ単価を安くする(1Play50円)というのが可能だった側面があります。
通信対戦になることで、回転数が上がった恩恵をどの店舗が受けるかわからないという状況になると、プレイ単価設定にも影響を及ぼす可能性もあるかも?

・店舗間対戦の機能はほとんど使用されない

対戦格闘ゲームは、コアなユーザーほどゲームの細かい点にシビアです。
ボタンの反応や、一瞬のラグなどスゴくシビアで我々には分からないレベルでの駆け引きをして楽しんでいます。
ですので、ネットワークを介した対戦に対する信頼度ができるまでは、あまり使用されない事態も予想されます。
メーカーにとっては、悲しい現実かもしれませんが・・・
また、ユーザーにとっては、それこそ家庭でも可能なネットワーク対戦を、わざわざ店舗まで出向いてプレイするか?とも思います。
ゲーセンでの相手が実際に向かいに座っている状態での対戦に魅力を感じているユーザーであれば、あまり関係ないかもしれません。

ユーザーが拡大する期待を込めて

ただ、お客さんにとってのメリットは確実に存在します。
どこでプレイしても対戦相手がいる、(ある程度)同じレベルの相手とマッチングできる、といった機能の強化は、ゲームの魅力を強化するユーザーにとっての大きなメリットです。
このメリットが、任天堂の社長の

「普通の人が遊べない、重厚長大化して飽和してしまった」

という部分を覆して欲しいですね!
1席から通信対戦可能になることで、こっそり対戦して練習するとか、田舎であまり対戦相手が居なくても対戦が楽しめるとかいう部分での期待は大きいです。

対戦格闘ゲームは、対戦してその魅力が最大限発揮できるゲームだと思いますので、店舗間対戦を介して「対戦って楽しい!」と思ってもらえることがベストだと思いますので、原田プロデューサーさん並びにバンダイナムコさんに期待します!