ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

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2017.05.10

ゲーセンの閉店が郊外店から都市型店舗に移っていく話

世間はGWも終わってしまい、なんだか盛り上がらないGWとなっていまいました。
全国のゲーセン関係者の皆様いかがでしょう?
個人的には、今年のGWは

長かったけど、盛り上がりに欠ける

イメージが強いです。
9連休とかあった割には、「この日が良かった」という日があまりなく、まんべんなくお客は増えたけど、忙しかった日というのがなかったとも言えるイメージです。

ゲーセンの閉店の歴史

close

以前から、ゲーセンについては厳しい業態であるということが世の中的に言われておりました。

中の人が語る!ゲーセンの閉店が相次ぐ理由

その要因について上記でいろいろ書いたわけですが、その要因が改めて排除されたわけでもなく、現在も続いているわけです。
そのために以前も貼ったこのグラフ、

ゲーセン減少

警察発表の資料からの抜粋ですが、明確にゲーセンの店舗数は減少し続けております。
平成24年からのデータですが、見事に右肩下がりで、6000店舗から4500店舗ということで2割強の減少となっております。
その間に、大きく世の中が分かった要因として、上記に引用した自分のエントリーにもありますが、

消費税増税

があります。
何度も書いていますが、ゲーセンというのは、基本単位が100円です。
つまり、売上の基本単位が100円なので、消費税が上昇する度に、その100円の中から消費税を納めなければなりません。
現状だと消費税が8%ですので、100円の内7.4円が消費税、売上が92.6円となります。
これが、10%になると、100円の内9.1円が消費税、売上が90.9円となり、2%程度売上が強制的に減少します。
シンドイ話です・・・

過去の消費税増税の頃は、まだ業界全体の売上が右肩上がりだったので、増税を売上増で賄う事が可能でしたが、昨今の売上の減少傾向から、閉店を選択する店舗が多かったのがこの1〜2年の大きな流れといえます。

その中でも特に多かったのが、

郊外型店舗の閉店

です。
その理由は、以前こちらに書きましたが、大きなゲーム機で単価の高いゲームを遊んでもらう事で売上を向上させるという時期がゲーセンにはありました。
そのために、今から10年ほど前は、1店舗あたり500〜1,000坪のゲームセンターがこれからの標準になるといわれていました。
確かに、当時の主力ゲーム機(三国志大戦、戦場の絆、スターホース、WCCFなど)は殆どが大型のゲーム機で、プレイ単価も200円〜300円が当たり前の時代でした。
店舗の形態も当然それに合わせ、大型の機械を並べることができる店舗という事で、大型店舗が求められ、より場所の広い郊外の大型店舗がメインとなりました。

そこから時は流れ、大きく世の中が変わります。
大型のゲーム機と言うのは、当然ながら、開発費もコストもそして価格も高い。
売上が順調に伸びている時期は問題ありませんが、売上が減少し始めると、こうしたゲーム機の開発は止まり、仮に発売しても価格が高すぎて売れないというジレンマに陥り、現在は、小型のゲーム機が主流となっています。
となると、500坪〜1000坪のような大型店舗は、ゲームが足りない状態になり、店舗を持て余す状態になりがちです。
したがって大きな店舗を維持する事ができなくなり、都市型店舗よりも郊外店の方が閉店するケースが多かったと考えられます。

閉店する店舗の流れが変わる

変化

昔は、「500坪以上ないとゲーセンなんて営業できない」と言われた時代も有ったものですが、現在だと、「500坪?広すぎ!」と言われる時代なので、この10年で大きく様変わりしたといえます。
基本的に、上記のような流れは変わらないのですが、世の中の変化とともに、都市型店舗に異変が起きています。

都市の代表といえば、東京という事で、東京で起きている事それは、

地価の高騰

です。

こちらのページにありますが、まぁ10%とか地価が上がるってどんな気持ちなんでしょう?
所有者にとっては、「固定資産税があがって大変」とか、「高くなってガッポガッポや」とか色々あるでしょう。
ただ、そういった都市部の一等地を借りている側にとっては、「地価高騰=家賃高騰」につながる話です。

仮にですが、例えばそうした地価が上がった場所でゲーセンを運営していると、大家さんから「家賃の値上げ」を提案される事があります。
この家賃の値上げというのは、ゲーセン側からすれば採算の悪化につながるので、なかなか受け入れられないですし、なによりもその場所で運営することができなくなる可能性も含みます。
貸す側としても、低い家賃で貸すよりも高い家賃で貸したいのは当然なので、契約を更新せずに、新たに借り主を募ったりします。
難しく言えば、

都市型店舗はゲーセンの収益に見合わない地代になる可能性がある

といえます。
こうなると、地価高騰に伴うゲーセンの退店(好むと好まないにかかわらず)と言うのは、大きな流れとして増えてきています。

これなんて典型的な事例です。
したがって都市型店舗のゲーセンの場合、数が増えていくことは少ないと思われ、地価が上がっていくにつれ、都市型店舗のゲーセンの閉店は増えるのかもしれないなー、と考えられます。
郊外型も、都市型も難しいとなれば、あとはSCくらいくらいかな・・・