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2017.01.18

ゲーセンの景品に生き物はダメ?改めて整理して考えてみる

先日、こんなニュースが流れていました。

ゲーセンの景品でハムスターを使用していた、という話。
ニュースのタイトルにある通り、批判を受けて撤去したという話なのですが、同じ業界人としては、考えさせられる出来事です。

UFOキャッチャーの景品に「生き物」はダメなのか?

食物連鎖 

考えさせられるという理由は、

ゲーセンの景品に「生物」を使用しても良いのか?

という質問に、明確な答えがないからです。

何度か紹介していますが、ゲーセンの景品として利用出来るものにはルールがあります。
こちらを見ていただければ、わかりやすいと思います。

景品が取れないプライズゲームは詐欺?そんな事してもお店に得はないです!

そして、文中にも出てくる、業界団体のガイドラインによると、

動物愛護の精神に反する生物

については、景品としての利用を禁じられています。
当然といえば、当然ですね。

その一方で、このハムスターの話題に関連して、「伊勢海老キャッチャー」はどうなんだ?という意見も、見られます。
伊勢海老キャッチャーがわからない人はリンクを見て下さい。

チョット変わったUFOキャッチャーをご紹介!あんな物が景品に?

いまでは、現役のゲーセンで伊勢海老キャッチャーを設置してある店舗は少なくなりましたが、海鮮市場みたいな観光地に行くと未だに現役で稼働していたりするのを見かけます。
絶対に伊勢海老を入れないと行けないとかでは無いので、海産物ならなんでも良かったりするんですけどね・・・
こうした伊勢海老キャッチャーが、今回のハムスターキャッチャーと同じく批判される事は無かったわけで、

「ハムスターはダメだけど、伊勢海老はOK」

というのも、違和感を覚える話です。

動物愛護の精神ってなんだ?

まずは、最初に書きましたが、「動物愛護の精神」とはなんなのだ?という話になります。
ググってみたらこんなページが。

非常に中立的で、勉強になる文章です。
日本とイギリスの間の差異の話など非常にわかりやすいのですが、といえど、個々の事象に「動物愛護」の精神が当てはまるかどうかはちょっとわかりません。
先程も書きましたが、「ハムスターはかわいそうで伊勢海老はかわいそうではないのか?」とか、「伊勢海老は食材であって動物ではなく、ハムスターは動物だから」などの様々な意見がでると思います。
そう考えると、「動物愛護の精神に反する」という簡単な一文ですが、実際には、個々の事例が「動物愛護の精神に反するかどうか?」というのは、判断がつきにくいものだ、と感じます。
往々にして、こうした生物を景品にする場合は、餌と飼育方法の説明書きをセットで渡したりするものですし・・・

ガイドラインであってルールではない

もう一つの問題は、以前も書きましたが、

ガイドラインであってルールではない

という事です。
そもそもこのガイドラインは、AOUが作成したもので、AOUの加盟企業であれば、このガイドラインに則って景品を運営しようね!という自主規制的な意味合いが強いです。
景品の金額の上限などは、自主規制といいながら、ほぼルール化されているのですが、その他の項目については、そうでは無いものも多いです。
「動物愛護の精神に反しない」というのも、あくまでも、AOUが定めたガイドラインであって、法律的に規制を受けるものでは決してありません。
逆に考えれば、AOUに加盟せずに運営しているゲームセンターであれば、特段守るべきでもなんでもないですし、守らなかったとしても罰則があるものではありません。

今回、対象となったゲーセンがAOUに加盟しているかどうかはわかりませんが、こうした面から考えても、生物を入れることそのものに対する罰則はないことになります。

生物を景品として使用する事自体がダメではない

結論からいえば、上記の理由から、UFOキャッチャーの景品に生物を投入する事自体がダメではないのですが、昔よりもこうしたイロモノ景品にたいして、世間から非難される事が増えたなー、と感じます。
よくも悪くも、生物を景品として利用することはリスクがありますね・・・
昔、カブトムシとかもあった気がするけど、そういう時は何もいわれなかったなー。