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2015.08.07

景品が取れないプライズゲームは詐欺?そんな事してもお店に得はないです!

何度か話題にしていますが、今回はプライズゲームのお話。
プライズゲームといえば、代表的なのはUFOキャッチャーです。

UFO9

アームを動かして景品を掴んでGETするゲーム。
誰でも簡単にできるので、老若男女問わず遊べる素晴らしいゲーム機です。

そんなプライズゲームですが、こんな話題を見つけました。

アームが弱い、配置がひどい・・・景品をとれないクレーンゲームは「詐欺」では?|弁護士ドットコムニュース

なんとなーく、ゲーセンでプライズゲームをしたことのあるお客さんなら、心当たりもあるかもしれません。
アームの力が弱すぎて、「スルッ」と抜けて、「絶対掴めないやんけ!」となるパターン。
弁護士の先生が、「詐欺にはあたらない」との判断をしてくれているので、一安心という感じですが、ゲーセン側としては、絶対にとれない事はデメリットしか見当たらないので、あんまり無いと思います。

そもそもプライズゲームは「ゲーム」である

サイコロ

プライズゲームというのは、実は法律上はかなりグレーな部分に入っていて、その解釈や実際には業界の自主規制や警察からの通達などの微妙なバランスの上で成り立っています。
興味のある方は、wikipediaに詳しい解説があります。
そこから一部、抜粋すると、

それにもかかわらず8号営業でプライズゲームの営業が行われているのは、現在の風適法による規制の対象となる以前から既にプライズマシンが営業に欠かせないジャンルとして成立していたアーケードゲーム業界が、警察庁に要請し[5]、「粗品レベルの景品(当初は市価300円相当以下、後に市価800円相当以下)の提供に留め」、「厳しい自主規制の下で運営を行う」限りにおいてはプライズゲーム機が提供しているものを賞品とはみなさないという警察庁の有権解釈を得たからである。
業界団体のガイドラインは、表面的には法的根拠が曖昧[6]な自主規制ではあり、そもそも厳密に法律を解釈すれば、運営自体が不可能である。しかし、規制の内容は、監督官庁の解釈を反映させたものなので、実質的には法律に準じる規則と考えるべきである。この自主規制を守らず、社会問題に発展するようなことがあれば、警察はいつでも全面的にプライズゲーム機の営業を禁止する可能性がある。

という状態です。
これは、業界として同様の認識をもっています。
プライズゲームが許可されているのは、業界団体の自主規制ルールが存在し、そのルールを守った上で運営しているからといえます。
その許可をする際の解釈として、プライズゲームはあくまでも、

「景品を取得するまでの過程を楽しむゲーム機である。その副次的産物としてお客さんの手元にプライズが払い出されるものであって、景品の取得そのものを目的としたものではない」

といった解釈があったと思います。
簡単な言葉で勝手に解釈して書きましたが、詳しい方からみれば違うかもしれません。
したがって、景品の払出しを目的としたものではなく、「景品の取得までを楽しむゲーム機」という事になります。
こう考えると、「払出した景品をお店に返してください!」という事も、理論的には可能ということになります(実際にそんなお店はありえませんが・・・)
こうした解釈で考えると、詐欺だ!とも言えないとなります。
まぁ、こうした解釈なんてお客さんはわかるはずも無いので、敢えて主張するようなアホな店舗も無いと思いますけどね・・・

お客さんに「詐欺だ!」と思わせる事はデメリット

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先ほどの解釈の話は一旦横に置いておいて、お客さんからみれば、絶対取れないんだったら詐欺!というのは心情的にはわかります。
ただ、そう思わせるような運営を行う事は果たしてお店にとってメリットがあるか?と考えれば、当然

「詐欺だ!と思われるメリットは、お店にはない」

のが普通の考えです。
当たり前の話ですが、詐欺だ!と思われても、そのお客さんは次の100円を投入することは無いでしょうし、ヘタしたら2度と来店されないかもしれない・・・
ですので、詐欺だとお客さんに思われても、短期的には儲かるかもしれませんが、少し長い目でみれば、あんまり良いことでは無いのは間違いありません。

あとは、弁護士の先生の回答にもありますが、

阿漕(アコギ)だという批判はあるとは思いますが、商品価値的に、ある程度の金額をかけてもらわないと元が取れないはずですから、やむを得ない部分もあるでしょう。

これもある程度真実です。
先ほどのウィキペディアからの引用にもありますが、景品は粗品レベルということで、自主規制によって金額の上限があります。
仮に800円の景品であれば、お店の運営方針によって異なると思いますが、1回100円であれば、お店の還元が50%であれば16回のプレイがお店の目標となります。
この辺りで、「16回もやらないと取れないの?」って思うお客さんもいると思います。
なかには、「全部100円で取れないとオカシイ!」って思うお客さんもいますから、難しい!

敢えてそんな運営をするお店はない

先ほども書きましたが、あくまでもゲームなので、「100円入れてやってみたけど、もう100円で取れそうだな〜」と楽しんでやって貰うことができれば、お店としてはベストです。
ただ、そんなベストな設定を目指して、現場スタッフや、所謂プライズの担当者は日々努力していますが、一口に設定といっても、項目が多岐に渡るので、難しい面もあると思います。

ですので、詐欺だ!と思われるような設定をして運営をすることは、お店にとっては良くないことですし、思われても得もないので、できれば避けたい事案に越したことはありません。
現場からは以上です。