立場が違えば、視点も違う。マツコの知らない世界を色んな視点で見てみよう
先日書いたコチラのエントリ。
業界人としてはちょっともったいない!マツコの知らない世界の感想
なんだかしらない間に色々と物議を醸しているらしいんですが、個々人それぞれに色々な思いはあると思うんですけど、最初に言いたいことを言わせて貰えば、
番組としては問題ないのでは?
というのが個人的見解です。
設置台数が少なくて残念・・・と書きましたが、これは逆に考えれば設置しているお店は「勝ち組」になれるってことです。
それを設置してない、若しくは購入してないのがいけないのであって、仮に紹介されたゲーム機が今後大ブームになることがあれば、それこそリスクを取ってゲーム機を購入したお店の利益なので、問題無いです。
そんな事ってよくある話なので、「悪いこと」だとは思っていません。
賛否両論なんですが・・・
見た人の感想は大きく分けて2つに分かれています。
肯定派
・普段でないテレビに出たんだからいいんじゃん?
・とりあえず目立つことはできた
否定派
・普段のゲーセンにはあんな人達はいない
・一般の人から見て逆に敷居が高くなった
というのが、私の個人的調べによるザックリまとめです。
こうした意見を取り交わす方が沢山いるということは、ゲーセンのことを気にかけてくれる人が沢山いる
という事の裏返しなので、そこは関係者として、まずありがたい話。
我ながら優等生な意見や!
メーカーの立場
わりとメーカーや開発に近い方のほうが否定的な意見が多いのか?と思うんですが、それには明確な理由があります。
機械を開発したメーカーは何を目指しているか?と言うことを考えるとわかりやすいです。
どのゲーム機でもほぼ同じだと思いますが、特にICカードでのプレイ履歴の保存ができるようになってから、ゲーセンのゲーム機開発でも
MAU 【 Monthly Active Users 】 月間アクティブユーザー
という指標は大事にしていると思います。
スマホゲームでも同じですが、「今でもMAUは伸びてる」とか「MAUが少なすぎて手が打てない」などという会話の端々にでてきます。
そのゲーム機の持つ市場は
MAU ✕ 1人当たりゲーム数
で決まるわけです。
市場のパイ自体を大きくしようとおもうと、MAUを伸ばす事がすごく重要となります。
MAUを伸ばそうとするということは即ち、
新規にユーザー数を増やす
ということになります。
だとすると、先日の放送のように、敷居が高くみえることをアピールされるとメーカーとしては困るというのは、非常に理解できる話です。
まだ見ぬ新規ユーザーからみて、「うわー、こんなん遊べないわ」って思われると終了ですからね・・・
ですから、メーカーからみれば、
当たり障りなく、だれでも遊べる感が満載の情報発信
をすることが良しとされます。
現実に誰でも遊べるかは別ですが、音ゲーなんかは特に門戸が広いゲームなので、上記のような情報発信を望みますよね。
だからメーカーさんから見た時に、否定的な感想が出ることは、理解できます。
ゲーセンの立場
ゲーセンの立場はもっと簡単です。
お店にお客が来て、売上が上がる
ことが最大のメリットなんです。
一般のお客さんが、
「面白い」と思うプレイを見に来て、プライズゲームでもやってくれれば御の字
という視点は確実にあります。
直接的にメリットありますからね。
まだ見ぬお客にゲームをやってもらう(やりこんでもらう)というハードルの高さは年々上がっていっています。
その理由については、以下にも書いてみました。
メーカーとゲーセンの対談で考えた、ゲーセンでの「ストレス」の話
確かに、メーカーさんが考えるようにMAUが増加して、そのタイトル自体の店舗での売上が増台していけばベストだと、アタマでは理解しています。
その反面、
100円玉を誰がいれたのか?1人が100枚いれたのか?100人が1枚ずついれたのか?
はさほど重要ではなかったりします。
経営者の中には、
自分のお店の店舗の売上が上がらないかぎり、全ての施策はクソ
扱いするような人もいますからねぇ・・・
世間はすぐ忘れてしまうもの
ユーザーさんの視点では、全ての意見を汲み取れるわけでもないのですが、これこそ賛否両論ですね。
中立的な意見としては、コチラのツイートが素晴らしかったので、引用させていただきます。
でも少なくともゴールデンのTV番組で音ゲーが映ったというだけでも大きな影響を起こしうるとは思うので、あとは現役プレイヤー諸氏が、興味本意で来た人らによい印象を与えるプレイをして見せればいいんじゃないかな。チンパンジー見に来たらめっさカッコいいゴリラが居た、てなれれば十分っす
— てとら (@tetra_404) 2016年3月16日
この方がおっしゃる通り、ゲームの中で、「音ゲー」ってジャンルが一般の方に単語として認識されるようになっただけでも、隔世の感があります。
ゴールデンタイムに「音ゲー」って単語がテレビで流れるんだから、大したもんだと思うんですけどね・・・
最後に思うことを言わせて貰えば、皆さんが考えるプラス面やマイナス面ってそんなに具現化されてますか?ということです。
一般の方から見れば、ゲーセンでガッツリ遊ぶ派って基本的に少数派だと思いますし、大多数の方はフラッと入ってプライズやったりメダルやったりが多いと思います。
そうした多数の方からみれば、多少のことはすぐ忘れてしまうし、「こんなもんなんだ」と思う位で終わると思います。
放送後から、売上が上がったとか下がったとか、MAUが増えたとか減ったとか、周りに褒められたとかいじめられたとか、そうした結果が現れた時に再度評価したら良いんじゃないのかな〜、と思います。
ちなみに、知人に、「ゲーセン(のお客)ってあんな(放送された)感じの人ばっかりなの?」と言われたら、
あの人達は良い人達で、もっと変わった人がたくさんいるよ!
って答えています。
その後、知人が遊びに来る確率は5分5分ですね・・・