ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

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2015.12.23

ゲーセン的電子マネーの使い方。ダンピングと付加価値

電子マネー 写真

このブログでも何度も取り上げておりますが、電子マネーがゲーセンにも順調に普及しています。

タイトーのゲーセンに電子マネー決済端末導入。過去(黒歴史?)を振り返ってみる編

エキナカのゲーセンでも、「ゲーセンで電子マネーが使える」というアピールにはかなり貢献したようですね。

駅構内にゲーセンが?業界始まって以来の快挙だと思うけど、時既に遅し・・・

タイトーの店舗が導入している、電子マネー端末ですが、現在の所、特に問題もなくその結果が業界人としては気になる所。
そんな中こんな記事を発見しました。

【インタビュー】なぜ、交通系電子マネー決済システムをゲーセンに導入したのか? – GAME Watch

電子マネー端末を大々的に導入した結果

引用したエントリーの中で気になる点をいくつか。

現時点では、まだ導入したばかりですので仮説の域を出ないお話となりますが、狙いはズバリ当たりまして客単価がアップしています。今まで長年にわたり、店での客単価をなかなか上げることができなかったのですが、多い所では2ケタ以上の上昇率になったというデータも出ていますね。ただし、現在はキャンペーン期間の最中(※)ですので、これからキャンペーンが終わって通常ベースに戻ったときにどうなるかで、最終的には冷静に判断しなければと思っております。今のところは相当に喜んでいただけてるという感触、実感はありますよ。

筆者補足:同社では交通系電子マネーの導入を開始したことを記念して、電子マネーを利用してゲームをプレイすると最大50%オフになるキャンペーンを10月26日~11月30日まで対象店舗にて開催した。

なるほど。
現在の所、客単価がアップしたという結論が出ているようです。
ただし、概ね1ヶ月近い最大50%オフキャンペーンを行ったというキャンペーン効果も含めて、といったところでしょう。

あとは気になった所で言えば、

弊社の店舗ではプライズゲームの売上が全体の5割を超えていますから、やはりプライズゲームでの割合が高いです。プライズゲームに関しては、今後も間違いなく高くなると思いますよ。実際、既にそういうデータも出てきています。

タイトーの店舗は最近プライズの比率が高いので、これはなんとなくわかるなー。

記事に敢えてツッコんで見る

こういう記事をみて、我々中小のゲーセンの人間は「なるほど」とは100%思わない←根性が曲がっているので。
ウソを発表するとは思わないので、業界のカラクリを少しご説明してみます。

大手のプライズゲームは基本料金は1Play「200円」

これは、プライズゲームを良く遊ぶお客さんはご存知だと思いますが、本来大手のゲーセンのプライズゲームの1play価格は「200円」が基本です。
ですので、上記キャンペーンを行って、仮に最大の50%オフの料金だとしても、「100円」となります。
この辺りは、非常にマーケティング上手というか、某ネット販売大手でもありましたが、基本単価が「200円」なんですけど、最近は年中値下げが行われており、ほぼ基本単価は「100円」となっております。
200円を500円に釣り上げて割引を強調しているわけでもないので、某ネット販売大手と異なり不当ではないです。
ただ、

実際には、ほぼ通年にわたり割引が適用されて「100円」が基本になりつつある

んです。
これを電子マネー導入で、一旦「200円」の基本単価の戻しそこから割引を行う、というセールス。
それで客単価が上がったのであれば、これはマーケティングの勝利なので、素晴らしい結果と思います。

100円以下に下がった場合

こうした値下げの機動力の高さというのは、電子マネー対応する大きな魅力です。
90円とか95円とかこういった値下げにも対応できる。
こういった、

他店舗よりも、若干値下げすることでの集客及び客単価アップ

という効果は、これも間違いなくあると思います。
この辺りは「先行者利益」と言われる部分です。

ただこの最大の弱点は、他社も直ぐにキャッチアップしてくる、ことです。
業界内で話を聞くと、特にプライズコーナーの売上に関して、「タイトーさんのキャンペーンにより、かなり売上が下がった」とのコメントもよく聞きます。
こうした状況が続くと、店舗側としては、

「ダンピングに対抗するために、電子マネー端末を導入する」

という考えになりがちです。
まぁ現場の店長に言わせりゃ、そらそうなんですけど。
こうなると、本来の「よくなる為に電子マネー端末を導入する」という趣旨からハズレるような・・・
ただ、現在100円→50円→10円のように、階段状でしか値下げできないものを、段階的に細かく値下げできるという部分は評価できるので、良いか悪いかは一概にいえないんですけどね。

客単価アップ=ゲームの付加価値アップではない

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とはいえ、電子マネー対応はいずれ必須になると思います。
ですから個人的には、メーカーには、

付加価値の高い新機種に対して、最初から電子マネーでの割引価格を設定

することがベストと思います。
既存のゲーム機において、客単価がアップしました!という結論は、

・市場全体で付加価値がアップした結果、客単価がアップしたわけではない

って言う部分でダンピングなどにつながりやすい。
そういった意味で、タイトーのこの機種とかは「よくわかってるなぁ」と感心もします。

電子マネー専用のタイトーのクレーンゲーム『マッスル6』がロケテスト開始、金額に応じてハンドを6本まで増やせる! – ファミ通.com

こういった、「電子マネーを使用することで付加価値を上げる」新機種は今後増えていくと思います。
「三国志大戦4」もそうなるかもね!

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