ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

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2015.11.15

駅構内にゲーセンが?業界始まって以来の快挙だと思うけど、時既に遅し・・・

ゲーセンの起源ってご存知でしょうか?
アーケードゲームが生まれる前に、各社が扱っていたのは、遊具やジュークボックスやピンボールでした。

ジュークボックス
こうした一般的な遊具を、遊園地やデパートや、ジュークボックスだったら、バーやナイトクラブに設置した所から、現在のゲームセンターの起源となる業態が生まれ、インベーダーブームによって、「インベーダーハウス」が生まれ、ゲーセンが生まれたと言われています。

こちらの年表を参照。

仮に、インベーダーハウスをゲーセンの起源と考えるならば、この世にゲーセンが誕生して、おおよそ40年弱が経過したことになります。
この40年弱で多分業界初めての事例じゃないか?と思われるニュースが流れてきました。

交通系電子マネーを使って無料で遊べる「駅ナカゲームセンター」が,JR秋葉原駅構内に11月20日,21日限定でオープン – 4Gamer.net

常設ではないうえに、2日間限定のイベントとしての役割なので、これから!って感じもありますが、個人的には「ついにやったな!」と思います。
電子マネーで無料で遊べるってところに色々思惑は感じますけど・・・

ゲーセン関係者だったら誰でも思うアイデアだが・・・

40年近い歴史があるので、ゲーセン関係者だったら、誰でも考えた事があると思いますが、

「駅構内にゲームを設置する」

というのは、昔からアイデアはあれど実現することは無かったというやつです。
都会や田舎に限らずです、駅の構内で10分早く着いたから時間を潰すもしくは待つというのは、誰でも経験したことがある事です。
当然、我々のような業者は、「10分の待ち時間の間にゲームをしてもらえるんでは?」と考え、駅構内にゲームを設置したらいいじゃん!と思い立つわけです。
しかし、長い間このアイデアは誰も実現することなく現在に至ります。

実現しない理由

実現しない理由は、実はハッキリしていません。
ただ、現在までセガやナムコ、タイトーなどの上場会社が提案しても、実現してなかった事から、よく言われるのが、

「JRとゲーム会社の企業の質の違い」

です。
元国営企業のJRからみれば、ゲーム会社の提案や、地方のゲーセンの提案に積極的に賛同するってのは、まず無いと思います。
過去の先人達が、さんざん提案してダメだった話とか結構聞きますからね。
我々のような中小ならまだしも、上場企業が提案しても、全く取り合ってもらえないって話は聞いた事があります。
私鉄ならどうだ?って話なんですが私鉄でも聞いたこと無い・・・

それに、

「ゲーセン及びゲームのイメージが悪い」

ということも原因の1つだとされています。
更には1985年に、ゲーセンが「風営法の適用」を受けた事で、止めが刺さったというのが現実ですね。
JRの構内に風営事業なんて、ダメ!と言われればそれまでです・・・

2015年ついに実現!しかし時既に遅し・・・

そんなゲーセン業界ですが、徐々にイメージが向上してきたのか、タイトーさんが今までの慣例を打ち破ったのが、引用したニュースの内容です。
しかし、このアイデアが実現した2015年、駅構内で待ち時間を潰すという需要は、アーケードゲームには既にありません。
ご存知の通り、その役割は「スマートフォン」が全てを果たしています

スマホ 子供

そんなわけで、ゲーセン関係者としては、悲願の達成でもあるわけで、40年越しの念願がかなったわけですが、このアイデアが本格的に普及するか?といわれると、まぁ難しいですね。
待ち時間を潰す需要はもう無いでしょうからね・・・

電子マネーで無料で遊べる!の理由

そんなわけで実験的要素とイベントとしての役割での今回の、「エキナカゲーセン」(勝手に命名)なわけですが、

「電子マネーを使って無料であそべる!」

という部分で、ほとんどの方は意味がわからないと思いますが、これは、

「料金を徴収すると風営法の適用をうけるので、無料で遊べる事で回避する」

のが目的だと思います。
現実には、料金を徴収しても、風営法違反で摘発されることはないと思われます。
この辺りは、このエントリーを参照してください。

24時間営業できるゲーセンとそうでないゲーセンの違いをまとめてみた

しかし、万が一でも法律違反となる可能性を避けるのであれば、「プレイを無料にして料金を徴収しない」のが、もっとも確実です。
こうした理由で、「無料で遊べる=料金を徴収しない」というスタイルになったのだと思われます。

個人的には、JRのという企業の構内に設置しただけで、結構スゴイと思いますが、あと10年早ければもっと面白かったのに!