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2015.08.31

クラウドファンディングによるクリエーターの独立とメーカーの変化について考えてみた

突然ですが、クラウドファンディングってご存知でしょうか?

クラウドファンディング(英語:Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。ソーシャルファンディングとも呼ばれる。

Wikipediaより

何らかの理由で資金を必要としている人や組織が、インターネットを通じて資金を提供してくれる人を募るシステム。
当然資金を提供してくれた人には、何らかの見返りを提供するし、資金の出し手も、どういった理由で資金が必要なのか?を明確に理解して資金を提供するという仕組みです。

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「こんなことしたいけど資金がない!賛同者を募って資金を集めよう!」という人にはスゴく良い仕組みと言えます。
以前紹介したコチラ。

ゲームセンター復活プロジェクト!ゲーセン界初のクラウドファンディング成功なるか?

これなんかも、「ゲーセンを復活させる」というコンセプトに賛同する方から資金を集めて、ゲーセンを復活させようという新たな試みなわけです。

ゲーム業界は「クラウドファンディング」真っ盛り

同じくwikipediaに記載がありますが、ゲーム業界において、このクラウドファンディングが物凄い勢いで伸びているようです。

特にビデオゲーム関連での出資が著しい伸びを見せている。Kickstarterにおいてビデオゲーム分野の出資額は2011年比で10倍以上にまで達した。ゲームソフトではStar Citizenが約620万ドル、ゲーム機ではOUYAが約860万ドルを集め話題となった。

少し古い話ですが、日本でも、こんな風に活用されています。

稲船敬二氏の新作「Mighty No.9」は,誰がどう見ても“アレ”。PAX Primeで電撃発表され,本日からKickstarterで出資者を募集開始 – 4Gamer.net

比較的最近の話題では、

『シェンムー3』Kickstarterプロジェクトが終了―ビデオゲーム最高調達額を更新 | GameBusiness.jp

と、大物クリエイターと呼ばれる方が、クラウドファンディングを活用してゲームを作るという事で、話題をよんでいます。
よく見たら、「Mighty No.9」って9月15日発売なのでもうすぐ発売ですね。

クラウドファンディングなら簡単に資金が集まる?

この様に盛大に盛り上がっている感もあり、勘違いした若手クリエイターが、「会社に所属していなくても、クラウドファンディングで資金を集めてゲームを作るぜ!」と思ってしまいそうな感じがしますが、そんなことはないのでしょうか?
個人的には、こうしたクラウドファンディングというのは、

今までの実績があるもしくはブランドがある

方が利用するから価値があるのだと思います。

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ゲーセンで言えば、ゲームニュートンさんというビデオの聖地が運営に携わるから、お金を出してもいいなという人がいる。
上記の2つの大物クリエイターでも、いってみれば「ロックマンの次回作」「シェンムーの次回作」を作るから、これだけの資金があつまるのでしょう。
自分が資金の出し手であれば、大物クリエイターが名作の続編を作ります!と言えば、資金を出してもいいかなと思いますが、名も知らないクリエイターが全くの新作をつくります!といわれても、あまりピンと来ないのではないでしょうか。

こう考えると、別にクラウドファンディングがあるからといって若手クリエーターのチャンスでも何でもないとも思うわけです。

メーカーの役割が変わる?

ココからは全く別の視点になりますが、以前書いたコチラのエントリー。

なにかと話題のコナミさん。日経新聞(電子版)の見出しをみてビックリ!

コナミの場合は、高名なクリエーターが流出してしまった事でそのゲームのファンから非難を浴びることが多いですが、これってある意味こうした、高名なクリエーターが自分で資金を集めることができる時代になれば、メーカーの役割も変わると言う事も示しているのでは?

従来は、メーカーとしてヒットを発売するということは、高名なクリエーターが作る作品=ヒットすると考えて、クリエーターをいかに社内に置いておくか?という事に注力していた時代があったとします。
往年の、読売巨人軍みたいなもんで、全員4番バッター的な考え方ですね。
ただ、能力があって実績もあるような高名クリエーターは現代において、会社に縛られる事なく資金を調達し自由にゲーム作りができる。
こうなると、高名なクリエーターはゲームメーカーに所属する必要もなくなります。
そしてメーカーは、高名なクリエーターを抱えて大ヒットを狙うよりも、若手クリエーターで才能がある人間にチャンスを与えゲームを作らせてヒットを狙うという方式に変化していくのではないでしょうか?
若手を育てて頑張る、野球でいったら広島みたいな感じでしょうか?(あまり野球くわしくない)
コナミとしては、こうした変化にいち早く対応するべく、脱高名クリエーターを実行しているのかもしれません。

そういえば、某メーカーのエライ人も、「あの〇〇のインカムを復活させるアイデアを出した若手がいるから、そういう人間に自由にものづくりさせるのが、俺達の仕事だ」と言っていました。

某社のK島プロデューサーも、「スネーク・ダンボール物語」的な続編をクラウドファンディングで資金を募って制作すればいいんじゃないかな・・・
コアなファンが多そうだから、資金の出し手は沢山いそうだしね。