コナミがアーケードゲーム事業から撤退するのでは?とゲーセン経営者が考える理由 前編
最近ゲーマーの間で話題なツイートがこちら。
ご存じでしょうか?
コナミから何の連絡もない。こんな調子でずっとほったらかされた。ここに桃太郎電鉄は、正式に終了します。すべてコナミの石川が握り潰しました。
— さくま あきら (@isetta_23) 2015, 6月 2
個人的には桃太郎電鉄というゲームは、スゴく面白いゲームで、楽しいゲームだったのでモッタイないと思います。
99年ぶっ通しプレイとか、ゲーム好きなら一度は4人でチャレンジしたものです。
これが一応最新作なんでしょう。
今後新作が出ないという事で、がっかりしている桃鉄ファンも多いことでしょう。
さくま氏が発言した事で、コナミへの批判が高まっているようです。
我々は外野なんで、実際のところはわかりませんが、桃鉄ファンからしたらそんなものかもしれません。
コナミがゲーム事業を縮小する?
他にも、ラブプラスやメタルギアなど、コナミの有名タイトルに関わった大御所がコナミから名前が消えることで、タイトルが終了した!とのニュアンスで語られる事が最近多いです。
以前もこんなことがありました。
メタルギアファンに激震!小島プロダクション解散?経理上の数値から考えてみた
経営判断で、「儲からないからやめる」という判断自体はアリなことなので、これについてコナミを批判しても意味はありません。
しかし、こうした家庭用ゲームのみならず、業務用ゲームでもコナミが撤退するのではないか?という噂は、まことしやかに話されたりしています。
私自身、ゲーセン業界にいる人間として、撤退方向にコナミが傾いているのではないか?と考えています。
アーケードゲームの側から、そのあたりの事情を探ってみます。
理由その1:製品終息が激しい
今年度に入ってから、コナミの製品に関しては終了のお知らせが出ているものがあります。
このベースボールヒーローズは、唯一の野球のカードゲームだったので、一定のファンは居たんですけどね。
それに、ゲーム業界的には、野球といえばコナミ、コナミといえば野球という位蜜月関係だったのが、変わってしまったんでしょうか?
他にも、噂レベルですが、まだ発売して間もないゲーム機のサービス終了だったり、同じくハ〇ソン絡みのゲームの〇〇がアーケード向けに発売される!という話だけが先行して、実際の発売が延期(中止?)されたりと、かなりバタバタしました。
その新製品がでるって聞いたから、せっかく準備したりしたんですけどね・・・
組織が変わって急に方向転換したんでしょうか・・・
理由その2:得意分野の市場の消滅
ゲーセンでコナミといえば、皆さん考えるのが「音ゲー」「麻雀格闘倶楽部」などがパッと思い浮かぶと思います。
実は、コナミといえば他にも、ゲーセンで得意な分野があります。
それは、「メダルゲーム」特に「大型プッシャー機」の分野では、実はコナミはほぼ独占していると言っても過言ではありません。
ゲーセンのメダルで遊んだ事のある方ならわかると思いますが、大型のゲーセンでメダルコーナーがあると、プッシャーゲームと言うのは、ほぼ100%設置されています。
こんな感じ見たことないでしょうか?
チョットずつ入れて、メダルを落とす「メダル落とし」という名前の方がメジャーでしょうか?
その中で、コナミの代表的な大型プッシャー機といえば、沢山あるわけです。
古いもので、フォーチュンオーブ、ドラゴンパレス、ファンタジックフィーバーなど。
比較的新製品だと、フォーチュントリニティ、スピンフィーバーなど。
そして、恐らく大型プッシャー機の頂点を極めたと言っていい、グランドクロス。
この辺りのタイトルが全て、コナミの製品となっています。
それに対して、セガやナムコ、タイトー等の大型プッシャー機で名前が上がるとすれば、せいぜい2機種位なものなので、この市場に関してはコナミの独壇場です。
しかし、残念ながら、こちらの大型プッシャーというメダル機自体は、我々ゲーセン側から既に求められていません。
正確にいうと、ゲームとしての出来が良くても、メダル単価が下がってしまった結果、投資できない分野となってしまっています。
昔は、メダルゲームは1枚当たり20円程度の単価で営業しているお店が多かった、1000円で50枚というお店は結構多かった。
それに対して、現在は1000円で、500枚が基準ですので、約10分の1に低下したことになります。
遊んだ事がある方はわかると思いますが、プッシャーゲームと言うのは、少しずつメダルを投入して遊ぶゲームスタイルです。
ですので、1日のメダルの投入枚数が1万枚とか、それくらいの単位なわけです。
単純に考えて、例えばこの1万枚に先ほどのメダル単価をかけると、1日当たり20万と2万の差となります。
1ヶ月に換算すると、30日で600万と60万の差となりますので、単純に考えた売上が減少していると考えられます。
ちなみに、投入枚数なので、この中からお客さんの手元に戻る分がありますので、投入枚数=売上ではありませんので、あしからず。
それに、先ほどいったとおり、少しずつメダルを投入して遊ぶゲームなので、投入枚数がどうしても少なくなりがちです。
ちょっとずつ入れて遊ぶので、お客さんがずっと張り付いても、投入できる枚数に限度があります。
昔はメダル1枚の価値が現在の10倍あったので、1,000万円クラスの大型プッシャー機も導入できたのですが、現在は10分の1になってしまったので、どうしても投資しづらくなっているのが現状です。
そういったゲーセン側の事情を考えて、ナムコさんは、戦国無双メダルの発売は今後しないでしょうし、近年発売した各メーカーの大型メダルゲームの売れ行きも芳しくないようです。
そのため、メーカーも開発自体をしないという噂は良く聞きます。
こう考えると、コナミとしては、アーケードゲームにおける主力分野の市場自体が消滅したともいえます。
そのため、アーケードに対して、及び腰になることは、必然と思えます。
中型〜小型機の開発は今後もありそうですけどね・・・
あと2つほど理由があるんですが、かなり長くなりそうなので、次回続きを書きます。
こんなに長くなるとは思ってなかったな・・・