ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

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2015.05.09

大手メーカーの決算をみて考えよう!バンダイナムコ編 EXVSのバージョンアップがポイント

GWもすっかり終わり、5月病にかかっている方も多いこの時期。
ゲーセンの現場も、GWのバタバタが終了し、次は夏に向けての準備を始めていきます。
この夏は完全新作が多いので、店舗のレイアウト変更など、そろそろ考えないと・・・
この夏、ポート24は「艦これアーケード」を推しておりますので、それに伴い撤去する機械も考えないといけません。
4席もあると、結構場所を取るんですよね・・・

EPSON MFP image

大手メーカーは決算シーズン

そんな現場の一服とは逆に、大手メーカーはこの時期決算発表を迎えます。
この業界の主力メーカーは、揃って上場しており、しかも3月決算なので、この時期に前期の結果がわかりそれに加えて、今期の計画も発表されます。
ちなみに、上場企業のおよそ7割が3月決算という事ですが、セガ、コナミ、バンダイナムコ、スクエニは全て3月決算・・・
以前、ラウンドワンの決算予測でも書きましたが、自分のところはさておき人のお財布事情は気になるのが、人間ってもんですね。
ですので、私は個人的に、メーカーの決算は全て軽く目を通しております。
実は色々発見があるので、それについて、各メーカーの発表した資料を元に色々考えてみました。

というわけで、今回はバンダイナムコグループの決算についてです。
特に記載のない限り、すべて資料はバンダイナムコ社のIRライブラリーより引用しております。

アミューズメント施設運営事業について

ゲーセンに関連するメーカーの事業は、大きく分けて2つあります。
1つは、ゲームセンター運営事業、アミューズメント施設運営で、もう1つは、アミューズメントマシン販売事業の2つ。
まずは、アミューズメント施設運営事業の内容についてです。

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こちらは、売上の月次の推移ですが、やはり厳しいですね。
現在、バンダイナムコのアミューズメント施設はほとんどが、ショッピングセンター内の店舗になりつつあります。
純粋に昨年対比で考えると、昨年は「アイカツ」や「妖怪ウォッチ」などのキッズカード機が、かなり好調でショッピングセンター内のゲーセンだと、3台4台と設置してあるケースも少なくありませんでした。
しかし、昨年の夏辺りから、複数設置してもお客さんが埋まらない光景がチラホラ見え始めて、大分失速したイメージがあります。
「アイカツ」の店舗大会なんかの実施件数も、一時のブームと比べてかなり減少しているように感じます。
これ以外にも、メダルの低単価化や、プリクラの失速などもありましたが、以前は郊外のゲーセンよりも、ショッピングセンター内のゲーセンの方が堅調というイメージでしたが、最近は店舗形態によらず厳しくなっているようです。
イオンファンタジーさんも、国内は売上は下げ基調ですね・・・

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イオンファンタジー社のIR資料より

あと1つ、決算資料を見ている中で、気になったのは、この部分です。

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以前のラウンドワンの決算で、減損会計について触れましたが、いくらなんでも、上期と下期の損益の差が大きすぎるので、これは同様な減損及び特損などの、一括処理を行ったのではないか?と考えられます。
まぁこのへんは、有価証券報告書がでればわかることでしょうかね・・・
それにしても店舗の状況は厳しいですね・・・

アミューズメント機器販売事業について

ゲーセン経営者として、もうチョット気になるのがこちらのアミューズメント機器販売事業についてです。
施設事業はどちらかと言えば、過去の話でしたが、こちらは場合によっては、今後の新製品についての情報がわかったりするので、シッカリ目を通します。
まずは、売上の実績と計画を、前年と比較してみましょう。

上段が、2014年度版、下段が2015年度版です。

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これを見ていると、ゲーム機の販売も2015年かなり苦戦した事が伺えます。
例えば、ビデオゲームの計画は、241億円だったのが、実際には130億円の売上だった。
昨年度の、バンダイナムコのビデオゲームタイトルといえば、当然メインは「鉄拳7」でしたので、計画はもっと売れる事を見込んでいたんだろうな・・・
体感的には鉄拳TAG2の、半分位の席数になっているイメージがありますしね・・・

また、メダルゲームの売上も、55億円の計画が、16億円・・・
これは、大型マスメダル、「戦国無双メダル」の販売が実際には行われなかった事も影響していると思います。
1500万円のマスメダル機で、200台売れれば30億の売上なので、この分が発売延期に伴い売上減ということでしょう。
そして、今期のメダルゲームの売上は15億円計画なので、恐らく今年も発売はない・・・お蔵入りでしょうか・・・

と、ここまでは過去の話ですが、少し未来の内容を考えてみましょう。
チョットはっきりした区分がわからないのですが、ビデオゲーム及びその他の部分について考えてみます。
単位は億円です。

    ビデオゲーム 主な発売タイトル
2014年度 実績 185 ガンダムEXVS MBキット、湾岸MN5キット、マリオカートDX
2015年度 実績 130 鉄拳7
2016年度 計画 143 ガンダムEXVSキット?、湾岸MNキット?ポッ拳、シンクロニカ

上記の表にある通り、主な発売タイトルと売上を記入してみました。
注目点は、2014年度の実績と2016年度の計画について比較すると、売上185億円の実績から売上143億円の計画と大幅に減少しています。
2014年度は、過去のデータなので、私の記憶違いでなければ、ガンダムEXVSシリーズのバージョンアップと湾岸ミッドナイトシリーズのバージョンアップが行われました。
それに加えて、マリオカートDXの発売があり、この売上となったハズです。
今まで、ガンダムEXVSシリーズのバージョンアップと湾岸ミッドナイトシリーズのバージョンアップは2年に1回の周期で行われてきました。
この周期で考えると、今年度はバージョンアップキットが発売される年になります。

以上のことから推測すると、

・仮に上記2機種のバージョンアップキットが発売されると、さらなる新製品の発売は考えにくい
・マリオカートDXの売上がポッ拳とシンクロニカに置き換わって売上が40億近く減少するとは考えにくいので、仮に上記2機種のバージョンアップキットが発売されるとすると、前回よりも価格が下がる可能性がある

と推測しています。

いつもながら、勝手な推測なので、ハズレても責任は持てませんが、こんな風に考えると決算情報から色んな事が推測できます。
それにしても、今年から組織が変わるということで、来年以降もこんな風に資料が出てくるのか?が気になる所です・・・