ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

Blog
2015.05.07

プロゲーマーになりたい方へ。稼ぐならちゃんと戦略を練りましょう

本日で完全にGWも終了しました。
今日から仕事の方は結構多そうですね・・・
昨日から仕事という方も多くいらっしゃいましたが、ゲーセンとしては今日からまた平日が始まる感じです。
こういった長期休暇が終わると、メーカーの営業マンから、「休み中どうでした?」と電話がかかってくるのが、常ですが、「昨日の今日でわかるわけねーだろ!」といいながら雑談するのが、よくある光景です。

まぁ、明日が「DISSIDIA FINAL FANTASY」の注文の締め切り日なのもあって、様子を探るっているのもあると思いますが。

ゲーセン経営者が独自の視点で書く「DISSIDIA FINAL FANTASY」製品発表会レポート

プロゲーマーのどこに価値を見出すか?

GW中に見つけた記事の中で、秀逸なのが、こちらのレポートでした。

「World of Tanks」の世界大会「The Grand Finals 2015」。e-Sportsの新しいあり方さえ考えさせられた,意義深い戦いの模様をレポート

スゴく良い記事で、どんなゲームにも普遍的に起こり得る問題に対して、記述されています。
特にe-sportsやプロゲーマーに関する記述は秀逸なので、オススメなので気になる方は読んでみてください。
記事中にあるように、

「e-Sportsが“このようなものでなくてはならない”という定義はまだない」

という内容から、スタートしています。
このレポートは、「World of Tank」というPCゲームについての記事ですが、このタイトルに興味が無くても、理解はしやすいと思います。
確かに、e-Sportsが“このようなものでなくてはならない”という定義は定まっていません。
それはひいては、プロゲーマーという職業についても、同じように言えると思います。

この部分に、非常に面白い解決作を見つけているなぁ、と感心したのがこちら。

 きわめつけはゴールドリーグで,このリーグに所属するチームには,Wargamingから毎月給与が支払われるのだ(ほかのスポンサーからの給料を合わせてもらっても構わない)。支払いはチーム単位だが,例えば8人ほどのチームなら,毎月1500ドル~2000ドル程度になる見込みだ。
 Chuvalov氏は「安定した収入で,プロプレイヤーの不安を取り除きたい」と語っており,e-Sportsの世界にキャリアパスを構築しようという大胆な試みといえそうだ。

〜 中略 〜

 ちなみに,上記のような見込額はあるものの,給与は基本的に,そのチームがプロとして(一般プレイヤーに)どのようなコンテンツを提供できるかによって金額が決まるという。
 これは,かなり興味深い言葉だ。上記のとおり「The Grand Finals 2015」は,それぞれのチームの戦術理解度が問われる大会となった。ここに大きな差があると,個々の能力差など意味を成さなくなるほどだ。そして,プロとしてどのようなコンテンツを提供できるか,とは,「自分達が深めてきた戦術理解を,どれくらい一般に伝えられるか」と言い換えることが可能だろう。

これは、スゴく画期的なシステムで、「面白いなぁ」と感心しました。

一般プレイヤーに対しての貢献

例えば、もっとも日本で有名なプロゲーマーに「ウメハラ」さんがいます。
いろいろな所で活躍されていますが、もっとも有名な動画といえばこちら。

これを見るだけで、それこそ格ゲーをやった事のない人でも「なんと無くスゴイ!」というのはわかる動画になっています。
このプレイをいつでも再現できるかというと別の話なんですが、この動画を現時点の技術で実際にネット配信でみていたら、もっと盛り上がったと思いますし、なによりも、一般プレイヤーに「スゴイ!」とか「こんな事できるんか!」と思わせるだけでも、価値のある事です。
一つのタイトルで、このようなプレイを見せてくれる事も、一般プレイヤーへの貢献だと思います。
こんなプレイなんかは、貢献度かなり高いはずだから、給与換算したら相当な金額になりそう・・・

記事にあるように、「World of Tank」の場合は、戦術理解を一般プレイヤーに伝えられるか?という視点で考えています。
これは、動画のようなスーパープレイではなくとも、ゲームタイトルによっては、そうした理解度や戦術を浸透させ、一般プレイヤーの楽しさを引き出す事も、評価に価するという事になります。

こうしたトッププレイヤーの意見の取り込みは、今までも行われていました。
しかし、こちらのwikiにあるとおり、

後に、『ストリートファイター』シリーズを担当した小野義徳も「声が大きくて開発者側も意見を気持ちよく感じる熱心なファンを、ユーザー全ての感想と思い込んでしまっていた。それ以外の人にはまったく響いていないということには、4~5年前(2000年代半ば)まで気づかなかった」とこれを認めている

という、実際には、一般プレイヤーに対して貢献するどころか、その逆の事が起き、格闘ゲームの閉塞感につながっていると言われています。
強いもしくはコアなプレイヤーの意見を取り込んでいった結果、普通のユーザーがついていけなくなり、ユーザーが減り、それを挽回するために、更にコアなファンを満足させるための意見を取り入れて行く・・・というスパイラル。
「声の大きい人の意見は通りやすい」状態ですね・・・
現実社会でも似たような事例はあると思いますが・・・

プロゲーマーに求められる資質のハードルが上がる

こう考えると、トッププロに求められる素質とは、ある程度見えてくると思われます。
ゲームの腕前は当然の事として、一般プレイヤーに対して説明できるコミュニケーション能力や、チームを作り機能させる為の社交性も必要でしょうし、戦術や能力の理解を噛み砕く理解力、自分の意見にこだわるよりも広く意見を聞く姿勢なども必要となってくると思います。

「ゲームのプロって、ひたすらゲームやってうまくなりゃいいんでしょ?」

と思って、プロゲーマーの専門学校に通って、プロになって稼ごうという方!
ちゃんと、プロゲーマーに「何を求められているか?」を考えて行動しましょう・・・