ゲーセンが不振なのはわかるけどこういう書かれ方をするのはおかしいと思う話
すっかり8月になりました。
8月といえば夏休みですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
夏枯れという言葉がございますが、今年のゲーセンの夏は去年と異なり、新作が夏枯れです。
最近は、このニュースで話題になりましたけど、今年の夏が終わってないのに、来年の夏
以降(おそらく)発売のゲーム機のニュースが出るってどうなのよ?
【速報】FGOのアーケード版「Fate/Grand Order Arcade」が発表。セガ・インタラクティブが開発し,稼働時期は2018年の予定 https://t.co/01pwBesuXk pic.twitter.com/Jcq4P8T7GM
— 4Gamer (@4GamerNews) 2017年7月29日
去年、全国のゲーセンで大ブームを巻き起こした某ゲームに続くかどうか?
今から楽しみですね。
既に、「ゲーセンに入ったら課金する!」って発言をアチコチで聞きますが、その前にゲーセンがセガに課金(=ゲーム機を購入)しないと入荷できないので、助けてください(懇願)
ゲーセン業界分析記事
先月の話ですが、こんな記事がありました。
ゲーセン関係者から見ると、全体的な論調は「あるある」って感じで、第三者からみてよくまとめたなー、という印象ががあります。
ただ、各種資料を見てると、
これっどうなん?
という部分が散見されるので、ちょっと突っ込んでみます。
勝手に貼ったら怒られるかもしれないですけど、
国内のゲーム市場の構成比ということで、筆者作成とかいてあります。
その金額、1兆3801億ということで、なかなかの規模でございます。
これだけみると、
・国内のゲームってアプリが70%で、家庭用が25%で残りは5%くらいなんだね
という結論がわかります。
ということは、
「ゲーセンは残りの5%の中に入ってるんだね!」
と思われても仕方ないですね。
ということはゲーセンの市場規模は、最大でも 1兆3801億 × 5% で 690億円程度ということがわかります。
ただ、その後に続く資料をみると、
どうみても3000億は、オペレーション売上高(ゲーセンの売上)だけであります。
どういうことやねん・・・
最初の国内のゲーム市場って言葉がザックリしすぎて、そもそも意味がわからない、ですが、仮にゲーム機の販売額実績だとしても、ゲーム機の機器販売額だけでも、どう見ても1000億円を越えております。
市場規模とか売上とか何を基準に語ってるんですかね?
わかりやすく比較してほしい
そして、これは一般の方に誤解をまねくだろうなーと危惧するのがコチラ。
言いたいことは理解できるんですが、消費税と通信費で利益が減ってるよーって言いたいんでしょ?
同じような事は私も書いてますからね・・・
ゲームセンター閉店の一因かもしれないもの?ネットワーク課金の功罪
ただ、それにしてもこのグラフはヒドイと思い、例えば、ワンプレイ課金30円のゲーム(格闘ゲームなど)で私も同じグラフを作ってみました。
せいぜいこのように並べて比較しないと、本当の現状は伝わらないですよね。
そもそも、一般の方がみて、50円1クレと100円2クレを混同するようなグラフを並べて比較すること自体おかしな話。
正直、結論はそんなに変わらないんです。
ここから導かれる事は、低単価営業は厳しい=小規模ゲームセンター(昔ながらの50円1クレ営業)は難しいとか、通信費と消費税が利益を圧迫している、とか業界的には月並みな話。
業界人向けに書いた記事なら、スグにわかるんですけど、一般の方に向けて書いて、業界人的には
それはないだろう・・・
と思わせるようなグラフなので、ちょっと業界人として納得できないです。
先程引用した、自分のエントリーでも書いてるんですが、ネットワーク課金自体は、悪い部分だけがあるわけではないのです。
長期的に安定的にバージョンアップ費用を捻出できるとか、イニシャルコストを低く抑えられるとか、ゲーセンの事情に合わせて課金形態を選択できるなどの、「良い面」もあるわけで、それは業界全体の努力でもあると考えています。
そういった意味でも、誤解を招くようなグラフってのは余りいい思いはしないです。
業界分析ってわりには、雑すぎませんかね?
結論には異論はありません
とはいうものの、そんな部分は細かい話で、結論としては、良いことが書いてあります。
一方で、ゲームセンター市場の全盛期を支えてきた小規模ゲームセンターの立ち位置はどうか。
1つの活路としては、ユーザーが主体性を発揮する場として特化することがあるだろう。
小規模であることから、来店ユーザーが限定的であり、ユーザー同士の関係性が近くなる。そこから、ユーザー同士が実際に会話をするかは別として、自然と特定のゲームセンターへの所属意識が強くなり、濃いコミュニティが形成される。
そして、店舗側ではなく、ユーザー自身が、自分たちの求める空間を作り出す。これこそ小規模な店舗ならではの世界観といえるだろう。
我々のような中小企業としては、この意見に「なるほど」と思うわけで、共創とかお店のファンになってもらうとかそういったイメージがスグに浮かびます。
現在、生き残っている中小店舗の場合は、こうした独自性やアツいユーザーが多い店舗がほとんどだと思いますが、より厳しくなる環境の中で、良い部分をより強固にしていかないと、大手の競争に巻き込まれるなーと日々痛感しています。
ビジネス的な課題は多く、時代に適応した結果消えてしまうものも少なくない。それでも何らかの形でゲームセンターを楽しむ世界が今後もあり続けることが筆者の願いである。
というわけで、筆者の方には、今後もゲーセンに遊びに来ていただきたいと願うばかりです(笑)