ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

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2017.02.09

風営法があるからこそゲーセンはイノベーションを生む?

何度も、ブログにも書いていますが、ゲーセンという業態は、風営法(正しくは、風適法)の規制を受けて営業している事がほとんどです。
一部例外もあることは、こちらにも書きました。

(追記あり)24時間営業できるゲーセンとそうでないゲーセンの違いをまとめてみた

ゲーセン毎にな「営業時間が異なるのはなんで?」と思っている方は、読んでもらえればよく分かると思います。

法に明文化されていない部分はグレー

はてな

どんな法律でも同じくですが、法律というのが、人間の作成したもので、全ての事情に対して明文化されているわけではありません。
あくまでも大枠を決めるもので、その解釈や運用に関しては、行政や司法が判断することになるのが一般的です。
風営法でも、大まかな部分は法律で決まっていて、実際の細かい部分は条例で決めて!みたいな部分も多いです。
愛知県と、静岡県で営業時間などに関するルールが異なるのも、こういった事情によります。

さらにゲーセンの場合でいえば、既に世の中にゲームセンターという業態が存在しており、その後風営法の規制に入ったため、細かい部分で「これはどうなんだ?」「あれはどうなんだ?」みたいな喧々諤々があった事が、法律の条文からうかがえます。
もぐらたたきとかシュミレーションゲームに関しては推移を見守る、という文章などに、その時代の業界関係者の努力の跡がみられます。
かなり抵抗したんでしょうね・・・

こうした面をみると、全ての事象に法律をあてはめるということの難しさや、グレーな部分の存在どうしてもでてきてしまうという事を再認識させられます。

そんな中本日は、面白い記事がありました。

まったく、ゲームとは関係ない記事なんですが、「「風営法の規制業種」にとっては、同じだよなぁ」と思いました。

技術革新でグレーな部分は増える

例えば、こんな条文がゲーセン関連であります。

遊技料金として紙幣を挿入することができる装置を有する遊技設備又は客に現金若しくは有価証券を提供するための装置を有する遊技設備を設けないこと。

紙幣を挿入するゲーム機は設置してはいけないという事です。
例えば、このルールに関して考えて見た時に、現状のゲームセンターはどんな状態か?という事を見てみます。

最近のゲーセンでメダルゲームをよくプレイする方ならご存知でしょうが、メダルゲームは最近は、大量BET大量消費というのが主流になっていて、1ゲームで何万枚もメダルを使用する方がいます。
こうした方にとっては、「メダルをゲーム機に投入する」という行為自体が面倒なので、メダルバンク等の預かりシステムから直接転送する機能(データのやり取りだけする)が、最近は一般的です。
そして、メダルゲームは始める時にメダルを借りなければなりません。
その際にも、何万枚とメダルを使用したい方の場合、メダル貸機からメダルを払い出して、それを預かりシステムに入れるのが面倒な方向けに、貸機から、コレもデータ転送で預かりシステムに入れる事が出来る機能があります。

簡単に図解するとこんなイメージ。

スクリーンショット 2017-02-07 16.56.25

実際には、それぞれの機器で操作が必要なので、一気に処理ができるわけではないのですが、実質的には、紙幣を投入してゲームを遊んでいる事に変わりはないと思うわけです。

他にも、いろいろとイノベーションと呼べる機種はあるわけで、メーカーの開発と法務がバチバチにやりあって、新しい仕組みが出来るというのもよく聞く話です。

ゲーセン運営でもイノベーションが生まれるか?

翻って、我がゲーセン運営のオペレーター側ですが、流石に、イノベーションといえるほどの手法は生まれていません。
と言いたいところですが、よくよく歴史を振り返ってみれば、業界最大手のラウンドワンさんなんかは、業界としては、古参とはいえずどちらかといえば、まだ新しい企業さんですから、こうした業態自体がイノベーションだったといえます。

そして、それ以来、イノベーションと呼べるような新しい運営が生まれていないともいえます。
許可申請が必要な業種だと、法律の意義や目的を唱えて、法解釈で行政と争うというのは、なかなか勇気のいることですから、そのあたりは仕方ないのかもしれません。

ただ、引用した記事にあるように、

新たな事業が法律の目的や理念、趣旨に沿うかどうかを経営層が自ら判断して、リスクを取っているという。リスクを取らなければ、リターンも得られない。

というのは、改めて考えさせられる文章でした。
なんか考えるかなー。