ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

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2016.10.16

娯楽を強要される事ほど、「うざい」ことは無いと思う

「可処分時間」って言葉があります。

日本人の平均余暇時間は1日わずか2.6時間 ソーシャルゲームだけが売上を伸ばす理由とマーケティングの勘所 | アニメゲームマンガ専門 ラクジョブ新聞

どんな人間でも、1日が24時間なのは、平等です。
その中から、まず生きるために必要な睡眠や食事の時間を確保し、次に仕事や学校などの時間を確保し、最後に差し引いて残った時間が「余暇時間」となります。
上記記事では、その「余暇時間」を「可処分時間」とよび、それが平均的な日本人だと2.6時間しかなくて、その僅かな時間を実に様々なエンタメや娯楽が奪い合っているのが現状です。
学生時代は、寝ずにゲームとかで遊べても、社会人になると「明日仕事だから寝るか」みたいに、可処分時間自体が短くなる場合もあるし、平均的な日本人だと、一日に映画一本みれば、全ての可処分時間を使用してしまうわけで、それ以外のエンタメが入り込む時間は必然的に少なくなってしまいます。

この可処分時間を、テレビ、音楽、映画、書籍、ゲーム、旅行、スポーツなどありとあらゆる娯楽が奪い合っているのが今の世の中です。

全ての娯楽が同じ土俵で闘う

我がゲーセン業界も、当然同じ土俵で戦っているわけで、そもそも、ゲーセンの場合はそれに加えて、「ゲーセンまで移動する」というさらなる時間を消費して、公衆の面前でゲームをする事が、スマホゲームや家庭用ゲームと大きく異るところで、不利だともいえるし、有利だともいえるわけです。

ゲーセンにおけるコミュニティについて考える、その功罪

それに対して、スマホというのは、まとまった可処分時間ではなく、細切れの時間に入り込んでくることができるデバイスです。
1分〜2分で十分遊べるスマホゲームと、家庭用で何十時間とプレイしないとクリアできないゲームでは、大きく異なり、当然スマホゲームは細切れの時間に入り込んで遊べるから、そのお手軽さが受けて実に多彩なユーザーにアプローチできています。

straight_neck_smartphone

そんなスマホ絡みで、こんな話題がでていました。

コミックビームが「緊急事態」宣言 漫画雑誌はこの先生きのこれるのか (ねとらぼ) – Yahoo!ニュース

全ての発現が微妙すぎて、これって逆にこの雑誌売れなくなるんじゃないの?って思うんですけど・・・

娯楽を強要される事はツライ

まず、ゲーセン経営者として言わせてもらえれば、

雑誌ってのは出会いの場だと思ってるんです。ビームが絵柄も話もバラバラな作品を一緒に載せてるのはそのためで、例えばある作品が目当てで雑誌買ったら、それ以外の作品も読むじゃないですか。そこから自分が知らなかった作品に出会って、世界が広がっていく。単行本がメインになったら、みんな自分の好きな傾向のモノに縛られちゃってそこから広がらなくなるよ。雑誌ってのはそれを広げていく役割が本来あるはずで、そういうのがないと、漫画読みの修行としては非常に偏ったモンになるんじゃなかろうかなと……まあそんな修行なんてしなくたっていいんだけど。

これって、気持ちはわかるんですけど、今現在「絶対無理」だと思っています。
ゲーセンでも同じことを言い換えてみましょう。

家庭用ゲームやスマホゲームをプレイしても、それ以外のゲームにゲーセンなら出会えるし、そこから世界が広がっていくよ!好きなゲームばっかりやってたら好きな傾向のゲームに縛られちゃってそこから広がらないよ!

って言っています。
もうツッコミどころ満載なんですけど・・・

私自身の感覚で言わせてもらえば、そうした「未知との出会い」に対して、事業者は機会を出来る限り提供するべきだが、強要すべきではないと考えています。
平たく言えば、「遊びに来てそんな説教じみたこと聞きたくない」んですよね。
お客さんが自然と目に触れるように最大限努力はすべきだし、ラインナップも拡充すべきですが、強制したらお客さんは嫌がると思うんだけど。
遊びに来ているのに、そうした「強要」を見せられるのは、とってもツライことだと思うんですけどねぇ・・・

そう、なんかの先輩とかさ。「お前こんなのも知らねえの? うわあコレ知らねえ奴とオレは話してたのかよ~!」みたいなのがいっぱいいたんだ。で、後から後から「ロックってのはよぉ」とか「漫画、大友(克洋)読んでる? 読んでねえ? あーまた出た、1冊貸してやっからよ、読んでみろよお前、な?」とか。そういうおせっかいな兄貴がいっぱいいてさ、若いやつを見ると髪の毛をつかんで引きずっていってさ、「コレでも見ろオラァ!」って見せるんだよ。

こういうのって、ゲーマー気質からみると、「最も嫌われるパターン」だと思うのは、私だけでしょうか・・・