ゲーセンにおけるコミュニティについて考える、その功罪
コミュニティという言葉があります。
Wikipediaには2種類の意味が乗っていますが、今回は「ゲマインシャフト」の方のお話です。
ゲマインシャフト(ドイツ語:Gemeinschaft):ドイツ語で「共同体」を意味する語に由来。地縁、血縁、友情などにより自然発生した有機的な社会集団のこと。共同体組織[1]。共同社会。ドイツの社会学者、フェルディナント・テンニースが、ゲゼルシャフト(ドイツ語:Gesellschaft、機能体組織[1]、利益社会)の対概念として提唱したもの。近代以降の社会や組織の性格を考える上で広く受け容れられている。
なんだか難しい説明ですが、ざっくり説明すると、横のつながりと言うか同じ趣味や志向を持つ人間あつまりといえます。
ゲーム界隈に限らずですが、昨今はコミュニティの存在が、ビジネスにとっても重要な存在となっております。
特にゲームやスポーツなどの趣味の場合、コミュニティがあって、同じ趣味について話題を共有したり、体験を共有したりというのは大きな価値を持つわけです。
コミュニティは大事だし重要
ゲーセン界隈でも同じ事がいえ、ユーザー目線でこんなことをアツく語る方もいらっしゃいます。
この配置、アリですねっ( ・ω・ ) | ゲーセン女子 -Game Center Girl-
以前も紹介した、ゲーセン女子さんのページからですが、引用してみると、
2016年における「ゲーセンさんのウデの見せ所」
のひとつは
”どんなコミュニティにするか?”
٩( ‘ω’ )و
交通が発達してどこでも行きやすいし
プレイ動画もネットで見られる今、
店舗の大きさやお金、店員さんの特徴など含めて
・どんなゲームをそろえて
・どんな配置にして
・どんなイベントをやって
・結果どんなコミュニケーションをユーザーととって、
で、
「ゲームは同じ、でも
そのゲームを一緒にプレイする
仲間(コミュニティ)がお店によって違う」
のが、わたしたちの楽しみのひとつ♡
ゲーセンに存在するコミュニティに価値があるというお話で、ユーザーさんにとって、こうしたコミュニティがあるのが楽しみの1つという事を仰っております。
ゲーセン側としては、2016年にかぎらず、様々なお店がこうしたコミュニティ作りにチャレンジしています。
単純に考えて、
1人ではなく複数人で来店する可能性が増える
わけですから、こうしたコミュニティ形成に力を入れるゲーセンがあるのは当然ともいえます。
特に最近は高齢の方むけのコミュニティ形成にも力を入れるところもあります。
平日の昼間に「ゲーセン老人」が急増中! 団塊世代の社交場であり「ボケ防止」にも|健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレス/HEALTH PRESS
コミュニティは「万能」なのか?
では、こうしたコミュニティの存在は全てにおいて「万能」なのか?という話を考えてみます。
先ほど述べたように、コミュニティの存在自体は決してマイナスではないというメリットは、幾つかあります。
しかし、コミュニティの持つ問題点というのも実際に、お店を運営すると幾つか出てきたりするんですよね・・・
コミュニティはオープンか?
お店を運営していて、問題になるのは、大体これです(笑)
コミュニティというのは、その存在自体が人間の集団で、Wikipediaの説明のとおり、ある程度共通点や同じ考え方を持っています。
こうした部分を共有できない人とは、つながりが出来ないので、そこまでは良いのですが、深く共有し過ぎた為に、
他者を受け入れない
コミュニティになることは、しばしばあります。
特に、マニアックであればあるほどこの傾向は強いです。
で、受け入れないだけなら、まだ良いのですが、場合によっては、
他者を攻撃する
事もあります。
こうなると、お店にとっては、痛し痒しで、複数人数で来店してくれる良いお客さんなんですが、他のお客さんに迷惑になってしまうことがあります。
難しいですねぇ。
会社でもなんでも派閥が出来たりしますが、やっぱり店内でもお客さん同士でこうした「派閥争い」的な者が発生したりします。
先に紹介した、ゲーセン女子の記事ではこう書かれています。
「どんな配置かなー」とか
「どんなプレイヤーさんたちかなー」とか
そういうのをゲーセンめぐりの楽しみのひとつに
していたりします(≧ω≦)
そしてもしその店舗のプレイヤーさんと交流ができたら
すっごく楽しかったり(*’∀’人)♥*+
(もちろんたたかれることもありますが(笑))
こうした、オープンなメンタルを持つ人って基本ゲーセンには少ない気がします(笑)
コミュニティに属すことを好まない人
もう一つ、個人的に考えている事がありますし、自分自身もそうなりがちですが、
コミュニティに属すよりも1人で遊びたい人
というプレイヤーも一定数存在すると思います。
(私自身もどちらかといえばそう)
特にゲーセンというのは、スポーツやその他の娯楽と異なり、1人で遊びに来ることが可能な場所です。
こうした場所にコミュニティを求めてくる人は、案外少ないのかな?と思ったりします。
ゲーセン自身がコミュニティを形成しようと努力することはモチロン正しいし、良いことだと思うのですが、その一方で従来の1人で遊びたいプレイヤーも大事にする事も重要じゃないか?と考えます。
あまりコミュニティに対して過敏になるのも、良くないのかも。
(ボッチの強がり!とかいうツッコミもありますが(笑))
ゲーセンはオープンであるべき
最初に述べましたが、ゲーセンがコミュニティ形成を促進したり、活発な活動を行ったりという事自体は全くおかしくありませんし、正しい事だと思います。
ただ、その一方で、コミュニティに属さずに遊びたいプレイヤーもいます。
その両者に対して、
ゲーセンという場は常にオープンであるべき
だと、個人的に考えています。
コミュニティ形成に力を入れすぎて、度を越したサービスを展開したり、他のお客さんを排除したりということは有ってはならない事だし、その逆にコミュニティが活発になるようなイベントやコミュニケーションを全くしないのも、どうかと思います。
突き詰めるとこの2点はお互い相反することなので、完全解決は出来ないもののバランスを取った店舗運営を行うべきだと改めて感じる次第です。