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2016.10.04

戦国大戦サービス終了宣言!フラットリーダーの老朽化問題の本質はコストにあり

体が老朽化(高齢化)すると共に、回復の遅さや体力の減少を感じます。
最近、異様に暑かったり寒かったりして、体調不良です。

私の身体の事はおいておいて、老朽化問題が表面化したゲームがこちらのタイトル。

『戦国大戦 1477-1615 日ノ本 一統への軍記』公式サイト

どうやら、サービスが終了となるようです。
いつかはわかりませんが、三国志大戦の新筐体が稼働することがわかっている時点で、時間の問題であったと考えられます。
ユーザーには申し訳ありませんが、実際に現在の戦国大戦は、撤去の相次いているゲーム機ですからねー。
中古市場では、まさに「投げ売り」という価格で推移しております。
マジで個人ユーザーでも余裕で購入可能な金額なので、興味ある方は中古業者を探してみるのも手かもしれません。

ユーザー移行はバッサリと

三国志大戦の新作が発表になった時点で、書いたのがこちら。

【JAEPO2016】三国志大戦4正式発表!最大の敵は身内にあり!

自分の書いた文章から引用すれば、今回は、

1.前作は直ぐに打ち切り、新作に移行してもらう

という手法になりました。
前作の三国志大戦と戦国大戦はかなり長い期間併存していましたが、「三国志大戦を存続させたのは失敗ではないのか?」と何回か話をしたのを覚えています。
実際に、様々なタイトルで同じような手法がありましたが、LOVシリーズなんかが新筐体化に成功しているので、問題ないと判断したのだと思います。
個人的には、完全移行の方が、純粋に戦国大戦のみプレーするユーザーを切り捨てるカタチになりますが、その先につながると思うので、賛成です。
まぁ、初動のインカムが良ければ、「やってよかった」、悪ければ「なんで無くしたんだ!」となるのが、世の中なので、全ては売上次第といったところでしょうか・・・

筐体の維持の難しさを経営者が語る

ニコ生を直接みたわけではないので、合っているかどうかわかりませんけど、とりあえずこちらのサイトから引用すれば、

様々な事情がございますが一番の大きな理由としましては、筐体になります
このゲームの肝と言える、タッチアクション、フラットリーダーのタッチセンサー部分の老朽化が見受けられるようになってきました。
快適でフェアな対戦環境を整えるには不可欠である、こちらの部材の改良生産と供給には、設置店舗の皆様に多大なご負担を強いることから、現在の状況ではこれ以上のバージョンアップは厳しいと判断いたしました。

とプロデューサー御自ら発言されております。

この部分には、大いに納得できる部分とできない部分が混じり合っており、私から見ると「まぁそうかもね」位の感覚です。
では、タッチセンサーフラットリーダー(以下、フラットリーダーと呼びます)の問題点について語ってみます。

筐体が等しく老朽化していることは有り得ない

まず、フラットリーダーの老朽化が見受けられるという発言ですが、これははっきり言って「正確な表現でない」と思います。
というのは、店舗によって、メンテンナンスに対する考えは大きく異るからです。
全ての店舗で最初から同じものをずっと使用していれば、全て同じく老朽化するのは当然ですが、そもそも、ユーザーにとってより良い環境を整える店であれば、このフラットリーダーは結構な頻度で交換しているハズの部材です。
というのも、大きなガラス板1枚の中にセンサーが内蔵されている構造上、使用している内にリーダー内部でガラスの歪曲などが発生した場合、

センサーに不具合の生じる可能性は極めて高い

からです。
特に、プレイヤーによっては、「叩いてない?」というほど強くタッチするプレイヤーもいるので当然です。

ゲーム 叩く 筐体

プレイしない方に、簡単に説明すると、

戦国大戦のフラットリーダーは仕組み上、とっても不具合がでやすい(WCCFやLOVと異なり)

ものだとご理解ください。

そうでなくても、6年も稼働していて、「タッチセンサー?1度も変えたこと無いよ?」というお店と、「何回交換したかわからんわ!」ってお店だと老朽化に差があるのは当然です。
したがって、全ての筐体が等しく老朽化しているような事は有り得ないと理解しています。
そういう意味で、筐体(フラットリーダー)を原因として、一律にサービスを終了する要因とするのは、違和感があります。

老朽化しているなら替えればいい

そして、話のわかる方であれば、

老朽化しているなら、そのフラットリーダーだけ交換すればいいんじゃん?

と思うと思います。
間違いない、その通りです。
ただ、そこには、コストの問題がのしかかって来るわけです。

このフラットリーダーですが、先程述べた通り、ガラス板の内側にセンサーを内蔵しているだけあって、基本的に修理が効かないという話で稼働しております。
修理が効かないということは、壊れたら新品を購入し、交換するわけですが、そのお値段、約17万円です。
ということは、基本4サテライトが基準なので、仮にバージョンアップで4枚全部入れ替えたとすれば、約70万近くコストが跳ね上がります
この部分を考えて、

こちらの部材の改良生産と供給には、設置店舗の皆様に多大なご負担を強いる

という話につながるわけです。
ただ、最近はセガの頑張りもあって、修理対応が可能になったこともあり、13万円程度で修理も可能なようですが、どちらにしろ大きな出費であることに違いはありません。
(いつの間にかフラットリーダーがバージョン2になって、明らかに耐久性がアップして、修理可能になったって事は、バージョン1のフラットリーダーって設計不良の可能性があると今でも信じているのは、私だけ?)

問題はコストと回収のバランス

上記の内容を踏まえて、「それじゃあ、仕方ないね」というかと思うとそうではありません。
負担を強いるというのは、言葉としては間違いではないのですが、我々ゲーセンサイドから見ると、それは「投資」であると考える事ができます。

要は、フラットリーダーを交換し、故障や破損などのリスクを考慮した上で、戦国大戦というゲーム機を稼働させるに値する売上は上がらない

という宣言だと思うんですよ。
本当に価値のある、パーツ交換であれば、それは投資であり、どのゲーセンも文句は言うかもしれないけど、しっかり取り組むんですよね。
例えば、beatmaniaⅡDXのモニター交換とか、戦場の絆のプロジェクター交換だとかも、かなりの費用がかかりましたが、それにより、売上が見込めるものであれば、ゲーセンもある程度は理解して投資します。
それに対して、正直現在の戦国大戦の売上では、フラットリーダーを交換して、今後も故障するたびに10万円以上の出費が必要な状態だと、投資としては非常に厳しい案件となります。
メーカーも同じで、そもそも老朽化すればするほど、特殊な部材というのはメンテナンスが難しくなるので、今は13万円で修理が可能ですが、コストが合わなくなる可能性は十分にあります。
(すでに合ってないという可能性もあるかもしれません)
そういった意味で、戦国大戦のサービス終了は、コストと売上がタイトル全体で見合わなくなったという判断だと、個人的には考えています。
当然、それを踏まえて、三国志大戦の開発に踏み切っていると思いますけどね。