高額賞金のゲーム大会が開催されない理由:儲からないから
徐々にではありますが、日本国内でもゲーム大会に賞金が付与されるケースが増えてきています。
春に書いたエントリーですが、
ゲーセンでも「賞金付ゲーム大会」が開催できる日はくるか?世の中は少しずつ変わってます
アーケード以外のゲームでも、
「闘会議2016」の発表会が開催。賞金・賞品総額1億円超のゲーム大会「闘会議GP」など,の企画内容が明らかに – 4Gamer.net
1億ですって。
ゲームのタイトルの数が多いので、1つのゲームに対する賞金はもっと少額になると思いますが、それにしても、大きな金額ですね。
海外だと、もっと1つのゲームに対して、もっと大きな金額の賞金が付与されるケースも多々有ります。
真性引き篭もり: なぜdota2大会の賞金は22億円で、LoL大会の賞金は僅かに2億6300万円なのか。
22億とか、宝くじより金額大きいもんな・・・
では、なぜ日本では、こうした大きな金額を付与するようなゲームの大会が開催されないのか?という問題が出てきます。
法律による制限
まずは、法律による制限です。
日本で高額賞金のかけられたゲーム大会が開催されないのはどうしてなのか?法的観点から考えてみる|Gamer
法律に関しては、上記エントリーに詳しく書いてあります。
主に、賭博法と風営法の制限について触れられています。
ただ、結論としては、
大会参加者からお金をとらず、ゲームセンター等を営む者以外の者を大会主催者とすることによって賞金付きのゲーム大会が開催できることが分かりました。
という事で、法律的に「不可能ではない」というのが基本的な結論です。
ただ、
結論からいってしまうと、高額賞金を提供してくれるスポンサーが少ないということだと思います。
これは、日本でも高額賞金がかけられているゴルフ大会と比較してみれば分かりやすいかもしれません。ゴルフが、多くの人に楽しまれ、テレビ中継もされ、スポンサー企業において広告効果が期待できるのに対し、海外のようにゲームがeスポーツとして認知されているとはいえない状況で、ゲーム大会の動画中継も限られた人間にしか視聴されておらず、広告効果が期待できないということです。
という、スポンサーが高額賞金を提供する「費用対効果」が得られないというのが、大きな問題となっているようです。
競技人口や、競技のイメージ、視聴者の数などがまだまだ発展段階なので、この辺りは、良いゲームと時間が解決する問題かな?
日本国内で費用対効果が得られる存在
先ほど引用の中で挙げられた、「ゴルフ」の例だと、例えば、「セガサミー」が「セガサミーカップ」を開催したとして、観客がパチンコ台を購入するわけでも、ゲームを購入するわけでも、ありません。
直接セガサミーの商品には影響しないけども、会社としての認知度を向上させるという意図があるわけです。(オーナーの趣味とかそういった要因は除いて)
それは、プレイヤーや競技人口、視聴者が多いから成り立つというわけです。
この点において、まだまだゲーム大会というのは、日本国内では、ゲーム関連業を営む者以外からの注目をあつめる事は少ないです。
従って、基本的に
「ゲームの開発、運営を行う企業が、運営手段の一環として行う」
ケースがほとんどです。
ですので、高額な賞金が賭けられないというカタチになっています。
この辺りは、こちらのエントリーの、
eSports を今後5年で利益が出る事業に変えようとしても、「収支トントン」がいいところだろう。だが、リテンションマーケティングと捉えれば、見通しはグッと良くなってくる。eSports 要素を備えたゲームには、ブランドや各種権利が1,000億円規模に及ぶものもあるからだ。そういった規模のブランドであれば、ゲームかどうかに関係なく、おおむね売上の10%がマーケティング予算にあてられる。
「リテンションマーケティング」という言葉に表現されている通りです。
この辺りは、規模の大小とわず日本でも海外でも同じなんですね・・・
「誰もが儲かる」にはまだ遠い
先のゴルフの例も上げつつ考えるのであれば、主要な主体は4つです。
・スポンサー
・主催者
・プレイヤー(選手の意味)
・観客
この主体がそれぞれに満足(=儲かる)仕組みを徐々に整えていく段階にいると思いますが、この3者の誰も得しないと「止めてしまえ」となるわけです。
先ほどの「リテンションマーケティング」でいえば、プレイヤーと観客は満足し、主催者は「収支トントン」といった状況止まりです。
この先に進むには、徐々に主体全員が満足(儲かる)方向へ変えて行く事ですね。
競技人口やプレイヤーの増加とか、ゲーム自体の開発などもありますが、最大の壁は
・他業種(ゲーム関連以外)のスポンサー発掘
でしょうね・・・
引用した記事でも、
地元での売上も大きな問題だ。eSports はオンラインゆえに国境をいとも簡単に越えてしまうため、「地元チーム」が生まれにくい。その結果、プロスポーツにとって必要不可欠である地元での売上も生まれにくくなっている
スポーツだったら、「地元チーム」イメージでの小規模(地元スポンサー)もついたりしますし、こうした存在は業種よりも、「地元」というキーワードで結ばれやすいですが、オンラインだと、地元もクソもないですもんね・・・
そういった意味では、こうした取組に少し光明があるかも?
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