アミューズメント型福祉施設が規制される?娯楽とギャンブルの境界線はどこにある?
日本は現在高齢化社会で、高齢者が増えており、福祉施設も増えております。
コチラのページに詳しくのっていますが、総人口が徐々に低下して、高齢者の割合が増えるという予測がされています。
中にあるデータで、グラフを作るとこんな感じ。
そうした背景もあり、世の中には福祉施設が増えています。
気づいたらアチコチに建設されているので、ビックリですがそれだけ利用者が多いって事の裏返しなんでしょう。
コチラのページにグラフがあったので、転載。
平成19年時点でこれだけ増えているんだから、今はもっと増えてるはず。
で、施設の数が増えているのは、利用者が増えている事の裏返しでもあると思うのですが、よくよく福祉施設関係の方から話を聞くと、実際には利用者の奪い合いの面もあるというお話も聞きました。
そうなると、実際には、福祉施設毎にどうやって「差別化」を行うか?と言う事が、今は施設運営者側の課題だそうです。
ゲームも福祉に役に立つ・・・はずだった
そんな運営者さんの要望もあり、弊社でも以前ご紹介した取り組みがあります。
ゲームセンターで使用したゲームを福祉施設に設置して役立てよう!という事で、設置させていただきました。
その後も堅調に利用して頂いているようで、ホッとしております。
ただ、このような簡単な取り組み以外にも、こんな施設もあるようです。
他にも、パチンコメーカーが福祉向けの専用機器を開発したり、
と、こんな風に、福祉向けのレクリエーション界隈は盛り上がっております。
ただ、そんな盛り上がりに水を差す出来事が有ったんですがご存知でしょうか?
「アミューズ型デイ」、一部を規制へ- 神戸市、自治体で初 | 医療介護CBニュース
うーん、起こるべくして起きた問題といえると思います。
ゲーセンが風営法の対象になったのも同じ理由ですからね・・・
ギャンブルと遊びの境界線をどう判断するのか?
この記事を読む限りでは、規制の対象は2点あります。
このうち「日常生活を著しく逸脱して遊技を行わせる」について神戸市は、「一日のほとんどをマージャンやゲームなどの遊技に費やしているような例」(高齢福祉部介護指導課)を想定。また、疑似通貨については、「パチンコやマージャンなどとの遊技と疑似通貨を組み合わせ、射幸心を著しくそそっているものを想定している。買い物リハビリなどに活用する場合などは対象としない」(同課)とし、疑似通貨そのものは規制しない方針だ。
のめり込むもしくは、それ以外無いような状況になっている場合はダメという事と、射倖心を著しくそそる=ギャンブル性の高い遊技はダメという2つの面で規制をしています。
最初の「一日のほとんどをマージャンやゲームなどの遊技に費やしているような例」ですが、これは簡単です。
例えば、今まで雀荘として営業していたお店が、アミューズメント型デイサービスと称して営業した場合は、これに当たるのだと思います。
そんな極端な例で申請が通るとは思えませんが、実際にこうして規制をするとなると、それに近い運営をしている施設があるもしくはあったのだと思われます。
ただ、もう一つの、「パチンコやマージャンなどとの遊技と疑似通貨を組み合わせ、射幸心を著しくそそっているもの」というのは判断が難しい所。
パチンコであれば、機械の仕様が厳密に決まっているので、それを逸脱することは許されないですから、その基準は明確です。
また、ゲーセンであれば、疑似通貨(メダル)というものはありますが、疑似通貨は経済的価値を持たない=換金や金品と交換できない、と明確になっています。
「射倖心を著しくそそる」という基準が、この様にハッキリしていれば運営者もそれを参考に運営が可能と思いますが、こうした基準がないと曖昧な判断となりがちで、問題も起きやすいと思われます。
もっとハッキリいえば、射倖心を著しくそそるかどうかなんて主観による判断も大きいと思います。
それを、神戸市はどうやって判断していくのか?という部分に、非常に興味があります。
極端な事例がルールを生み出す
ただ、こうして行政が動き出す場合は、往々にして、問題のある現場があった時が多いので、通常の感覚から逸脱する状態の福祉施設があったんじゃないか?と推測しております。
業界の長老に話をきいても、ゲーセンでも同じような問題が起きた時に、やはり「問題のある営業形態のゲーセンがあって」それに対処するために、風営法の規制対象となった経緯があるそうですので、同様だと思われます。
いつの時代も、ごく一部の極端な事例が厳しいルールになってしまうんですね・・・