「鉄拳7」でゲーセンが活性化?地方のゲーセンの現場から語ってみる
最近は、ゲーセンに関してなにかと良い話題がなくて、ブログを書こうとしてもマイナスな話題ばかりで、困ってます。
そんな中、スゴく良い記事を発見しました。
“椿姫彩菜のゲームの話”第20回バンダイナムコエンターテインメント原田勝弘氏その3 『鉄拳7』でゲーセンが活性化!(2/2) – ファミ通.com
鉄拳7が好調で、地方のゲーセンによっては、かなり活性化している店舗もある、という話です。
いいですね。
都心や都会でないゲーセンの経営者から、この事について語ってみようと思います。
地方のゲーセンってどんな感じなの?
このブログを読んでくれている、奇特な方は概ね都市部に集中しております。
都内や、大阪、あとは、愛知の店舗が多いので、名古屋や愛知近郊の方に良く読んでいただいております。
蛇足ですが、こういうことがわかるGoogle Analyticsってスゴイよなー。
ドメインとかわかっちゃうもんね・・・
それはさておき、ゲーセンというのは、現在概ね3つのスタイルに分かれると思います。
それは、
・何でもある大型店舗
・都市型小型店舗
・ショッピングセンター内店舗
という3つのスタイルに分かれると思います。
今回は、鉄拳7というビデオゲームに関する話題なので、ショッピングセンター店舗については除いて考えます。
そして、地方というキーワードで考えると、地方には都市はない(都市がないから地方という)ので、地方にあるゲームセンターというのは、ほとんどが、「何でもある大型店舗」というカタチになります。
昔は地方都市にも都市型小型店舗は数多く存在していました。
地方といっても、交通のハブとなる大きめな駅の近くには、小型のゲーセンがいくつか存在していて、そこで対戦格闘ゲームが流行していたというのは、まさにハイスコアガールの世界ですが、確実に存在しました。
これが、まさに最初に引用した記事における、「鉄拳3」などが猛威を振るっていた時代と言えます。
ただ、残念ながら、格闘ゲームの盛り上がりが小さくなるにつれ、アーケードゲームは、メダルゲームやカードゲーム等大型化していき、そうした小型店舗はゲーム機の導入が難しくなって、閉店していった現実が少し前にあったわけです。
そんな事もあって、現在地方のゲームセンターの多くは「何でもある大型店舗」となっています。
ただ、以前も書きましたが、現在こうした地方の「何でもある大型店舗」も閉店が相次いでいます。
ザ・サードプラネットの民事再生申請に思う。ゲーセン業界の様変わり
ということで、基本的に、
「地方では、ゲーセン自体が減っている。特に小型店(ビデオ中心)の店舗はほぼなく、大型店も減少傾向」
という事で、「鉄拳7」を導入する店舗がそもそも少ないと思われます。
つまり、鉄拳7で店舗が活性化しているというよりは、どちらかと言うと、
残存者利益を享受しているゲーム
という方がシックリ来ると思います。
この残存者利益というのを、もう少し数値で調べてみました。
店舗あたりの人口を計算してみた
サブタイトルどおりですが、計算してみました。
都道府県 | 人口(万人) | 鉄拳7設置店舗数 | 店舗当たり人口 |
東京都 | 1335 | 132 | 10.1 |
大阪府 | 886 | 54 | 16.4 |
愛知県 | 726 | 66 | 11.0 |
岐阜県 | 206 | 16 | 12.9 |
三重県 | 183 | 13 | 14.1 |
静岡県 | 375 | 21 | 17.9 |
和歌山県 | 101 | 2 | 50.5 |
あまりにもザックリとした計算なので、あくまでも参考値ですが、各県毎の稼動店舗数で人口を割ってみました。
東京都と大阪・愛知の都市部と東海地方と、極端な事例の和歌山県をチョイスしてみました。
直接結論が出るわけで無いと思いますが、やはり東海地方だけで比べても、最も都市である愛知がもっとも店舗あたりの人口が少なく、その周辺の方が多い。
ということで、単純に「地方の方が店舗が活性化している」と捉える事ができます。
そこまで調べていませんが、もう一つ要因としていえるのは、都市の店舗の方が複数設置している可能性が高いので、純粋に台辺りの売上で考えたら、地方の方が上の可能性は更に高まると思われます。
という事で、鉄拳7でゲーセンが活性化した!という事実は、稼働自体は好調なので、正解だと思います。
ただ、地方の現場から考えると、実際には「鉄拳7」自体の各種進化を踏まえたとしても、
ゲーセンの減少による残存者利益
の側面は大きいのではないか?と思います。
「鉄拳7」という、ビッグネームタイトルですら、この現状なので、最近だと営業マンが本気で、
「〇〇店が購入しないと、☓☓地方に1台も稼働しなくなってしまうので、買ってください!」
という、ボランティア精神を刺激するわけのわからない営業トークを炸裂させる事があるので、ビックリです。
日本全体から考えると、ニッチな産業のニッチな話題ですが、都市集中というのはこうして起きるべくして起こるんだなと、改めて考えさせられます・・・