ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

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2015.07.30

「鉄拳7」でゲーセンが活性化?地方のゲーセンの現場から語ってみる

最近は、ゲーセンに関してなにかと良い話題がなくて、ブログを書こうとしてもマイナスな話題ばかりで、困ってます。
そんな中、スゴく良い記事を発見しました。

“椿姫彩菜のゲームの話”第20回バンダイナムコエンターテインメント原田勝弘氏その3 『鉄拳7』でゲーセンが活性化!(2/2) – ファミ通.com

鉄拳7が好調で、地方のゲーセンによっては、かなり活性化している店舗もある、という話です。
いいですね。
都心や都会でないゲーセンの経営者から、この事について語ってみようと思います。

地方のゲーセンってどんな感じなの?

田舎

このブログを読んでくれている、奇特な方は概ね都市部に集中しております。
都内や、大阪、あとは、愛知の店舗が多いので、名古屋や愛知近郊の方に良く読んでいただいております。
蛇足ですが、こういうことがわかるGoogle Analyticsってスゴイよなー。
ドメインとかわかっちゃうもんね・・・
それはさておき、ゲーセンというのは、現在概ね3つのスタイルに分かれると思います。

それは、

・何でもある大型店舗
・都市型小型店舗
・ショッピングセンター内店舗

という3つのスタイルに分かれると思います。
今回は、鉄拳7というビデオゲームに関する話題なので、ショッピングセンター店舗については除いて考えます。
そして、地方というキーワードで考えると、地方には都市はない(都市がないから地方という)ので、地方にあるゲームセンターというのは、ほとんどが、「何でもある大型店舗」というカタチになります。

昔は地方都市にも都市型小型店舗は数多く存在していました。
地方といっても、交通のハブとなる大きめな駅の近くには、小型のゲーセンがいくつか存在していて、そこで対戦格闘ゲームが流行していたというのは、まさにハイスコアガールの世界ですが、確実に存在しました。
これが、まさに最初に引用した記事における、「鉄拳3」などが猛威を振るっていた時代と言えます。

アストロ

ただ、残念ながら、格闘ゲームの盛り上がりが小さくなるにつれ、アーケードゲームは、メダルゲームやカードゲーム等大型化していき、そうした小型店舗はゲーム機の導入が難しくなって、閉店していった現実が少し前にあったわけです。
そんな事もあって、現在地方のゲームセンターの多くは「何でもある大型店舗」となっています。
ただ、以前も書きましたが、現在こうした地方の「何でもある大型店舗」も閉店が相次いでいます。

ザ・サードプラネットの民事再生申請に思う。ゲーセン業界の様変わり

ということで、基本的に、

「地方では、ゲーセン自体が減っている。特に小型店(ビデオ中心)の店舗はほぼなく、大型店も減少傾向」

という事で、「鉄拳7」を導入する店舗がそもそも少ないと思われます。
つまり、鉄拳7で店舗が活性化しているというよりは、どちらかと言うと、

残存者利益を享受しているゲーム

という方がシックリ来ると思います。
この残存者利益というのを、もう少し数値で調べてみました。

店舗あたりの人口を計算してみた

愛知

サブタイトルどおりですが、計算してみました。

都道府県 人口(万人) 鉄拳7設置店舗数 店舗当たり人口
東京都 1335 132 10.1
大阪府 886 54 16.4
愛知県 726 66 11.0
岐阜県 206 16 12.9
三重県 183 13 14.1
静岡県 375 21 17.9
和歌山県 101 2 50.5

あまりにもザックリとした計算なので、あくまでも参考値ですが、各県毎の稼動店舗数で人口を割ってみました。
東京都と大阪・愛知の都市部と東海地方と、極端な事例の和歌山県をチョイスしてみました。
直接結論が出るわけで無いと思いますが、やはり東海地方だけで比べても、最も都市である愛知がもっとも店舗あたりの人口が少なく、その周辺の方が多い。
ということで、単純に「地方の方が店舗が活性化している」と捉える事ができます。
そこまで調べていませんが、もう一つ要因としていえるのは、都市の店舗の方が複数設置している可能性が高いので、純粋に台辺りの売上で考えたら、地方の方が上の可能性は更に高まると思われます。

という事で、鉄拳7でゲーセンが活性化した!という事実は、稼働自体は好調なので、正解だと思います。
ただ、地方の現場から考えると、実際には「鉄拳7」自体の各種進化を踏まえたとしても、

ゲーセンの減少による残存者利益

の側面は大きいのではないか?と思います。
「鉄拳7」という、ビッグネームタイトルですら、この現状なので、最近だと営業マンが本気で、

「〇〇店が購入しないと、☓☓地方に1台も稼働しなくなってしまうので、買ってください!」

という、ボランティア精神を刺激するわけのわからない営業トークを炸裂させる事があるので、ビックリです。
日本全体から考えると、ニッチな産業のニッチな話題ですが、都市集中というのはこうして起きるべくして起こるんだなと、改めて考えさせられます・・・