ゲームの評価は似たようなもんでもビジネスモデルが違えば評価が違う話
今週は、TGS(東京ゲームショー)ウィークと言うことで、ゲーム界隈はバタバタしている方が多いです。
年に一度のTGSですから。
今年は、アーケード絡みでの注目タイトルといえば、「DISSIDIA FINAL FANTASY NT」です。
だいぶ前の話ですが、元々アーケード筐体自体に、PS4を元にしたシステムだということで、時間のPS4バージョンの発売は時間の問題でした。
ゲーセン経営者が独自の視点で書く「DISSIDIA FINAL FANTASY」製品発表会レポート
この時は、「1年間はアーケードに注力」といっていましたが、結果的には、家庭用の発売が来年の1月なので、2年以上アーケードだけで稼働した事になります。
これは、ゲーセンにとっては非常にありがたかったですね。
私なんかは、元々「1年後に家庭用が発売して、売上が激減する」プランを描いていたんですが、それが現実とならなかったことで、逆に投資機会を逃した事になります。
2年間も家庭用ソフトが発売されないなら、もうちょっと導入すれば良かった・・・
「DISSIDIA FINAL FANTASY」の優れた部分
もちろん上記の通り、「DISSIDIA FINAL FANTASY(以下DFF AC)」の良い点はその人気や高稼働な所なんですが、それ以外にも、
3つの販売価格と課金体系
というのがあります。
簡単に言うと
・最初の筐体代 高い 課金 安い
・最初の筐体代 普通 課金 普通
・最初の筐体代 低い 課金 高い
と、イニシャルコストを抑えて、高額課金を支払う事も、イニシャルでコストを掛けて、課金の額を下げる事も可能という事です。
実際には、3つにそれぞれ台数制限があり、自由に購入できるわけではないのですが、こうしたメーカーの努力によって、大型店や大手のゲーセンのみならず、小型のゲーセンや地方のゲーセンでも導入自体のハードルは低い状態でした、
スクラグとかL4Dを持ってないと(以下略)
この、DFF ACあたりから、こうした課金と筐体代に幅を持たせることで、ゲーセン側の導入負担を減らすという施策が実にさまざまなタイトルで採用される事になりました。
セガ、コナミ、タイトー、BNEと全てのメーカーが現在だと大体複数の販売プランを用意するのが、最近の通例です。
対照的なライトゲーム2機種
最近の話ですが、比較的コアなゲーマー向けではない、ライトなゲーマー向けの新製品が立て続けに発表されました。
コナミの「ボンバーガール」とセガの「「SEGA World Drivers Championship」の2機種です。
「ボンバーガール」
「SEGA World Drivers Championship」
どこがライトやねん!とかそういう意見はあると思うのですが、ゲーセン視点で考えるとこのあたりのゲームは
メチャクチャ売上が上がるのではなく、細く長く売上げを挙げ続けるゲーム。
という評価です。
このゲームをやるのに朝一で何百人並ぶ!というような光景と言うのは想像しません。
ゲーセンで「なんかできるゲームないかなー」というような、ライトなゲーマーをメインターゲットにしたゲーム機で、大人から子供まで遊べるのが理想的なゲームです。
奇しくも、この2機種ですが、上記に書いたとおりの、
ライト向けゲーム
であることは、両機種とも間違いないと思われますが、先程述べた、筐体代と課金の選択肢に大きな違いがあります。
ボンバーガール 筐体代 普通 課金 普通の1パターンの販売プラン
SEGA World Drivers Championship DFF ACとおなじく3パターンの販売プラン
という事で、大きな差があります。
こうなると、我々ゲーセンとしては
「細く長く続く系のゲームだからとりあえず様子見で、筐体代は安いプランにしておこうかな・・・」
などという思惑があったり、祖の逆もあったりします。
なにが言いたいかというと、
販売プランが複数あることで、「少し買ってみよう」という考える可能性は若干あがる
という部分です。
この部分で、ハッキリ言えば「ボンバーガール」は、同じ製品としてもチョット遅れをとってしまいます。
当然、我々ゲーセンとしては、「こういうプランがあれば買うのに・・・」というような提案をメーカーさんにしたりもしますが、既に社内で決まっていることをおきゃくさんの都合でかえると言うのは余りないので、こんなもんかと諦めてしまいます。
ビジネスモデルが異なれば、もっと可能性あると思うんですけどね・・・