音ゲー総選挙の記事を見て考えたこと
すっかり夏模様で、あっという間に夏休みです。
夏休みといえば、学生さんたちは、長期休暇ということで、ゲーセンに来る機会も増えると思います。
ハンドスピナーを回してるくらいなら、ゲーセンに来て下さい(懇願)
ファミ通の企画「音ゲー総選挙」
世の中は、AKBに始まり「総選挙」ブームといっても過言ではないです。
最近だと、AKBの総選挙もあったし、都議会選挙もありました。
都議会選挙というのは、代議士を選ぶ選挙ですので、代表を選ぶ選挙です。
それに対して、AKBの選挙は、メンバーを選抜する意味もあるかもしれませんが、選挙を行う事で人気のバロメーターを測るというのが、大きく異る部分です。
そんな人気のバロメーターを測るべく、こんな企画がファミ通で実施されておりました。
表紙のタイトルにありますが、「音ゲー総選挙」という企画です。
ファミ通なので、アーケードは別なのかなーと思いきや、全てのハードを網羅して開催されており、なかなか面白い結果となっておりましたので、取り上げてみます。
2位
「オトカドール」
ビックリした!
まだまだアーケードいけるやん! pic.twitter.com/rbl0QpA0Fm— PORT24(ポート24) (@port24ho) 2017年7月7日
ファミ通なのに、アーケードタイトルが2位をとるなんて、ゲーセン関係者としては感無量・・・
2位をとったタイトルはコチラです。
興味がある方は是非、プレイしてみて下さい。
集計データから考える
こういう記事を、まるっとWEBに載せるのはダメな気がするので、とりあえず結果を書いてみます。
まず、データの総数や母集団ですが、
投票人数 1448人
男性 58%
女性 36%
不明 6%
という記載がありました。
女性が4割近くの割合を占めいるのが印象的です。
さらに年代別だと
10代 23%
20代 39%
30代 21%
40代 11%
それ以外 6%
という事で、10代〜20代で約半数をしめています。
女性若年層に対して、音ゲーってかなりの認知度があることが見て取れます。
「音ゲー女子」って単語ももうちょっとしたら、世の中にバンバンでてくるかもしれません。
加えて、アーケード目線で考えると、
投票総数にアーケードタイトルが占める割合 41%
上位20タイトルにアーケードタイトル(元も含め)が占める割合 20タイトル中10タイトル
という事で、音ゲーではアーケード強しって感じです。
それに加えて、20タイトル中9タイトルが「初音ミク」関連ということで初音ミク強し!って印象もありましたけど・・・
なんにせよ、「音ゲー」というジャンルで考えると、若年層のや女性層のゲーセン離れという印象とは大きく異る印象です。
普段からゲームが好きな対象に絞られているので、そもそも総数が少ないという意見もあるでしょうが、音ゲーというのは、ゲーセンの中で「比較的若年層および女性」を取り込めているジャンルと考えても問題ないと思います。
このあたりは、一般に考えられるイメージに合致しており、改めて「ナルホド」と思った次第です。
ユーザーの熱量とゲーセンの評価
例えば、この総選挙の結果を、一般の普段ゲーセンに来ない方が、「久々にゲーセンきたし、やってみるか」という事で、各タイトルを探してやってみるというのは、非常に意義深いことだと思います。
しかしながら、ゲーセンを運営する我々が、この結果をみると、
「うーん」
と首をひねらざるを得ない部分があります。
それは、我々から見ると、「このタイトルがこの順位なんだな」というイメージを持つ部分がどうしてもあるからです。
正直に申し上げれば、20位にランクインしたアーケードタイトルを、
「インカム順(=売上のある順)」
に並び替えると全く異なる結果になります。
ゲーセンとしては、インカムというのは、常に「人気のバロメーター」であるといっても過言ではありません。
当たり前ですが、人気があれば、多くお客さんがプレイして売上もあるって話になります。
ある意味、
熱量のあるユーザーと売上が比例しない
ということが表されています。
うーん、何が悪いわけじゃないんですけどね・・・
こうした場合に、一つの提案としては、
筐体数が多すぎるので削減する
という回答がでてきます。
メーカーとしては、納得できないと思いますが、一定層の熱狂的ユーザーが存在するのにもかかわらず、店舗での売上がついていかない場合には、筐体の数を減らし、設置店舗を減らすというのが店舗としてはありがたい話です。
しかし、メーカーとしては、グロスの売上が増えるわけではないので、やるメリットはないでしょうね・・・
ただ、熱狂的ユーザーが存在していても、売上が入ってないとなると、店舗としては撤去せざるを得ない時が来て、メーカーも撤退せざる得なくなるというのは、ユーザーに申し訳ないとも、タイトルがもったいないとも感じます。
今回の総選挙は、そうした熱量のあるユーザーと現場の乖離という一面を改めて感じさせました・・・