ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

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2017.01.22

無料で公開するとどうなるか?ゲーセンで例えてみよう

先日から話題になっている事があります。

有名な方のやることなので、名指しでも良いかと思いますが、有名人である西野さんが、自分の作品を「ユーザーのために」無料公開した、という話題です。
それに対して、いろいろと賛否両論あるわけです。
具体的には、

・対価を払うというインセンティブがなくなる
・自分の作品をどうしようが自由
・炎上商法

などなど、有名な方なだけあって、たくさんの意見が見られます。

商売の「戦略」ならいいんじゃないか?

戦略 孔明

炎上商法とか、いろいろと言われていますが、こうした手法というのは、

話題作りにはピッタリ

だと思います。
売れ行きが鈍ってきたところで、WEBで無料公開!とニュースを作って、更に紙の本が売れるという結果を狙っているんじゃないでしょうか?
そして、無料で公開することで、ユーザーが

「絵本って無料でしょ?」

という意識になってその他のクリエーターがいなくなった市場を独占するという、焼け野原商法ではないかとも思うわけです。
これは、体力がある事業主だからこそ出来ることです。

この話をゲーセン業界とe-sportsで例えてみればわかりやすいです。

「e-sports」を盛り上げたければプレイを無料にすればよい

とある、ゲーセン経営者(A店)が「e-sports」として格ゲーを盛り上げたい!と考えました。
タイトルはなんでもいいんですけど、格ゲーにしておきます。
そして、その経営者は、

「e-sportsとして垣根が広がるためには、100円1回は高い!という方に対して、無料で遊んでもらおう!」

ということで、格ゲーを全て「無料」で遊べるようにしました。
当然、全て無料であれば、やったことがないユーザーも気軽に触れることができるし、本格的に遊んでいるユーザーもやり込めるので、デメリットはありません。
e-sportsの格ゲーを盛り上げるために、善意で行ったことですが、その結果、店舗にはその地方の格ゲーユーザーが死ぬほど集まって来るようになりました。

それを見て、困ったのが周囲のゲーセンです。
当然、お客さんから、「A店で格ゲーが無料だから、この店でやるわけない」と言われます。
仕方がないので、周囲のゲーセンからは「格ゲーは諦める」という意見が続出し、撤去する店舗が相次ぎました。
その結果、そのエリアでは、格ゲーの設置店舗はA店のみとなりました。

A店の経営者としては、格ゲーも盛り上がり、お客さんも増えて万々歳です。

とここまでは良いのですが、その先にメーカーも考えてみると・・・
そのエリアで格ゲーの設置店舗が一つだけになった結果、メーカーとしては、「売れる数が少なすぎて新作を作れない」という状況が生まれました。
そして、新作の格ゲーが世の中で発売される事はなくなり、結果格ゲーというジャンルは廃れていきました。

というのが、今回の無料化で起こることをゲーセンで例えた場合になります。

部分最適であって全体最適ではない

よく言われる話ですが、この場合A店の経営者としては、何も困らないわけです。
ただ、全体を考えてみると、良い結果が生まれないというのは、

部分最適と全体最適の違い

として捉えられます。
今回の絵本の無料化でも、「本人は何も困らないが、その関連で困る人が大勢出て来るかも?」という意味で、よくない部分がある。
こうしたケースと言うのは、世の中に多々ある話なので、一概に良い悪いはいえません・・・
ただ、その後に焼け野原が残るというのは間違いないんですけどね・・・