ゲーセンとパチンコの営業で決定的に異なる部分を書いておこう
先日、こんなニュースが流れていました。
個々の事例は置いておいて、「一般的に、パチンコ店が行う三店方式の営業って違法じゃないの?」という話にたいして、「風営法の規定どおりの営業を行う限り賭博にはあたらない」という正式な回答がきたという話。
即座に違法だといえないという状態から、一歩脱却したという回答なので、業界的にはありがたい話なんでしょうか?
パチンコ店さんの事はわからないので、なんとも言えませんが・・・
風営法における区分
何度か書いていますが、風営法(風適法)において、
パチンコ店 → 第4号営業
ゲームセンター → 第5号営業
という形で、明確に営業者としての区分がわかれており、風俗営業として、大枠は同じでも、実際には細かいルールに違いがたくさんあります。
最も異なるのは、風営で唯一18歳未満の入場が認められているのは、「第5号営業=ゲームセンター」のみであり、その他風俗営業者の場合は、基本的に18歳未満の入場が認めれていません。
このあたりは決定的に異なる部分と言えます。
ただ、今回最初に引用した記事から、割りと多く見かける意見が、
「ゲーセンでも同じように景品を買い取る(フィギュアなど)店舗を近くに開いて買い取ってもらうことできるんじゃね?」
という意見が散見されます。
これが実は、パチンコ店とゲーセンで、法律で決定的に異なる部分なのです。
ゲーセンでは景品を渡すことは認められていない?
先程書いたように、法律で決定的に異なると書いてある部分で、
・パチンコ店 → 遊技の結果に応じて景品の提供が認められている
・ゲーセン → 遊技の結果に応じて景品の提供が認められていない
ということが、法律で定められています。
第二十三条 第二条第一項第四号の営業(ぱちんこ屋その他政令で定めるものに限る。)を営む者は、前条第一項の規定によるほか、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
一 現金又は有価証券を賞品として提供すること。
二 客に提供した賞品を買い取ること。
三 遊技の用に供する玉、メダルその他これらに類する物(次号において「遊技球等」という。)を客に営業所外に持ち出させること。
四 遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行すること。
2 第二条第一項第四号のまあじやん屋又は同項第五号の営業を営む者は、前条第一項の規定によるほか、その営業に関し、遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない。
引用は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律からですが、一番下の文章に記載がありますが、明確に「遊技の結果に応じて賞品提供してはならない」とあります。
そのために、パチンコ店では賞品を渡すことはできるが、ゲーセンではできないという事になります。
ということは、パチンコ店と同じような「3店方式」での、交換をゲーセンで行う事は不可能ということになります。
プライズゲームはどうなるの?
ゲーセンによくいく方なら、
「じゃぁプライズゲームはどうなんだ?」
という事を考える方は非常に多いと思います。
考えてみれば、プライズゲーム自体が「賞品を提供している」のは間違いなく、「プライズゲーム=法律違反」であれば、全国のゲーセンはとっくに世の中から消えてなくなっています。
ここで出てくるのが、
になります。
法律は難しいし全ての事象を網羅しているわけじゃないから、こんな風に解釈してね!という書面があるわけです。
過去に書いた諸々についても、この解釈基準の中で触れられている場合が多いです。
この中で、
遊技の結果が物品により表示される遊技の用に供するクレーン式遊技機等の遊技設備により客に遊技をさせる営業を営む者は、その営業に関し、クレーンで釣り上げるなどした物品で小売価格がおおむね800円以下のものを提供する場合については法第23条第2項に規定する「遊技の結果に応じて賞品を提供」することには当たらないものとして取り扱うこととする。
という旨が記載されており、プライズゲームにおいては、「遊技の結果に応じて賞品を提供」にならないと規定されます。
じゃぁ、「プライズを買い取るお店を開いて、3店方式で・・・」というのは、法律的に不可能ではないと思いますが、一つの単価が800円以内と定められているので、効率が良いとは言えないと思いますので、微妙だと思います。