ゲームセンターが博物館化している?営業者からみればそんなこと無いわ!って話 前編
ゲームセンターといえば、何を思い浮かべるでしょうか?
この問いに対する答えは実に様々です。
例えば、
・UFOキャッチャーなどのプライズ機
・プリクラを撮る場所
・お気に入りのゲームがある場合はそのゲーム機
・大会やイベントを行うイメージ
・ボウリングやショッピングモールの中にある
など、イメージや業態がかなりバラバラです。
それこそ、扱っているゲーム機のジャンルだけでいっても細かく分ければ相当数になるし、そうでなくても、プライズ、メダル、ビデオ、音ゲー、プリクラ、ドライブなどなど、大まかに分けても結構なジャンルがあります。
ゲームセンターといえば、自分がよく遊ぶ、もしくは遊んだゲームを思い浮かべるのが普通だと思うし、良く遊ぶゲームがない場合は、そういえば、こんなゲームをやったなとか、こういう場所にあるよねくらいの感覚が普通だと思います。
ゲームセンターが博物館化している?
そんな中、現役で営んでいる人間にとっては、「うーん」と思う記事を見つけました。
「博物館化していくゲームセンター」第一部 前編 | AUTOMATON
ゲームセンターが博物館化しているという、ある意味ショッキングなタイトルなんですが、基本的には、「博物館化したゲームセンターを紹介している記事」ですね。
常時営業しているようなゲーセンもありますが、イベントの紹介もしております。
昔からこうした流れはありましたが、ここ1年くらいは、レトロアーケードゲームを使用したイベントが各種開催されていたので、その流れも合ったと思います。
筆者本人も書いていますが、
メーカーの直営店や大型資本のチェーン店にもお話をうかがおうとも考えたのだが、大型のプライズ機やメダルゲームではなくビデオゲームをメインに据えている店舗こそがゲームセンターだという筆者個人の思いを反映させていただいた。
まぁ、そうだわな。
ゲーセンが博物館化しているのではない
筆者本人が書いているとおり、「ビデオゲームをメインに据えている店舗こそがゲームセンター」というのであれば、それは確かに博物館化しているといえるでしょう。
実際に、ビデオゲームメインの店舗自体は減り続けていますし、昔ながらのラインナップや独特のイベントを行って特色のある運営をし生き残っているお店が大半です。
そうでなく、ビデオゲームメインで残っているお店はかなり減っちゃったよね。
ただ、それとは逆に実に沢山の店舗が出店している事例もあります。
例えば、イオンファンタジーさん。
海外や会社の買収も含めですが、かなり店舗数を伸ばしています。
こちらは、ラウンドワンさん。
今年度は退店の予定も幾つかあるようですが、基本的には、店舗数を伸ばし続けています。
ともにIR資料からの抜粋ですが、こうした現状を踏まえれば、必ずしも「ゲームセンターが博物館化」していると言えない現状があると思います。
ですから、博物館化しているという表現は正しくなく、正確には
俺の思うゲーセンは減っているし、そうしたゲームを遊べるお店も減っている
だけの話です。
ゲーセンという業態自体が、正確には変化しているだけなんだと個人的に思います。
この業態の変化に合わせて、世の中のゲーセンの定義も少しずつ変わっていくのではと思います。
よく聞く話ですが、例えば今の10代やもっと下の世代の子供達に聞いたとして、ゲームセンターにどんなイメージを思い浮かべるか?と聞けばおそらく、イオンファンタジーさんやラウンドワンさんのような店舗を思い浮かべるのではないでしょうか?
筆者にとっては、残念な話かもしれませんが、そうした世代が育ってきた時には、ゲーセン=ビデオゲームだと思うのはオッサンだけ・・・という状況になると思います。
ちょうど、いまの私よりも上の世代にとっては、ゲーセンといえば「インベーダー」と言っているのと同じ感覚でしょう。
そうした意味で、「ゲーセンが博物館化」するというのは、少々暴論な気がします。
それは、タダの自分の懐古趣味やんけ・・・とも思うわけです。
90年代や00年代と比較すると新作タイトルのリリースもめっきり減少していることに加え、娯楽が多様化した現在において1プレイ100円の収益で営業を成り立たせる業界の先行きは不安視されている。
この辺りも、ちょっと風向きが変わってきたよって話があるんです、そうあのタイトルのおかげで。
というわけで続きは次回へ。