ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

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2016.04.02

続・ぷよぷよのe-sports化ってなんだ?ゲームに携わる事業者として思うこと

先日書いたコチラのエントリー。

ぷよぷよのe-sports化ってなんだ?話題のゲームについて考える

ブームに乗った(笑)おかげかもしれませんが、色んな方にコメントを頂いたりしました。
その後、こんな顛末となったわけで、まだ未読の方はご覧ください。

【炎上】ぷよぷよパクリゲーのプロゲーマーチーム代表、RMTについて開き直り「悪だとは思ってない」「ドラクエ10でもやってます」 : はちま起稿

必ずしも「悪」だと断言できない側面

まず、ゲームの運営者側でRMTを禁じている場合については、それに従う必要があることは大前提として、プレイヤーとしての「ルール」だと思いますので、それを破ることは善悪以前の問題だと申し上げておきます。

一般的なゲームのRMTは、あくまで「データ」の売買を行う事で、金銭の授受が発生することを指しています。

リアルマネートレーディング(英語: Real Money Trading、リアルマネートレード(英語: Real Money Trade)とも。以下RMT)とは、オンラインゲーム上のキャラクター、アイテム、ゲーム内仮想通貨等を、現実の通貨で売買する経済行為を指す。

Wikipediaより

基本的に、ほとんどのオンラインゲームでは、禁止されていますが、アーケードゲームに関していえば、

「リアルカード」の中古売買の市場というのは間違いなく存在しているし、ゲームの価値向上に一定の役割を果たしている。

のは、間違いないと思います。
例えば、WCCFというタイトルがあります。

WCCF公式ウェブサイト -WORLD CLUB Champion Football 2015-2016-

実在の選手カードを使用して、夢のチームを作って遊ぶ事ができるのが大きな魅力なんですが、稼働開始して15年近く経過しています。
この選手カードですが、当然昔の選手は排出されなくなり、新規ユーザーは手に入れることができなくなります。
そのために、

新規ユーザーでも、中古市場が存在することで、以前の排出カードを手に入れられる

ことは、ゲームの価値向上に、一定の役割を果たしているといえます(実際には「データ」と「実際のカード」で大きな違いがありますが)。

トレカ

そこを評して、

ユーザー間でのデータのやり取りは必ずしもゲームの価値を毀損しない

とうのは、分からない話ではありません。
しかし、そのゲームの価値を毀損しない行為であるかどうか?を決めるのは、あくまでも運営及び事業者であるべきなんです。
断じて、第三者(ここではRMT業者)が決めることではありません。

ゲーセンの例を考えてみる

最初に引用した記事の中でのツイートを貼り付けてみます。

このように仰っております。
アーケードで言えば格闘ゲームを例にして考えてみます。

上記の理論だと、

格闘ゲームはユーザーが対戦すればするほどゲームの価値があがります。

→少ない金額で遊べると喜ぶお客さんが多いので、1playの値段を下げます

→例えば、100円で10プレイできるチケットを第三者が販売します(技術的に可能かとかその辺はツッコまないでください)

→100円2クレが、100円10クレになって、ユーザーは喜ぶし過疎化しないし万々歳じゃん!

という理論に近いものがあります。
ただ、これが、

→少ない金額で遊べると喜ぶお客さんが多いので、1playの値段を下げます

→100円で10クレに隣の店がした、またはメーカーの推奨設定が100円で10クレになった

→100円2クレが、100円10クレになって(以下同文)

というのは、事業者や運営としては、「仕方ない・・・」という話になります。
この違いがどこから来るのか?というのが、今回の趣旨です。

リスクをとらない第三者

ユーザーは、自分のお金を使用して、ゲームを楽しむわけで、リスクを負っています。
メーカーや事業者というのはお金や人材を投入してゲームを作るリスクを負います。
ゲーセンでも、実際に自分のお店に設置して売上が入るかどうかはわからないわけで、これもリスクです。

そうしたリスクをとらない第三者が、

「こんな風に安く遊べて、お客さんに喜んでもらっているんだから、ゲームの価値を向上させてるんだ」

とその行為を正当化するのは、どうかと思うんですよね。
リスクを取ってない事業者からみれば、

そのゲームそのものがユーザーから全体で、どれ位の金額をいただけるか?

なんて事には興味はないでしょうし、その金額が低下しようがしまいがノーリスクだから関係ないわな。
ゲーセンの価格競争や運営のキャンペーンのように、自分でリスクを取った上で値下げするのならともかく、ノーリスクの人間に「安く遊べるようになってユーザーも増えてゲームに貢献している(ドヤ)」とか言われてもねぇ・・・
「ゲームの事なんか知らん。儲かるからやってる」って言ってくれたほうが、ハッキリ言って好感がもてます(笑)

3000万とか投入してゲームを作るリスクを負ってるハズなんで、同じ事を考えないのかなぁ・・・