ポート24 [PORT24] 愛知県のゲームセンター

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2015.11.21

ゲームの価値が低下するなら、ゲーム周辺の価値を提供するしかないよねって話

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一般の方に、「ゲームセンターを経営している」という話をすると、「スマホとか無料ゲームがあるから大変でしょ?」と言われる事は、多々有ります。
多分ゲーセン業界で働いている人は、必ず言われることだと思います。

確かにスマホでゲームができることになった事で、ゲーセン業界に影響が無いか?といわれたらあります。
ただ、個人的に、「スマホゲームが、アーケードゲームの地位を奪った」という理解とはちょっと異なります。
感覚的には、「使えるお金の範囲が、スマホの通信料に奪われることで、ゲームに費やすお金が減って、ゲーセンでお金も使わなくなった」という方が正しいと思います。
同じ「ゲーム」というククりで考えられがちですが、その他エンタメ(CDや雑誌も含め)VS スマホの構図に近いと考えています。

スマホゲームの影響

スマホゲームのもたらした影響は、基本的に

「ゲームに対する価値観の低下」

が主なもので、これはアーケードやゲーセンに限らず同じだと思います。

無料に慣れすぎて対価を支払うことを忘れた日本人、インディーゲーム開発者が苦言を呈す | だもんげ!

この記事なんかは非常に印象的です。
開発者よりの話なので、作る側の主観も入っていると思いますが・・・
よくも悪くも、無料で遊べるスマホゲーム!というのが、これだけ沢山あれば、一般のユーザーはこう思うのも無理はない話。
「スマホで遊べばタダなのにゲーセンで金なんか使うの?」とか「ゲーム機とゲームソフト買うとか、よく買うよね」とかいった意見が出てくるのも、わからんでは無いです。

こうした「有料ゲーム VS 無料ゲーム」という単純な図式で考えると、当然ながら、有料ゲームには、無料ゲーム以上の価値を提供する必要がある事になります。
当たり前ですね。

では無料ゲーム以上の価値とはどういうことでしょう。

ゲーセンにはゲーム以外にも提供できる価値が多い

トレカ

良く考えますが、ゲーセンはゲーム以外にも提供できる価値の選択肢が多いです。
例えば、プライズゲーム。
プライズゲームを遊ぶという価値に加えて、実際の景品をお客さんに持って帰って貰うことができます。
例えば、カードゲーム。
ゲームを遊んで、実際のトレーディングカードが手に入ると言うのは、ゲーセンならではです。
こうした、ゲーム自体がおまけ要素を持つ場合、ゲーセンで有料ゲームを遊ぶ為の動機が少しだけ上がります。

他にもあります。
友人や知人と集まってゲームで対戦できる、コミュニティとしての価値。
自宅でもファミレスでも同じことは可能ですが、ある程度大きな画面で、ワイワイ騒ぎながら遊べるのは、ゲーセンならではです。
見知らぬ人とリアルに対戦できる価値。
ネットワーク対戦でも可能ですが、実際に対戦会やイベントを通して、リアルなコミュニケーションが取れます。
これらは、対人とのコミュニケーションの価値ですね。

他にも、駅から近くて利便性が高く、ヒマを潰せる。
家族で来店して、子供を自由に遊ばせる事ができる。
何となく店舗の居心地がいい。
などの店舗の自体の価値もあります。

こうした「ゲーム周辺の価値」を提供できる選択肢は、実は最もゲーセンが多いんじゃないか?

と思う事が多々あります。

ゲームの価値自体が低下するなら、それ以外の価値を提供する

ゲーム自体の価値が低下するなら、それ以外の価値を提供することを考えようという事は1つの回答だと思います。

ゲームの大会が盛ん
生配信のサービスをする
名物店員がいる
プライズゲームの取り方を教えてくれる
駅直結など、利便性の高い場所にある
ゲーム関連グッズの販売が豊富
ゲーム以外の施設が充実している

などなど、こう考えると様々なサービスがあると思います。
上記のような例を上げただけでも、普段ゲーセンによく行く人であれば、パッと思い浮かぶお店があるのではないでしょうか?

こうした、ゲーム機を活用した運営をする仕事を「オペレーター」といいます。
ゲーセン業界用語では、「ゲーセン運営会社」=「オペレーター」ですが、本当の意味でのこうした「オペレーター」って少ないよね?(自戒も込めて)