パズドラ「曲芸士」問題にみる、ゲームのバージョンアップの難しさ
先日より、ゲームといってもスマホですが、スマホゲームのパズドラで話題の問題といえば「曲芸士」問題。
パズドラー(パズドラプレイヤー)でない方は、なんのこっちゃわからないと思いますので、こちらのまとめをご覧ください。
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私も、パズドラは少しだけやってみた程度なので、詳しくはわからないのですが、とりあえず「曲芸士」というキャラが強すぎて、「今までの努力が・・・」とか「引けないからやる気なくす」とかの意見が続出しているようです。
ゲームのバージョンアップとドラゴンボールは似ている
ただ、ゲーセンでも家庭用ゲームでも同じなのは、ゲームというのは、バージョンアップを繰り返せば、機能を追加せざるを得ないので、覚えることも増えキャラも増えるというのは、よくある話です。
その中で、既存のユーザーを満足させるために、より強い敵を出現させて、そのためにより強いアイテムやキャラを作成してそれを倒すというパターンはありがちですね。
私はこれを「ドラゴンボール現象」と勝手に命名しています。
ドラゴンボールも、ピッコロ大魔王を倒したら、ベジータが出てきて、ベジータを倒したら、フリーザが出てきて、フリーザを倒したら、セルが出てきて、セルを倒したら、魔人ブウが出てくるという・・・
まぁ、面白いから読んじゃうんですけど。
強い相手を倒すという直接的な内容ではないにしても、基本的にゲームを難しくする事がバージョンアップだと思っています。
この辺りの事は、友人のアプリ開発者も言っていましたが、
「普通のアプリを作成する場合は、デザインやインターフェースも含めて「どれだけ簡単に操作して、目的の作業ができるか?」を考えて作る。どちらかと言えば、削ぎ落とす事が多いけど、ゲームの開発する人って逆で、「機能を追加していく」という思考をするから、全く逆なんだよな。だからオレにはゲームは作れない(笑)」
という内容の話をしていました。
言われてみれば、確かにそうだなと。
アーケードゲームでも基本的に同じ構造
この感覚は、どんなゲームでも基本的に同じだと思うんですよね。
格ゲー界隈でも同じ事が言われているわけです。
例えば、現在稼働中の「鉄拳7」
以前のバージョンは、「鉄拳TAG2」で、その前が「鉄拳6BR」でした。
ゲーム的に「タッグバトル」になったので仕方ない面もあったと思うのですが、タッグバトルになったことで、
・キャラ2体の操作を覚えないといけない
・キャラの数も増加
という内容がかなり敬遠されて、稼働があまり良くなかった・・・
その後、キャラ1体でも遊べる機能が追加されたりしましたが、あまり変化がなく盛り上がりに欠けた、ということがありました。
鉄拳7の商談会の際に、実際に営業マンから、その事を回避するために、鉄拳7ではキャラ数も最初は少ない状態でスタートするとハッキリ説明していたので、失敗を活かして次のバージョンにつなげた事になります。
他にも「戦国大戦」や「機動戦士ガンダムEXVS」など、同じようにバージョンアップ後に苦戦するという事もあるので、バージョンアップすれば安泰かというとそうでも無いですし、今回の「パズドラ」の場合は、ユーザー数が多いだけに、このように大きく話題になるのだと思います。
矛盾を克服するバージョンアップがベストですが・・・
そうした意味でも、ゲームのバージョンアップというのは難しいと常々思います。
どこをターゲットにして作るか?という事でも、大きく結果は異なります。
コアなユーザーをターゲットにすれば、コアなユーザー向けに機能を作りこみ選択肢を広げる代わりに、ライトユーザーに取ってはより複雑になっていく。
ライトユーザーをターゲットにすれば、逆に簡単にして機能を削ぎ落とすことでハードルは低くなるけど、コアなユーザーに取っては物足りなくなる。
この両面を十分に満たすバージョンアップができれば最善ですが、それが容易にできないのが難しいところです。
でも、ドラゴンボールと同じで、「またこのパターンかよ!」とか思いながらも、面白けりゃ遊んでしまうんですけどね・・・